食事・サプリ・栄養学

マラソンでのカフェイン活用法|タイミングや効果と注意点

2023年10月24日

カフェインは持久力の向上、疲労感の軽減などの効果が知られていて、プロのスポーツ選手もパフォーマンスアップのために利用している成分です。

この記事ではランナー目線でカフェインの働きや効果的な使い方をご紹介。
読むことで、マラソンの記録向上にカフェインを役立てることができるようになります。

マラソンでカフェインを摂取するメリット

ランナーはカフェインを摂取することで、次のようなメリットがあります。

  • より長く走り続けられる
  • より速く走ることができる
  • 主観的な疲労感の軽減
  • 鎮痛作用
  • 眠気覚まし

種目でいうと、5kmくらいのトラック競技から100kmを超えるようなウルトラマラソンまで、とても幅広い競技でカフェインは有効です。

カフェインの持久力アップ効果

カフェインの持久力アップ効果を示すエビデンスは豊富にあります。

例えばこちらの実験。

被験者を2つのグループにわけます。
片方のグループは運動1時間前にコーヒーを2.5杯(カフェイン330mg)を摂取しました。
もう片方のグループはカフェイン摂取なしです。

2つのグループが高強度の有酸素運動をしたところ、摂取群は平均90.2分継続でき、非摂取群は75.5分しか継続できませんでした(パフォーマンスの向上を意味する)。

また、心拍数など運動強度を示す値が同じであるにも関わらず、「カフェイン摂取群の方が運動が楽そうであった」とも報告されています(主観的な疲労感の軽減を意味する)。

出典
『運動生理学大事典』p118-120

元々ドーピング対象だったほど能力向上の確実性が高い

マラソンの記録向上をうたったサプリの成分はアミノ酸、クエン酸など多数ありますが、カフェインはその中でも最も効果の確実性が高い成分の1つです。

これはカフェインが以前はドーピングの禁止薬物であったという歴史からもわかります。

中にはカフェインによって調子を逆に崩してしまう体質の人もいますが(アメリカ人の統計では10%くらいの人がこれに該当していたと記憶しています)、そうでなければ優先度の高い成分であるといえます。

カフェインが作用するメカニズム

カフェインは次のような仕組みでパフォーマンスを高めると考えられています。

  1. 脂肪の分解を促進し、エネルギーとして脂肪を利用しやすくする。
    その結果として筋肉のグリコーゲンが温存されてガス欠のタイミングを遅らせる。
  2. 運動神経の興奮性を高めてより多くの筋繊維が活動に動員される。
  3. 疲労感と関係する神経伝達物質の働きを阻害して、主観的な疲労感が軽減される

1つめの働きはフルマラソンやウルトラマラソンなどの競技時間が長い種目ほど恩恵が大きくなります。

2,3番目の効果についてはトラック競技からフル、ウルトラマラソンまで恩恵があります。

マラソンレースでのカフェイン活用法

カフェインを飲むタイミングはスタート30分前、その後3~4時間おきに

カフェインの最も一般的な使い方は大会で記録を出すために利用することです。

カフェインが吸収されるのに30分ほどかかると考えられます。
なので、スタート前の30~60分前からカフェインを摂取するように私はしています。

フルマラソンならスタート前に飲んだらその後はカフェイン補給せずそのままゴールしてしまいますが、ウルトラマラソンなら途中で補給します。

私の体感的には3~4時間くらいで効果が弱くなってくるので、そのタイミングでカフェインを追加補給します。
(ちなみにカフェインは飲んでから約4時間で体内の濃度が半分になります。)

カフェインはレース終盤にという人も

「カフェインはレースの終盤のみ使う」という人もいます。
苦しくなった場面でサポートしてくれるからという理由のようです。

私はスタート前から飲んで、その後は3~4時間毎を目安に摂取しています。
これは辛くなった場面で助けてほしいのではなく、レース全体で記録を上げたいからです。

最初から使うと終盤での効き方は少し弱くなるかもしれませんが、トータルでの記録はこちらの方が上がるかなと個人的には思っています。

これはスタート時からカフェインの脂肪分解作用で筋グリコーゲンを温存しやすくなる、筋力アップでペースが上がることが理由です。

1回あたりのカフェイン摂取量の目安

パフォーマンスアップを目的とした場合のカフェインの摂取量の最適量はわかっていません。

コーヒーを1杯飲んだだけで全然眠れなくなる人もいれば、そうでない人もいるようにカフェインへの反応性は個人差があります。

私個人としてはコーヒー1杯(80mg)を飲んだだけでも十分に違いを実感できて、300mgを超えると胃に不快感を感じ始める傾向にあります。

(スタバのホットコーヒーでいうと、トールサイズで260mg、グランデで330mg程度と言われています。
私はトールでも飲み切るころにはちょっとカフェイン多いなと感じることがあります)

カフェインは多ければ多いほど効くというわけではありませんので、飲みすぎには注意して、日々の生活の中で「これくらいなら心地よい」と感じる目安を知っておくと良いと思います。

品目 カフェイン量
コーヒー(100ml) 40mg
紅茶(100ml) 20mg
コーラ(100ml) 10mg
レッドブル(100ml) 30mg

カフェイン断ちで効果を高める。ただし、それがストレスなら無理にしないでOK

普段からカフェインを摂取している人は大会の1週間前くらいからカフェインを絶つことで反応性を高めることが期待できます
私も大事な大会前はカフェインを控えるようにしています。

私はコーヒーが好きなのでコーヒーを我慢するのが少しストレスでした。
そこで普段のコーヒーをカフェインレスコーヒーにしてみましたが、それでもカフェイン絶ちと同じような効果を感じました

また、「カフェイン断ちのストレスが大きくて日常面でもマイナスで不安」という方は無理にカフェイン断ちにこだわりすぎなくても良いと思います。

ストレスなく良い状態でスタートラインに立つことの方が優先順位が高いでしょう。

カフェインを利用する時の注意点

カフェインが体質的に合わない人も10%くらいいる

体質的にカフェインを受け付けない人がいます。
海外の研究でしたが、遺伝的にカフェインの代謝が悪い人は逆にパフォーマンスが低下してしまうとのこと。
(記憶によるとたしか10%くらいそういうタイプの人がいるようです)

実際に練習でためしてみて「自分には合わない」と思ったら潔くカフェインは使わないようにしましょう

普段は大丈夫でもその日の体調によっては受け付けないケースも

普段は大丈夫でも運動中あるいはその日の体調次第では逆に調子が悪化することがあるという声もあります。

特にウルトラマラソンのような長時間競技で何度かカフェインを摂取する場合は途中の体調変化に十分注意して、カフェインがマイナスに働いている気がしたら途中で摂取をやめるようにしてください。

カフェインの過剰摂取に注意

カフェインを過剰摂取すると次のような症状が生じるリスクがあります。

  • 筋肉の震え
  • 胃腸障害、下痢、胃のむかつき
  • 動悸
  • 頭痛
  • 不安症

カフェインは多ければ多いほど効果が大きくなるわけではありません

特にエネルギー補給のジェルにカフェインがはいっている場合は注意です。
エネルギー補給のペースでジェルを摂取していたらカフェインの摂取量が大量になってしまう可能性があります
全てのジェルをカフェイン入りにしないようにバランスよく配分してください。

カフェインの過剰摂取を避けるための目安はこちらをご参考にどうぞ。

カフェインの過剰摂取について|スポーツ目的の利用時の注意点

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利尿作用でトイレに行きたくなるリスク

カフェインの利尿作用でスタート前の整列やレース中にトイレに行きたくなってしまうリスクもあります。

私も日常でよくコーヒーを飲みますが、やはりトイレに行きたくなることが多いです(個人差があるようですが)。

普段の練習ならまだ良いですが、大事な大会ではやっぱり尿意は避けたいもの。

水分が尿意を増す原因になりますので、レース前はコーヒーのようなドリンクよりも錠剤やカプセル剤の方が安心だと思います。

日常でカフェインを利用するときは疲労のマスキングに注意しながら使う

私はカフェインをレースだけでなく、日常の場面でも摂取しています。

早朝練習をすることが多いので眠気を覚まして体を運動モードにして走ると、良い練習ができて実力が積みあがっていくからです。

しかし、あるときにトレーニング日誌を読み返して色々と分析していたところ「コーヒーを午後の時間に飲むと睡眠の質が悪化してしまうかもしれない」と気づきました (あくまで私の場合です)。

15時とかに飲むと、夜の寝つきに違いは無いのですが、目覚める時間が早く、しかも一見はスッキリとして良い目覚め方をするのです。

以前はこれを「短い睡眠でもスッキリ目覚められて回復力が上がった」と評価していたのですが、これが2~3週間ほど積み重なると、後でツケを払うことになる傾向にあったのです。

言うなれば、カフェインは疲労をマスキングしてしまうリスクもあると気づきました。

カフェインは頑張り時に力を与えてくれるので、私はその使用に肯定的です。
今も朝練の前と午前で1日2回ほど摂取しています。

ただ、長期的にトレーニング負荷と回復のバランスをとるためには

「ときにはあえてカフェインを抜きにして、日中いつもよりパフォーマンスが落ちてでもグッスリ眠れる日を設ける」

というように総合的な判断が必要だと思いました。

マンゴー葉エキスとカフェインの相乗効果でより強力に

まだあまり注目されていない成分ですが『マンゴー葉エキス』もカフェインと同様に中枢系(脳)に作用して疲労感を軽減し、パフォーマンス向上に役立ちます。

マンゴー葉エキスはドーパミンやアドレナリンの分泌を増やすことが知られており、元々はeスポーツ(コンピューターゲーム、ビデオゲームの対戦をスポーツ競技として捉える際の名称)での精神エネルギーの向上(やる気、集中力、脳疲労の軽減、反応速度向上、その他認知機能向上)を目的として利用されることから始まったようです。

栄養メモ

マンゴー葉エキスはCOMT(カテコールーOーメチル基転移酵素)を阻害することでドーパミンやアドレナリンを増やすメカニズムがわかっている。

カフェインとは作用機序が異なるため、一緒に使うことで効果が足し算となる(相乗効果がある)ことが実験で確認されている。

東京オリンピックを契機にスポーツ分野でも広がりをみせ、上記の中枢的な作用にとどまらず運動機能向上や筋損傷軽減の働きのエビデンスもある。

カフェイン単体でも効果はありますが、マンゴー葉エキスをセットで使用することでより強い作用を出すことができると考えられています。

この相乗効果も考慮して私が開発したレース用サプリがCatalyst Zoneです。

Catalyst Zone

即効で最高の集中・パフォーマンス状態であるZone(ゾーン)に入れるようにサポート。レースでの使用を想定し、全ての成分を即効性で合格点のものに厳選したエルゴジェニックエイド。カフェインとマンゴー葉エキスの相乗効果で強力覚醒。水素で疲労対策。

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まとめ

  • カフェインは一部の体質的に合わない人を除き、パフォーマンスアップに役立つ
  • カフェインは「効果あり」というエビデンスが豊富であり、優先順位が高い成分といえる
  • 大会ではスタート30~60分前にカフェインを摂取し、3~4時間で追加投入を検討する
  • 大会の1週間くらい前からのカフェイン断ちで効果をさらに高められると考えられている
  • 多ければ多いほど効くわけではないので、練習で実際に試しつつ自分にあったカフェインとの付き合い方を考えること
  • 日常的に使用する場合は疲労のマスキング作用に注意する
  • マンゴー葉エキスはカフェインと別の機序で類似した効果があり、一緒に使うとより強力になる

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