カフェインはマラソンやトライアスロンなどのエンデュランススポーツでのパフォーマンスアップに効果的な成分です。
しかし、運動能力が向上するからといって、飲みすぎれば良いものではありません。
この記事ではカフェインを記録向上のために使うアスリートの方が過剰摂取によるマイナス効果を避けられるようにと思って書きました。
そもそものカフェインの効果についてはこちらをご参照ください、
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カフェインの過剰摂取によるマイナス効果
カフェインを過剰摂取すると次のような症状が生じるリスクがあります。
- 筋肉の震え
- 胃腸障害、下痢、胃のむかつき
- 動悸
- 頭痛
- 不安症
日常的にカフェイン摂取が少ない人はさらに注意
日常的にカフェインを摂取する習慣がない人はカフェインへの反応が強く、上記のリスクも生じやすくなります。
大会でカフェインを利用することを検討している場合は、練習で何度か試してみてトラブルが生じないか確認しましょう。
過剰摂取の定量的な目安
国際オリンピック委員会の法廷制限
自転車競技のバイブルともいえる『サイクリスト・トレーニング・バイブル(ジョー・フリール 著)』によると次のように書かれています。
- 国際オリンピック委員会の法廷制限はコーヒーを1時間あたりカップ6~8杯まで(840~1120ml)
→カフェイン量にして336~448mg - ある研究ではこの法廷制限以上にカフェインを摂取すると逆にパフォーマンスが低下するという結果が出ている
上記の基準は「1時間あたり」とあります。
競技時間が3時間以上に及ぶような市民ランナーのフルマラソン・ウルトラマラソンで
「336mg × 競技時間」 というのはかなりの量になりますので、あまり参考にならないかもしれません。
私の仮説としては市民ランナーのみなさんがカフェインを使うなら上限は下記の量くらいかと思っています。
(あくまで上限であり、もっと少ない量でも過剰摂取の症状を起こす人はいます)
- 競技時間が4時間半以内の場合 → スタート前とレース中あわせて330mgまで
- ウルトラマラソンなどさらに長い場合 → 「1時間あたり100mgまで」かつ「レースの1日全体で500mgまで」
カナダ保健省の発表
厚生労働省のホームページでカフェインの過剰摂取の注意喚起をみると、カナダ保健省の表明が引用されています(引用元)。
カナダ保健省によると
健康な成人は最大400 mg/日(コーヒーをマグカップ(237 ml入り)で約3杯)までとする
という目安を出しています。
これは日常的な摂取量の上限目安であり、「大会1日だけカフェインを多めに使う時の上限」とは理論的には違います。
ただ、1つの目安として参考にして良いと思います。
実践上のまとめ
「カフェインを使って安全にスポーツパフォーマンスをアップする」という目的を達成したいなら、過剰摂取でどのようなマイナス症状が出るリスクがあるのかをまず知りましょう。
そして、「多ければ多いほど効く」というわけではないことも頭に入れておきましょう。
そのうえで、自分の体で試しながら「このくらいの摂取量なら体調は悪くならないし、パフォーマンスとしてはプラスの気がする」という量を自分なりに見つけていくことが大切なのではないでしょうか。