ウルトラマラソン

ウルトラマラソン胃腸障害対策ガイドの読者QA集

2021年5月19日

先日『ウルトラマラソン胃腸障害対策ガイド~吐き気や胃のムカムカを予防して食べ続けるための13のヒント~』というテキストをランニングショップHolosのラインナップに加えました。

このテキストはウルトラマラソンで多くの方が悩んでいる胃腸障害について、再現性の高い13個の予防方法をまとめたものです。
胃腸障害を予防することでウルトラマラソンはよりストレス少なく、良い記録で走ることができます。

発売後に読者の方にアンケートを行いました。
お客様からいただいた質問への回答や、テキストで触れていなかったテクニックなどを下記にまとめます。

100km走るために必要な糖質量の計算式を記載して欲しかった。

具体的な計算についてはこちらの動画で解説していますのでご参照ください。




また、ウルトラマラソンの補給関係はこちらの記事にまとめています。
(80kgまで糖質補給目安の一覧表をつくっています)

ウルトラマラソンの補給方法|失速を予防し長時間走り続けるために

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糖質25gのジェルは相当濃いものに感じましたが、一般的なものでしょうか?

ジェルの濃さは全体の重さにもよるので25gといっても濃いかどうかはわかりません。

私がレースで使っているアスリチューンというジェルは全体が47gでそのうち糖質は25gです。
これは濃い方ではなく飲みやすいと個人的には思います。

過去に使っていたパワーバーのジェルは41gあたり30gの糖質でした。
これは軽量で糖質が多いという点では良いですが、飲むには濃いと思いました(個人的な意見ですが)。

カフェイン(CNC)の摂取方法について

最近、貴社のCatalyst Natural Caffeineを使い始めました。
100kmのレースの場合、どのタイミングで、どのくらい摂取することが適当でしょうか?
個人差があるとは思いますが、1つの例としてでも教えて頂ければ幸いです。

CNCのご利用ありがとうございます。
使い方の例をこちらで紹介していますのでご参照ください。

エブリサポートの使い方(以前は溶かさずに直接飲むというお話でしたが)

小谷さんの別のブログで、エブリサポートを粉のまま使う動画を拝見し、先日のフルマラソンで初めて使ってみました。
10km毎に1本を粉のまま水で流し込んで使いました。
今回のテキストでは、予め水に溶かす方法が書かれていますが、粉のままより、溶かして使う方が良いとの判断に変わられたのでしょうか。

今回溶かして飲むことをおすすめしたのは「飲もうと思っていても忘れてしまう。摂取頻度が気がづいたら減っている」というミスをしてしまう人が多いからです。
あらかじめ溶かして、水分補給はそれを基本的に飲むとすればそのリスクが軽減できるということです。

私自身は習慣化されていてほぼ飲み忘れることがないので粉のまま直接飲んでいます(その方がLSDのときとか水を持たなくてよいので軽くて良い)。
24時間走のレース中は水分を置いておけるので、事前に溶かしたものを用意しています。

つまり、飲む頻度が減ってしまうリスクと携帯性などの便利さのどちらをとるかによって使い分けているということです。

ロング走の脚の重さを解消|電解質補給の失敗を防ぐコツ

先日からオンラインでのパーソナル指導(栄養を主とした相談会)のサービスを始めました。 今日は1つ、お客様の事例でぜひ他の方にもシェアしたい内容があったのでブログにしました。 特にこれからの時期(梅雨~ ...

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CAEはガスター10の代わりになるか?

胃腸障害対策としてガスター10の早めの投入とありますが、これをCatalyst Athlete Enzymeに置き換えても同様の効果は期待出来ますか?

CAEもガスター10も胃腸障害の予防になると思いますが、体の中での作用の仕方はことなります。
なので単純に代替ということにはなりません。

お薬を使いたくないということでしたらCAEだけからはじめてももちろん大丈夫です(それで胃腸障害がなければいうことなし)。
その際のCAEの使い方はこちらをご参照ください。

Catalyst Athlete Enzymeマスター活用術

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炎天下のウルトラで冷たい水分補給で胃をやられる

炎天下ランの際、冷たい水分補給で胃をやられます。
対策を教えてください。
特にウルトラでも水分補給(一気飲み)でダメージを受けたことは多いと思います。
小まめな水分補給だけは難しいです。

炎天下でのウルトラは発汗量も多いので胃腸障害がおきやすいですよね。

まず1つのポイントは「体に水をかける」「氷を手に持つ、首や額にあてる」などして外から体温を冷やす努力をすることです。
汗は体温調整のために出るので、外から(汗に頼らず)体を冷やすことで発汗量をおさえることができます。
すると水分補給しなければいけない量が緩やかになるので胃腸障害の予防につながります。

こちらの記事もご参考にどうぞ。

夏のウルトラマラソン|暑さ対策と補給の注意点

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夏のランニング|私が練習で意識していること

この記事では夏の暑い時期に良い練習を継続して走力アップするために私が考えていることを整理します。 夏は誰もが走るのが苦しいですが、暑いなりに頑張ることで秋以降の大会でも違いが出てきます。 「今年の夏は ...

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糖質制限をしている人も同じ様に糖質を積極的に摂った方がいい?

糖質制限をしている方の場合は脂肪燃焼能力が高いのでより少ない糖質で大丈夫です。
量はペースや適応レベルによりますが、私が24時間走のときにどうしているかをこちらにまとめていますのでご参照ください。

250kmを快走|脂肪燃焼ランによる補給の変化

こんにちは。 ランニングショップHolosの小谷です。 今日は私が脂肪燃焼体質の肉体改造に成功したことでウルトラレース中の補給がどのように変わったのかについてご紹介します。 まずは補給の内容(何を摂取 ...

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レース当日の対処法が主でしたが、準備期間の糖質制限については今までの方法でいいのでしょうか。

今回のテキストは糖質制限をしていない一般の食事の方を想定して執筆しています。
(私の考えが変わって「糖質制限をしない方がパフォーマンスに良い」となったわけではありません)

糖質制限をして脂肪で走れる体つくりをしている人は糖質摂取量の目安のところが変わってきます。
私の24時間走の補給例が参考になると思います。

250kmを快走|脂肪燃焼ランによる補給の変化

こんにちは。 ランニングショップHolosの小谷です。 今日は私が脂肪燃焼体質の肉体改造に成功したことでウルトラレース中の補給がどのように変わったのかについてご紹介します。 まずは補給の内容(何を摂取 ...

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糖質制限をしても糖質の必要量が減るだけなので胃腸障害対策で重要なポイントは変化ありません。
よってテキストの内容は参考にしていただいて大丈夫です。

M1 ブロッカーとH2 ブロッカーの違いについて

どちらも胃酸分泌を抑えるという意味では共通しているかと思いますが、なぜその違いを感じられるのか。
小谷さんの見解を ご教示頂ければ幸いです。

目的は同じでも働くメカニズムが違うというのが違いを感じる理由です。
私は薬の専門家ではないので、薬剤師の方の記事から引用させていただきます。

特に症状が強い場合には「H2ブロッカー」が効果的です。
H2ブロッカーは胃酸を出すスイッチであるヒスタミン受容体に作用して胃酸の分泌を強力にブロックし胃粘膜の修復を促します。

(中略)

また、胃酸を出すもう一つのスイッチであるムスカリン受容体に作用し胃酸の分泌を抑える「M1ブロッカー」も胃痛・胸やけにおすすめです。
成分としてはピレンゼピン塩酸塩で、胃酸を抑える効果はH2ブロッカーに比べて劣りますが、胃粘膜の保護作用を併せ持ちます。

引用元:https://www.ekenkoshop.jp/special/self_37/

また、ガスター10は「第1類医薬品」、M1ブロッカーで以前私が使っていたガストールは「第2類医薬品」です。
この辺りからも作用の強さ(使用の難しさ)に違いがあるとされていることがわかります。

コンビニのおすすめ補給

グルメランやLSDの際にコンビニに寄りますが補給は何が良いかいつも迷います。
オススメ教えてください。

糖質の補給と電解質の補給の2つがポイントですね。

糖質についてはテキストにある通りそのときに美味しそうと思えて、栄養成分的に糖質の量が多めならOKです。
おにぎり、パン、麺類、お菓子類どれも基本的に糖質が多めです。

私は温かいときならお蕎麦とかが好きでしたね。
暑くなってくるとアイスとかもリフレッシュと糖質補給に好んで食べていました。
パンは水分がとられるので食べにくいですが、ゆっくり止まって食べるときなら甘い系のは美味しかったです。

(糖質制限中の空腹ランニングでは補給しませんでしたが)

電解質補給については「果物ジュース+塩辛いもの」の組み合わせがおすすめです。

ジュースはオレンジジュース、トマトジュースは栄養価的にgoodです。

塩辛いものは干し梅、 カリカリ梅はコンビニから出ても携帯しやすくて良いです。
その場で食べるならお漬物も美味しかったですね。
麺類のつゆを飲むのも塩分補給になります。


以下の項目からは読者の方から寄せられた胃腸障害克服のヒントをご紹介します。
ぜひ本テキストとあわせてご活用ください。

味にアクセントを加える

塩っけもあるものをアクセントにすることで、甘いものを取りやすく感じてます。

美味しさが大事という話がありましたが、このようなアクセントをつけるというのも楽しく食べるのには役立ちますね!

お腹周りを外から温める

使い捨てカイロでお腹周りを外から温める

私も夜間で気温が下がったときなどお腹を温めることはあります。
落ち着きますし良いですよね。

塩分調整しやすい味噌を使う

塩そのものを摂ると胃が荒れますので、私は味噌を使用しています。
暑い日は味噌汁を飲んでから練習に取り組むなど。
味噌は塩分濃度も調整できて便利です。

濃度が濃い塩分を一気にとると調子を崩してしまうケースがあります。
濃度調整がしやすいものは便利ですね。

テキストで紹介した経口補水パウダーを飲むとき、中には濃度が濃くて気持ちが悪くなるという人もいます。
濃度が薄くなりすぎては本来の目的(電解質不足を防ぐ)を達成しにくくなってはしまいますが、調子を崩してまで濃さに固執する必要はありません。

固形物からの塩分も使うなど柔軟にアレンジしてご自身にあった補給をみつけてください。

ウエストポーチでお腹を締め付け過ぎない。

ウエストポーチでお腹を締め付け過ぎない。
腰に巻くボトルポーチのベルトの締めつけで具合が悪くなったことがあります。
良いボトルポーチがないか探しています。
ネイサンのマーキュリーという商品が良さそう。
(エイドがあれば不要だとは思いますが)

物理的に締め付けすぎないというのは大事ですね。
長く走っているとウエストサイズが減ったり増えたりしますので調整しやすいものは便利です。

私はハイドレーションを持つときはサロモンのベスト(S/LAB SENSE ULTRA 5 SET)を使っています。
これにも満足していますが、ポーチ型も欲しいなと思っています。
マーキュリーという商品試してみようかな...)


以上、読者の方からの声をピックアップしたものになります。
立場上回答が困難なもの(医学、治療関係のことなど)へは回答できておりませんがご理解ください。

アンケートにご協力くださったみなさま、ありがとうございました。
ぜひテキストと本記事を参考にしてウルトラマラソンを快走してください。

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