この記事ではカフェインをマラソンの記録向上の目的で使うとき、カフェイン断ちをした方が良いのかについて検討します。
カフェイン断ちとは大会前の一定期間、コーヒーなどのカフェインが入ったものを摂取しないことです。
そもそものマラソンへのカフェインの効果についてはこちらの記事をご参照ください。
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カフェイン断ちを支持する意見
マラソンと同じ持久系スポーツである自転車競技ではカフェインがパフォーマンスアップのためによく利用されています。
世界最高のサイクリストたちのロードバイク・トレーニングでは次のようにカフェイン断ちを支持するコメントが記載されています。
はっきりしているのは1日にカプチーノを何杯もを飲むようなカフェイン常用者はレース中に摂るカフェインへの感度が鈍るということだ。
だから、本番でより大きな効果が得られるよう、選手のほとんどはツールのような大会に向けた準備期間中、カフェインを控える。
そしていざカフェインを摂るときは、目当てのステージに照準を合わせる。
また、私はコーヒーを好んで日常的によく飲んでいますが、カフェイン断ちの効果を実感しています。
カフェイン断ちは効果がないという研究も
カフェイン断ちの有効性についてはまだ議論がわかれているところでもあります(直感的には有効という声の方が多そうですが)。
ランナーズワールドの記事で「レース前のカフェイン断ちは本当に必要?」と題したものがありました。
『Do You Really Need a Pre-Race Caffeine Detox?』
こちらの記事によると30分間のバイクパフォーマンスでいうと、カフェイン断ちに有効性は見られなかったとのこと。
ただ、この記事1つでカフェイン断ちが役に立たないと考えるのは尚早だと思います。
この記事では30分の運動パフォーマンスを検証していますが、フルマラソンやウルトラのようにもっと長い種目になると結果に差が出るかもしれませんし。
このデータを見て
「カフェイン断ちにそこまで神経質になる必要は無いかも」
「カフェイン断ちがストレスになってしまう人は無理をしなくて良いかも」
と私は考えるようになりました。
そのため、「カフェイン断ちが辛くて日常に支障が。。。」というご相談に対して「無理にやらなくても良い」と回答したこともあります。
カフェイン断ちの期間について
カフェイン断ちの期間ですが、短いものだと2~3日で効果があるという意見もあります。
私個人の体感としても3日ぶりにカフェインを摂れば効いたという感覚が強くなります。
長い人だと1か月ほど継続してカフェイン断ちをするようです。
カフェイン断ちのベストな長さについての説得力あるデータは私も見たことがありません。
最近の私は、大会前の1週間を目安にしています。
コーヒー好きの人はカフェインレスコーヒーでもカフェイン断ち効果あり
コーヒーが好きでカフェイン断ちがキツイという人はカフェインレスコーヒーがおすすめです。
私もコーヒーが好きなので、どうしても飲みたくなったときはカフェインレスコーヒーを代わりに飲むようにしています。
個人的な体感としては、1週間コーヒーをカフェインレスにしても、きちんとレース当日の反応性は高まるように思います。
お客様のエピソード
カフェイン断ちに手ごたえを感じているお客様の声を紹介します。
四万十川ウルトラマラソンを8時間14分で走り、自己ベストを25分更新したという中嶋剛さんから届いたメッセージです。
小谷先生、ご無沙汰してます!!
この度四万十ウルトラマラソンに出場して、自己ベストを25分更新(8時間14分08秒)することができました。今回の達成の要因はCatalyst Natural Caffeineがあると思いメッセージしました。
今回は大会までの練習期間が少なくせめて体調管理だけでもと思い、カフェインを1カ月ほど抜き練習は短めのスピード練習を中心に疲労がたまらないようにしました。
実際レースでCNCを使ったところ、いつも60-80キロ区間で訪れる倦怠感や中弛み感に襲われることなく走りに集中することができました。
実のところ鎮痛効果の方に期待していたのですが、この集中力アップ効果の方が顕著でした。おかげさまで記録更新できました。個人的にはフルマラソンの30キロ以降にも使えるのではないかと考えてます。
ありがとうございました!
大会に向けて努力を継続して結果を出した中嶋さんの高揚感や誇らしさが伝わってきますね。
続:カフェイン断ちの期間について
カフェイン断ちの期間が長いと
「あれだけ頑張ってカフェインを避けたのだから結果を出さないと」
という心理も働いてさらに頑張れるかもしれません。
「心理効果はプラセボだ」と否定的に思われるかもしれませんが、私個人としては「それも効果のうちなので利用する方が得」という考えです。
カフェイン断ちに限らず、「大会のためにこんなに頑張ったんだ」という想いは、苦しい場面で自分を鼓舞してくれます。
まとめ
- カフェイン断ちの効果はそれを否定するデータもあるが、実施した方がレース当日のカフェインの効果は高まると思われる
- ただし、カフェイン断ちが辛く日常で支障が出るなら無理に実施しなくても良い
- カフェイン断ちの期間は3日~1か月くらいと幅がある
- 私個人としては1週間を目安に実施している
- 期間が長いほど「あれだけ頑張ったのだから」という心理効果も働く
- コーヒー好きはカフェインレスコーヒーを利用すると便利
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