食事・サプリ・栄養学

中枢性疲労その2|中枢性疲労の原因を理解する

2023年9月23日

今日は中枢性疲労(脳が生み出す疲労感)について、前回の続きの情報提供をしていきたいと思います。

前回の内容はこちらのブログに掲載しています。

マラソンの失速の原因、実は脳の疲労が〇%

今日からのブログでは中枢性疲労(脳が原因の疲労)とマラソンの関係について考えていきたいと思います。 中枢性疲労について理解し、対策をすることで、走りのパフォーマンスを上げられる可能性がありますよ。 最 ...

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中枢性疲労はマラソンのパフォーマンス低下の半分近くを占めている可能性があり、対策の伸びしろが大きいということでしたね。

今回は中枢性疲労を引き起こすメカニズムについて解説し、疲労を軽減するためのヒントを探っていきたいと思います。

上の写真は先日開催した中枢性疲労をテーマにしたオンラインセミナーのキャプチャです。

中枢性疲労を引き起こす原因として、様々な要因が考えられているのですが、それを

  • 物質的・肉体的な要因
  • 精神的な要因

の2つに分類して解説しているシーンです。

物質的・肉体的な要因は「疲労物質」という言葉を使うとわかりやすいかもしれません。

運動をすることで、体内にある物質が発生し、それが中枢性疲労を引き起こしているという仮説です。

精神的な要因は心の状態や頭の中で考えていることなど、物質として計測することが困難な要因です。

今回はブログ読者のみなさま向けにセミナーの要点を8分にまとめて編集した動画をご用意しました。

ご覧いただくことで、中枢性疲労はどのように生じるのかイメージがわき、次回(疲労を軽減するための具体的な対策方法)を納得して実行するための土台となる理解が得られるかと思います。

ぜひ、下記よりご視聴ください。

動画の要点

  • 疲労したラットの脳脊髄液を元気なラットに注入すると疲労することから、脳脊髄液中に中枢性疲労を引き起こす疲労物質があることが示唆される
  • 脳は血液中から糖質を取り込んだり、脳グリコーゲンとして蓄えている糖質をエネルギーとして活用する。
    そのため、長時間の運動でその糖質が減少すると脳細胞の機能が低下し、それが中枢性疲労を引き起こす
  • セロトニンの脳内での濃度が高くなりすぎると疲労感を感じる。
    その予防にBCAAが役に立つという説がある。(次回で紹介しますが、かなりの量を摂取しないと、この効果は望めない可能性があります)
  • タンパク質をエネルギーにする際に生じるアンモニアは神経毒であり、これも中枢性疲労に関係している可能性がある
  • 頭脳労働による疲労(集中力が切れたり、飽きてくること)と活性酸素が関係しているという説がある
  • 過去に走った経験のあるコースは疲れにくい
  • レースへのモチベーションが高いと疲労を感じにくい
  • 「ゴールできる」「目標が達成できる」という感覚は中枢性疲労を低下させる
  • 練習、メンタル強化、栄養(補給や日常の食事)によって中枢性疲労に強くなるよう対策をすることができる

次回は中枢性疲労に強くなりレースで良い記録を出すための対策方法について考えていきたいと思います。

中枢性疲労に強くなる補給・練習・メンタル

今日のブログは中枢性疲労に関する第3回目のお話です。 第1回では「マラソンの失速の原因は実は筋肉よりも脳の疲労による影響が大きいかもしれない。よって、中枢性疲労の対策には大きな伸びしろがある可能性があ ...

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