食事・サプリ・栄養学

中枢性疲労に強くなる補給・練習・メンタル

2023年10月10日

今日のブログは中枢性疲労に関する第3回目のお話です。

第1回では「マラソンの失速の原因は実は筋肉よりも脳の疲労による影響が大きいかもしれない。よって、中枢性疲労の対策には大きな伸びしろがある可能性がある。」というデータをご紹介しました。

第2回では「中枢性疲労を引き起こすメカニズムについて、いくつかの仮説を紹介。
疲労物質に対しては栄養的な処方で、精神的な要因に対しては練習やメンタル(考え方)で対策することができる。」ということでした。

今回は中枢性疲労に強くなるためにできる対策方法についてご紹介します。

ランニング中の補給でできること

走っているときの補給でできる対策としては以下の3つがあります

  • 低血糖にならないように糖質を十分に摂取すること
  • カフェイン、マンゴー葉エキスは中枢系に作用するので効果的
  • BCAAはセロトニンの脳内濃度を下げることで中枢性疲労に効くという説がある

1.糖質の十分な補給

中枢性疲労は脳細胞がエネルギー切れになることでも生じると第2回でお話ししました。

特にフルマラソンやウルトラマラソンのような長時間の競技では糖質の消費量を予測し、ゴールまで不足しないように計画的にエネルギー補給をすることが大切です。

2.カフェインとマンゴー葉エキス

カフェインは中枢性疲労に即効で効果があることが多くの研究で確認されています。

(個人差がありますが、ざっくりいうと15分くらいから血中濃度が上がって効きはじめ、4時間くらいで半分になり体感が弱くなります)

中にはカフェインで体調が逆に悪くなるという方もいらっしゃいますが、そうでなければ大事なレースでは積極的に使いたい成分の1つです。

また、まだあまり知られていない成分ですが、マンゴー葉エキスはドーパミンやアドレナリンの分泌を増やすことが確認されており、カフェインと同様に中枢性疲労におすすめです。

カフェインとマンゴー葉エキスは作用機序が異なるため、一緒に使うことで効果が足し算となる(相乗効果がある)ようです。

私が開発したレース用サプリの『Catalyst Zone』でもこの組み合わせを採用しています。

Catalyst Zone

即効で最高の集中・パフォーマンス状態であるZone(ゾーン)に入れるようにサポート。レースでの使用を想定し、全ての成分を即効性で合格点のものに厳選したエルゴジェニックエイド。カフェインとマンゴー葉エキスの相乗効果で強力覚醒。水素で疲労対策。

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3.BCAAも中枢性疲労に効く可能性がある

第2回で「セロトニンの脳内での濃度が高くなりすぎると疲労感を感じる」という説を紹介しました。

そして、BCAAの血中濃度が高いとセロトニンの濃度を抑えるというメカニズムがあるので、BCAAを摂取することで中枢性疲労を軽減できるかもしれません。

『A role for branched-chain amino acids in reducing central fatigue』という研究では30kmクロスカントリースキーで中枢性疲労に効果があったとされています。

ただ、情報収集をしていたところBCAAにこのような作用を求めるにはかなりの量を摂取する必要があるのではないかと思いました。
(個人的な解釈ですが10~15gは必要で、長時間になるとそれをどれくらいの頻度で飲めば良いのかわかりません)

ここから先は客観的とはいえない私見なのですが

  • 私が過去に自分でBCAAを使ってあまり体感を得られなかったことと
  • これまでセミナーでお会いしたお客様の中にもBCAAが効いたと満足している人は少ないこと(「飲まないと不安」という感情で飲んでいる人が多い)

から

「BCAAは効果はあるのかもしれないけれど、優先順位で考えたらそれほど高くない」

というのが現時点での私の考えです。

とはいえ、私が飲んでいたBCAAの量が少なかっただけで、正しく使えていなかった可能性もあるということは書き留めておきたいと思います。

もし体験談などをお持ちの方がいらっしゃったらご教授いただけますと幸いです。

 

試走ができるレースは試走をする

中枢性疲労を軽減するおすすめの練習方法は「コースの試走」です。

アクセスなどの問題で現実的には難しいということもあるかもしれませんが、事前にコースを一部でも試走することは大変効果的です。

過去に走ったレースや走ったことのあるコースでは中枢性疲労が軽減することがわかっています。

メカニズムは色々とあると思いますが、事前にコースを知っていることで脳がレース中に無視できる情報が増えて、脳の負担が減るからではないかなと思います。

実際に、運動前に算数のテストのような認知負荷のかかるタスクをさせると、運動パフォーマンスが低下することがわかっています。
レース当日はできるだけ考え事や心配事が少ない方が良いといえます。

脳の負担という意味では地図読みが必要なレースなどでは、さらに試走の効果が増すことでしょう。

私は2007年に初めてさくら道国際ネイチャーラン(250km)に出たときは、父の車に乗せてもらいコースを全て下見しました。
実際に走らなくても、これだけで大きな違いがあったと感じています。

 

レース中のメンタル面での対策

中枢性疲労はメンタル面(どんなことを考えるか、どう考えるか)にも大きく左右されます。

大会中に知人の応援があったり、ゴールが確信できたときに、急に疲労が吹き飛んだかのように感じることは、きっと多くの方が経験していると思います。

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こちらの記事ではウルトラマラソン中に私がどのように考えているかを紹介しました。
ウルトラだけでなく、他の競技でも応用できる考えだと思います。

例えば

「自分はゴールできるんだ。なぜなら・・・だから」と自分を納得させる安心材料を用意しておく。

というのは誰でもすぐに実行できて、効果も大です。

ぜひご参考にしてください。


Catalyst Spirits(CS)はランナーの中枢性疲労に特化して開発したサプリメントです。

(先述のCatalyst Zoneは大会用で即効的に中枢性疲労に対策するのに対して、CSは日常的に継続することで実力として積み上げていくように違いがあります)

元々は医療の分野で精神的・肉体的なストレスへの抵抗力を高める ために使用されていたハーブの中からマラソンに役立つ成分をブレンドしました。

仕事が忙しいなど、日常からストレスが多く精神疲労がたまっているというお客様からは特に人気の商品です。

▼お客様の声
『年間走行距離7000kmを達成 その後、脳疲労で朝も起きられない日々が続いていました』

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