食事・サプリ・栄養学

ダイエットや筋力アップにおすすめの栄養素ビタミンD

2021年1月29日

ビタミンDはダイエットや筋力アップ、疲労骨折の軽減など、ランナーに嬉しい効果が知られています。
この記事ではビタミンDの効果や使い方をまとめていきます。
日々の健康やパフォーマンスアップにお役立てください。

ビタミンDの概要

  • 脂溶性(脂に溶ける)ビタミンなのでサプリなどで摂取する場合は食後の方が吸収されやすい。
  • 食品での摂取だけでなく、日光を浴びることでも体内で合成される。
    コレステロールから作られるので、コレステロール値が低いと合成されにくい。
  • カルシウムの吸収を助ける働きがある。
    疲労骨折の軽減にも役立つ。
  • 不足するとカルシウムの吸収が悪化。筋力低下のリスクも。
  • 過剰摂取のリスクとして、高カルシウム血症、食欲不振、腎臓障害を起こす可能性がある。

ビタミンDの摂取量の目安

ビタミンDは下記に紹介するように記録を目指すランナー的にも一般的な健康としても効果がある成分です。
よって、安定して十分な量を摂取できることが望ましいでしょう。

1日の摂取量の目安は25~100㎍(1000~4000IU)。
(継続的に摂取しても過剰摂取のリスクが少なく、エビデンで成果のあった量を摂取するとなるとこれくらい)

メモ

上記の摂取量は厚生労働省発表の『日本人の食事摂取基準』の8.5㎍より多くを推奨しています。
これは私がこれまで勉強してきたことを総合して判断した量になります。
その点をご理解の上で参考にしていただければと思います。

ビタミンDの多い食材

ビタミンDはしらすなどの魚、卵、牛乳、キノコ類に含まれています。

食品 ビタミンD(㎍)
しらす 大さじ2(10g) 6.1
1切れ(80g) 25.6
さんま 1尾(100g) 14.9
カレイ 小1尾(100g) 13.0
いわし丸干し 1尾(30g) 15.0
ブリ 1切れ(80g) 6.4
1個(50g) 1.0
牛乳 200ml 0.6
干しシイタケ 2個(6g) 0.8

冬季・緯度の高い地域の人は意識的に摂取

ビタミンDは日光の紫外線を体に浴びることで体内で合成されます。
よって、紫外線の量の減少する時期(11~2月くらい)は不足しがちになります。

また、緯度の高い地域(東北・北海道など)にお住まいの方は更に不足しやすいので注意しましょう。

このような条件が重なるときはできるだけ意識的に日光を浴びるように心がけると良いと思います。

余談ですが日焼けサロンの光は紫外線の種類が日光と違うためビタミンDの合成はされません。

ビタミンDとダイエットの関係

ビタミンDサプリメントの摂取によってダイエット効果があったという研究があります。

『A 12-week double-blind randomized clinical trial of vitamin D₃ supplementation on body fat mass in healthy overweight and obese women』

こちらの研究によると、12週間に渡ってビタミンDを1日25㎍(1000IU)を投与したところ、平均で2.7kgの体脂肪が減ったとのことです。
この間、被験者は食事制限も運動も実施していないそうです。

このような結果になった理由としてはレプチンというホルモンとビタミンDの関係にあるのではないかと考えられます。
レプチンは満腹中枢を刺激して食欲をおさえ、脂肪の分解を促す働きのホルモンです。

ビタミンDが不足するとレプチンが正常に機能しなくなることがわかっています。

ビタミンD欠乏→レプチン機能低下→食べすぎ、脂肪がたまる

という流れかと思います。

補足

レプチンは睡眠不足によっても分泌が低下してしまうホルモンです。
睡眠不足だと食べすぎて太りやすくなってしまうのはそれが原因と考えられています。
ダイエットのためにはしっかりと眠ることが大切なんですね。

ビタミンDは筋肉強化にも効果

ビタミンDを1日25㎍(1000IU)を投与したところ、速筋繊維(タイプⅡ)の量が増え、骨折の割合が減ったとする報告があります。
高齢者の方は転倒して骨折し、更にそこから運動不足が進んでというケースがありますので、ビタミンDは重要な栄養素と言えそうです。

『Treatment of vitamin D deficiency increases lower limb muscle strength in institutionalized older people independently of regular physical activity: a randomized double-blind controlled trial』

また、ビタミンDは

  • 筋サイズを小さくするミオスタチン遺伝子の発現を低下させる
  • 筋肥大を引き起こすフォリスタチンなどの遺伝子を増やす

というメカニズムで筋力低下と筋肉痛を防ぐと考えられています。

このような情報もあってか以前お話したスポーツ専門の管理栄養士の方はこう話していました。

「ケニアのランナーのように、紫外線の強い地域に住んでいる選手は血中ビタミンD濃度が高い。
それもパフォーマンスが高い理由かもしれない。」

ビタミンDによる筋力アップ効果は血中濃度が40-50ng/mLに最適値があるようです(反証もありますが)。
なので、ビタミンDが多ければ多いほど良いという単純なものではないようです。

過剰摂取リスクもありますので、サプリを使う時は1日25~100㎍(1000~4000IU)の目安を参考にすると良いかと思います。

ビタミンDの投与でインフルエンザ罹患率が低下

ビタミンDは健康への効果を示す報告もあります。

最近では新型コロナの重症化リスクを下げるという研究も出てきています。
『Should Runners Add a Vitamin D Supplement to Their Diet in Winter?』

私の個人的なビタミンDとの付き合い方

最後に私のビタミンDとの付き合い方を。

ビタミンDは日光を浴びると合成されるということで、意識的に毎日外に出るようにしています。
これは、ビタミンD合成だけでなく、体内時計を整え良い生活リズムをつくるためでもあります。

食事においてはビタミンDを含む食材を特に意識して摂取ということはしていません。
というのも普段の糖質制限の食事でそれなりの摂取量があることがわかったからです。

計算してみたら普通にしている食事で24㎍くらいは平均的にとれているようです。
これにプラスビタミンミネラル剤のCatalyst Conditioningでプラス8.3㎍。
合計30㎍くらいは食べられています。

これは私の食事の場合なので、みなさんもご自身の代表的な食事ケースで調べてみると良いでしょう。
例えばこちらのサイトで栄養計算ができます。

また、冬季に限定でビタミンDサプリ単体のサプリを使うことにしました(1日25~50㎍)。
これはまだテスト段階なので良いか悪いかの判断はできないところです。
ただ、高価なものではありませんし、「何か効果を感じられたら良いかも」くらいの気持ちで使っています。

-食事・サプリ・栄養学

© 2024 小谷修平のランニング講座 Powered by AFFINGER5