食物酵素理論の世界|E.ハウエル『医者も知らない酵素の力』を読んだ感想

食物酵素理論の世界|E.ハウエル『医者も知らない酵素の力』を読んだ感想

今日は『医者も知らない酵素の力』(E.ハウエル著)を読んだ感想を書きます。

この本を手に取ったきっかけは酵素サプリの開発に着手したことです。
先月の記事でも書きましたが
「フルマラソンやウルトラでは胃がムカムカして食べられなくなってしまう」
「レース中に食べたものが吸収されている気がしない」
「内臓が強ければもっと走れるのに!(レースも練習も)」
という悩みへの解決策の1つとして酵素サプリを色々と試してきました。

自分の体で試した感覚、酵素サプリを使ったことのある人の体験談などから
「いくつかの酵素サプリは効果がありそうだ」と総合的に判断しました。

酵素サプリを試した感想

体感の良さをある程度確認したら、次は「酵素がどのように働き、なぜ効果があると考えられるのか」という理屈の検証が必要です。
そこで酵素に関する情報収集をしているうちにたどりついたのが今回紹介する『医者も知らない酵素の力』です。

本書で取り上げられている酵素とは一般的によく使われる酵素ではなく「食物酵素」です。
この「一般的な酵素」と「食物酵素」をわけて理解することがポイントです。

(一般的な)酵素とは

体の中で働く触媒(しょくばい)のこと。
体の中では無数の化学反応が起きていますが、その化学反応がきちんと進むためには酵素が必要です。
例えば食べた物を消化・吸収するには食べ物を小さく分解する必要があります。
その食べ物を小さく分解する化学反応のために、例えばアミラーゼなどの消化酵素が働いています。
それ以外にもエネルギーを作り出したり、体の組織を作ったりとあらゆる体内の化学反応で酵素が活躍しています。

食物酵素とは

あらゆる食物(つまり全ての動植物)の中に元々含まれている酵素。
例えばキャベツやニンジンなどの野菜、豚肉や牛肉、魚の肉など何にでも入っています。
熱に弱く、加熱調理すると働かなくなる。 

本書で語られるテーマは「食物酵素の重要性について」です。
(一般的な意味での酵素はタンパク質なので「口から摂取してもアミノ酸に分解されて吸収されるので意味がない」という結論になると思いますが、これはハウエル氏の主張を否定する根拠にはなりません。)

ハウエル氏の主張はこうです。

  • 食物酵素はその食べられた食物自身を消化する作用がある。
  • 食物酵素を積極的に摂取することで体の負担が減り健康になる。
  • 加工食品や加熱調理したものは食物酵素が破壊されているので望ましくない。

例えば人がキャベツを食べるケースを考えましょう。
キャベツには食物酵素が含まれていて、人が食べてから酵素が働き出します。
口から入って小腸で吸収されるまでの間に食物酵素がキャベツの分解を助けます。
(人も消化酵素を分泌しますが、食物酵素のおかげでその量が少なくてすむ)

一方キャベツを加熱調理してしまうと、食物酵素が壊れるため人は多くの消化酵素を分泌することになります。
これが体にとっての負担となり、長期的な健康リスクや食後のだるさなどにつながるとのこと。

食べられるものが自らを分解し、食べるものを助ける。
仮にそうだとしたら、「神様が食物連鎖の図をみながらその仕組みを作ったのではないか」と想像してしまうような壮大さを感じます。

突拍子もない仮説のように思えるかもしれませんが、ハウエル氏の理論を裏付けるような根拠も多くあります。

  • 動物園の飼育中の動物の死亡率が食事の変化(加熱調理して酵素を失った食事→酵素が壊れていない生の食事)によって急速に低下した
  • 伝統的なイヌイットは食物のほとんどを生で食べている。彼らは医薬品のようなものはもたず、医術の施術者もいない。
    (現代的な食生活に変わったイヌイットは病気を発症するようになった)
    一方で加熱調理をする民族は多かれ少なかれ色々な薬をもっており、医術の施術者が高い地位を持っている。
  • 生の餌を与えたネズミの寿命は平均3年だが、加熱した餌だと2年に減少したというデータがある。
    (加熱によって喪失したビタミンなどを補っても関係ない。2つの食事の違いは熱に弱い酵素だけと解釈できる。)
    これはネズミ以外の動物でも似たような結果になった。

上記以外にもハウエル氏の主張の根拠となる実験結果が豊富に紹介されています。

一方で世間的にはこの食物酵素の理論はまだ「根拠が不十分である」との見方が主流で、批判的な見解を持つ人の方が多いようです。
私もいくつかの仮説は納得がいかないものもありました。
(例えば、人が一生で作れる酵素(潜在酵素と呼ぶ)の量は一定なので、それを浪費しないように生の食事やサプリで補給するべきという説は証拠が不十分に思えます)

また、「生食より加熱した方が消化に良い」との反論もあります。
ただ、この反論が正しかったとしても、加熱調理で病気になったり死亡率が上がる現象をどう解釈するのかという問いは残りますが。
(私たちが真に知りたいのは消化に良いかとかではなく、健康的な生活を送るためにはどのような選択をすれば良いかなので)

私のこれまでの知識や経験、観察してきたことから総合的に判断したところ
「少なくともハウエル氏の主張は的外れなものではなさそうだな」
というのが今の私の考えです。

「栄養関係の勉強に興味がある人」
「健康に関心がある人(特に糖尿病、アレルギー体質、食後のだるさでお悩みの人)」
は一読の価値があると思います。

私もまだ不透明なところもあるので、より良い判断ができるよう情報募集中です。

  • 食物酵素に詳しい方のご意見
  • 酵素サプリを使った方の体験談
  • 本書や関連書の感想

など気軽に教えていただけると嬉しいです。

COMMENTS & TRACKBACKS

  • Comments ( 2 )
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  1. By 小谷修平

    ニュースレター楽しく読んでいただけたようで嬉しいです。
    おすすめ本も気に入ってもらえて良かったです。

    牛乳の情報ありがとうございます。
    プラセボであろうとご自身が体感されたならそれが一番ですよね。

    酵素の本もお時間ができたときに是非手に取ってみてください。

  2. By 前嶋真一

     郵送でメルマガ届きました。コンパクトにまとめられ楠瀬さんブログなど興味深いもの多々ありでした。楠瀬さん同じヤビツ走ってるとは、うれしい発見でした(スピード全然違いますが)峠の主人(中村道成さんです)とは私顔見知りです。今は糖質に関して私も楠瀬さんと同じです。
     先日小谷さんおすすめ「病は気から・・」読みました。面白くて一気に読んでしまいましたが、早く読みすぎて頭に残ってません。以前から感じてたブラセボもバカにできないなという予感が実感に変わりました。
     胃腸関係ですが、胃から出血の件気を付けるようになりかなり減りました。RUN+TRAILという雑誌でラン中のアップダウンで胃がシェイクされ胃酸が自分の胃を溶かしてしまう。これを根拠に、自分で固形物摂取前に牛乳などを飲み胃壁を守るというやりかたです。嫁にブラセボと言われましたが。2日長距離連続×2やりましたが、これで黒便なしで、ガスター10飲まなくても平気でした。ただ今涼しい時期で水分摂取量少なく夏場どんどん飲んだ場合、胃壁についた牛乳など洗い流されてしまうかちと心配です。知らないよりいいです。
     酵素の本、気になります。欧米いくと必ず生野菜あります。欧米人料理できないから生だと思ってましたが。一応根拠あるんですね。焼き魚 刺身どっちがいいか・・微妙ですね・・。進化では生肉→火を通した肉となってるはづなので。栄養学では加熱より生がいい、寄生虫よけのために火が使われるようになったのでしょうかね・・いくら生がいいと言ってもアニサキス見たら加熱の方がいいでしょう。
     また骨や関節靭帯強くなる食事教えてもらえると助かります。

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