「走っている時に肩がこって疲れる」
「マラソンの時に首のあたりが緊張して痛い」
「肩こりのせいで腕ふりが上手くいかずパフォーマンスが落ちている」
という方のためにランニング中の肩こりの原因と解決方法について整理していこうと思います。
実は私も過去に何回か肩・首回りの緊張に悩まされていたことがあります。
色々と勉強して試して今ではすっかり解消されています。
(12時間くらいのジョギングや、強度の高いスピード練習をしたりしても肩回りはリラックスできています)
肩こりの原因3つの分類
肩こりは「肩・首回りの筋肉が緊張している」状態です。
(緊張=筋肉に力が入って抜けなくなっている状況)
肩こりを解決するには「そもそも何で肩の筋肉が緊張してしまうのか?」という原因を探ることから始めてみましょう。
私も全てを網羅できているわけではありませんが、ランニング中の肩の緊張の原因は次の3つのどれかに分類できるケースが多いように感じます。
- ランニングフォームの問題
腕ふりが強すぎる - 体の構造的な問題
筋肉にストレスがかかる姿勢になっている。 - 不安定性による代償動作
体幹の弱さやバランス感覚の悪化による代償動作(後述)によって肩こりが起きている
それぞれの詳細について解説していきます。
1.ランニングフォームに原因がある場合
腕ふりに関する認識に問題があるケースがあります。
特に走り始めたばかりの初心者の方に多いかもしれません。
実は昔の私がそうだったのですが「腕をしっかり強く振ることで推進力が生まれる」と考えていました。
学校の先生にそう教わりましたし、確か小学生の時に読んでいたドラえもんの体育の本にもそう書かれていた気がします笑
ただ、腕を強く振りすぎるとかえって動作の効率が落ちてしまいます。
そして腕を引く際に僧帽筋(肩コリのあたり)を使いやすい人は徐々に肩が緊張してきてしまいます。
私は「腕ふりはバランスをとるためのものなので、自然に振れるに任せるくらいで良い」と考えています。
これが原因かもと思われる方は腕を「意識的にしっかり振る」という考えを一旦やめて
「リラックスして自然に振れるのに任せる」という走り方を試してみてはいかがでしょうか。
以下の方法は参考までにの情報です。
私の指導経験上、下の絵のように意識を変えて上手くいくケースがあります。
腕を振る時は引くタイミングで力を入れます。
その力の大きさを今よりも小さくします。
(私はほどんど力を入れていないくらいです)
力を入れる時間の長さを短く。
瞬間的にパッと入れる感じにする。
腕を引く時に意識する箇所も変えて成功するケースがあります。
図のピンク色を力を入れる(意識する)場所とします。
図の左側のようにヒジ、肩まわりの方は右側のように肩甲骨の辺りから引くイメージを持ってみてはいかがでしょうか。
一般的に腕ふりは肩甲骨、脚運びは骨盤(股関節)というように体の中心の方に意識を持ってくることで動作にしなやかさが生じると言われています。
2.体の構造的に問題がある場合
体の構造的に筋肉にストレスがかかって緊張をさせてしまうケースがあります。
不良姿勢の典型である猫背などがそうです。
猫背になっていると頭の重さを肩・首の背面の筋肉が引っ張って支えることになるので、緊張してしまいます。
緊張することで血流が悪化して更にコリを促進する悪循環に陥ってしまいます。
この構造的な問題がある場合の解決方法は次の2つのアプローチがあります。
- 不良姿勢になりやすい環境を改善する
- ストレッチポールを使ったエクササイズ
不良姿勢になりやすい環境を改善する
不良姿勢は日常的に繰り返すことでクセになってしまいます。
身の回りに不良姿勢につながりやすい環境があればそれを改善しましょう。
特に不良姿勢の原因をつくりやすいのはデスクワークです。
デスクワークの多い方はデスクの環境(椅子・机の高さなど)が適切かをチェックしましょう。
PC作業の姿勢についてこちらの記事が参考になります(外部サイト)
その他座っている時に気を付けたいこと
- 脚を組むのは骨盤の歪みを起こします。避けましょう。
- お尻を前の方に出して後ろにもたれかかる姿勢もNGです。
(お腹が縮まってお尻と背もたれに隙間が大きくできる姿勢) - 机に付箋などで「姿勢を正す」とメモを貼ると、良い姿勢が習慣化しやすいでしょう
ストレッチポールを使ったエクササイズ
不良姿勢の改善に効果的とされているのがストレッチポールを使ったエクササイズです。
ストレッチポールには様々なエクササイズがあります。
その中でも「ベーシックセブン」というエクササイズが筋肉の緊張をほぐし、姿勢を改善するのに効果的です。
このストレッチポールですが価格帯が1000~9000円と幅広いです(ヨガポールという名前でも売っている)。
選び方のポイントは乗っかった時に「安定する感じがする」「リラックスできる」ということです。
あとは長さが十分にあること(長身の方は注意)
私の場合は安価なものは少し柔らかすぎて落ち着きませんでした。
なので、ちょっと値は張りますが高価なものを買いました。
毎日寝る前にベーシックセブンを取り入れると肩こりや不良姿勢の改善に良いと思います。
おすすめのエクササイズ
またこちらの動画のエクササイズは肩首が疲れやすいランナーの方におすすめです。
3.不安定性による代償動作
体幹の弱さやバランス感覚の悪化によって肩こりが起きると言われています。
(専門的には代償動作という)
著名な整形外科・理学療法士であるGray Cook氏は著書『MOVEMENT』の中で体幹の不安定性が肩まわりの緊張を引き起こすことを指摘しています。
なぜそのようなことが起きるのか。
ザックリいうとこんな感じです。
- 体幹(胴体部分)はインナーマッスルが機能することで姿勢を安定させている
- このインナーマッスルの機能が悪いと体幹がグラついてしまう
- もし体幹が安定しない状態で更に上部(頭や肩、腕など)が動くと更にバランスが悪くなってしまう。
よって、それを避けるために脳から「首や肩の動きを制限してバランスが崩れるのを防ごう」という信号が送られる。 - そして、この首や肩回りの動きの制限を「肩こり」として自覚する
これが体幹の不安定性が肩こりを引き起こすメカニズムではないかと考えられています。
*直感的にはバランスボールの上に座ったら、椅子で座るのと比べて上半身が緊張しやすいのと同じです
体幹が悪いのと同様に片足で立ったときのバランス感覚が悪い人も、グラグラする不安定性を軽減するために肩こりが起きやすくなります。
ポイント
片足立ちの安定性が悪くないかを判断する簡単なテスト方法があります。
目をつむって片足立ちをしてみましょう。
*途中でぐらつくのはOKですが、軸足が地面から浮いたり、ケンケンのようになってはいけません。
もし40秒キープできないという方は安定性に課題があるかもしれません。
下記で紹介するトレーニング、アイテムがおすすめです。
(年齢によってこの能力は低下しやすいので、40秒というのはあくまでもの参考です)
安定性の改善には体幹・バランストレーニングがおすすめ
安定性に課題がある方は体幹トレーニング、バランストレーニングを取り入れると良いと思います。
私は『長友佑都 体幹×チューブトレーニング』という本を読んでチューブを使ったエクササイズをしていた時期があります。
体幹トレーニング系の本はたくさんあって、すべてを比較できたわけではありませんが、本書はわかりやすくておすすめできる内容でした。
すぐに違いがわかるわけではないのでコツコツ続けて少しずつレベルアップしていく必要があります(2~3か月は続ける)。
トライする人は根気強く頑張ってください!
不安定がネックな人におすすめのアイテム
片足立ちのテストで不安定だった方におすすめのアイテムがあります。
スポーツネックレスのKernel(カーネル)です。
肩こりというと磁気ネックレスなど色々と種類がありますが、Kernelはバランス感覚の改善に働きかけるというのが特徴です。
Kernelは着用しただけでバランス感覚の違いを実感する人がいるように即効性が高いのが特徴です。
私も2016年頃からずっと愛用しています。
(即効性というのはバランス感覚への即効性であり、肩こりへの影響は徐々におきます)
Kernelと肩こりの事例に関してはこちらで紹介しています。
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Kernel
ウルトラやトレイルを走るランナーに人気のスポーツネックレス。動作の安定性を高めることで長い距離をダメージ少なく走れることを狙っています。フォーム改善や故障予防の目的でも使われています。体感に個人差がありますので返金保証やレンタルなど低リスクで試せる仕組みを用意しています。
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まとめ
ランニング中の肩こりは次の3つに分類できました。
それぞれの解決策と合わせて表にまとめます。
原因 | 提案 |
腕ふりに問題がある | 腕をしっかり振って推進力にするという意識をなくす。 腕を引くタイミングで小さく、短く筋力を発揮する。 体の中心部(肩甲骨)から引くイメージを持つ。 |
不良姿勢がある | 不良姿勢につながりやすい生活環境はないか見直す。 ストレッチポールを使ったエクササイズをする。 (ベーシックセブン) こちらの動画のエクササイズをする |
体幹やバランス感覚が弱い | 体幹・バランストレーニング(おすすめ本はこちら) スポーツネックレスKernel |