フルマラソン

フルマラソンの塩分補給で経口補水パウダーが「むせる」飲みにくいときの代替案

2023年11月1日

マラソンの塩分補給として経口補水パウダー(エブリサポートやダブルエイド)を利用される方が多くなってきました。

経口補水パウダーは私も良い商品だと思って使用しているのですが「ペースが速いレースでは飲みにくい」と感じる方もいらっしゃいます。

先日、フルマラソンの補給に関してまとめたこちらの記事を投稿しました。

フルマラソンのスタート前とレース中の補給|よくある失敗の予防と記録向上の方法

フルマラソンの大会で準備したいおすすめ補給食、サプリメントをまとめました。この記事を読むことで「練習で鍛え上げた実力を100%発揮する」ことに役立ちます。大会での快走を目指すランナーの方はぜひご覧ください。

続きを見る

そして、読者の方から次のような質問をいただきました。

ペースが速いと経口補水パウダーはむせたり、飲みにくい

フルマラソン3時間10分切を目指しております。
先日の記事は大変参考になりました。

次の大会では糖質は
前日夜と当日朝にモルテンMIX
レース中はモルテンジェル×4
を摂取する予定です。

塩分は今までダブルエイドを7㎞毎に取っておりました。

しかし、ペースが速くなると走りながら1包摂取すると、むせたり、封を切って口に入れる作業が難しく感じました。

他のタブレットでは塩分量が少なく、岩塩の使用も考えています。

「2~3本だけなら多少飲みにくくても我慢するか」とも悩んでいます。

他に何か良い商品はありますか?
あるいは経口補水パウダーの上手な飲み方ありますか?

これと同じような悩みを持っている方は少なくないと思います。

経口補水パウダーは落ち着いて飲める時間的な余裕があれば便利ですが、1秒も無駄にしたくないような場面で走りながらだと顆粒のため飲みにくさは出てくると思います。

経口補水パウダーを使わないでマラソンで十分な塩分補給をする2つの方法

この質問を受けて経口補水パウダーを使わないでフルマラソンで十分な塩分補給をできる代替案を調べたところ、2つの案が浮かびました。

  1. メダリストの『塩ジェル』(ジェル状の塩分補給サプリ)を使用する
  2. 塩分を多めに(0.5~0.6gくらい)含有したエネルギージェルを使用する

メダリスト(MEDALIST)の塩ジェル

メーカー公式ページの成分表示によると、メダリストの塩ジェルは1包あたり

  • 糖質8.2g
  • 塩分0.77g

を含んでいます。

経口補水パウダーの塩分量は約1gなので、少し塩分量は減りますが、ジェルなので走りながらでも飲みやすいでしょう。

また、糖質も8.2g入っているので、3本持っていけば、モルテンジェル1個を減らせます。

つまり、

モルテンジェル4+経口補水パウダー3

の代わりに

モルテンジェル3+塩ジェル3

にするという代替案が考えられます。

この代替案のデメリットとしては、塩ジェル(1包20g)は経口補水パウダー(1包6g)よりは重くなることです。

ちなみに価格としては塩ジェルは経口補水パウダーより高いですが、モルテンが1個減るのでトータルでは塩ジェルのパターンの方が安くなります。

塩分を多め(0.5~0.6g)に含有したエネルギージェルを使用する

この読者の方はエネルギージェルとしてモルテンをお気に入りのようですが、モルテンが必須でないとしたら塩分含有量の多いエネルギージェルを使用するという案も考えられます。

「エナジージェル 塩分含有」で検索したところ、マグオンやアミノサウルスの一部の商品は塩分を0.5~0.6g含有したエネルギージェルもあることがわかりました。

(他にも調べたら塩分を多めに含有した商品があるかもしれません)

モルテンの代替として塩分入りのエネルギージェルを使えば、塩分サプリの量を減らせます。

この代替案のデメリットはモルテンの吸収の早さというメリットが得られないことです。

これはどれくらい影響するのでしょうか?

仮にモルテンのような技術を使っていない一般的なジェル(及びスポーツドリンク)の1時間あたりに吸収できる糖質の量を60g/hrとすると

3時間10分が目標のこの方の場合、レース中の(スタート直後とゴール直前を除いた)正味2時間半くらいで吸収できる糖質の量は60×2.5=150g

となります。

先のブログで紹介した体重60kgの人がフルマラソンで摂取する糖質の目安は146~177gでした。

よって、(脂質代謝の能力やペース配分などで変わりますが)3時間10分くらいがゴールタイムなら、モルテンを使用しなくても必要な糖質を吸収できる可能性は十分にあります。

もちろん、味やブランドの好みなどでモルテンが良ければそれを重視して良いと思いますが他のジェルでも吸収速度的には何とかなりうると私は思います。

さて、モルテン4つの代わりに塩分0.5~0.6gを含有したジェルを4つ使うと、これは経口補水パウダーを2~2.4本使用したくらいの塩分補給になります。

これは「(発汗量によりますが)給水がスポーツドリンクならフルマラソンで必要な経口補水パウダーは2~3本が目安」という先のブログの条件をほぼ満たします。

モルテンの吸収速度が役立つとき

このように書くとモルテンが不要のように思われるかもしれませんが、吸収速度の速さが役立つ場面もあります。

例えば

  • ゴールまでの時間がもっと短いトップアスリート(2時間でゴールするなら、1時間30分とかで150gの糖質を吸収しないといけない。
    これは100g/hrなので、普通の糖質では不可能。マルチトランスポーター法のようにブドウ糖と果糖の比率を調整しなくてはいけない)
  • 脂質代謝の能力の低い人(より多くの糖質が必要になる)
  • より高い運動強度でフルを走り切りたい(強度が高いならより多くの糖質が必要になる)

というケースです。

まとめ

経口補水パウダーを使用しないフルマラソンの塩分補給の代替案をまとめると

  1. メダリストの『塩ジェル』(ジェル状の塩分補給サプリ)を使用する
  2. 塩分を多めに(0.5~0.6gくらい)含有したエネルギージェルを使用する

でした。

具体的には

モルテンジェル4+経口補水パウダー3(今回の質問者さんの場合)

の代わりに

  • モルテンジェル3+塩ジェル3
  • 塩分多めのジェル4+(塩ジェル1個)

などが考えられます。

商品はメダリスト、マグオン、アミノサウルス以外にも調べたら条件を満たすものは他にもあると思います。

経口補水パウダーの飲みにくさに悩んでいた方はぜひこの方法も試してみてください。

-フルマラソン

© 2024 小谷修平のランニング講座 Powered by AFFINGER5