弘前24時間走への挑戦

「塩分2.0g/Lでは薄い」弘前24時間走の水分補給でわかったこと

今日からは弘前24時間走のためにしてきた準備や当日の補給などで得た気づき(良かったことや失敗の発見)について整理しておこうと思います。

ちなみに、このブログでの弘前の記事(今回は文章というより主にライブ配信のシェアでしたが)は『弘前24時間走への挑戦』というカテゴリに分類しました。
プロセスの途中でリアルタイムで考えていたことが残っています。


私はレース中の補給で最重要な要素は

  • 糖質
  • 水分
  • 電解質(特に塩分(ナトリウム)。次いでカリウム。その他マグネシウム、カルシウム、リンなども喪失するがこれらはおそらく普通に補給していけば不足しない)

の3つだと考えています。

この3つが過不足なくきちんとできることが最優先で、そのうえでカフェイン、ビタミン、水素などをサプリで摂取しています。

水分と電解質はセットで考えていて「水1Lに対して食塩相当量で何グラムの濃度で塩分を摂取するか」に注意しています。
(干し梅など、食品での塩分補給も加算して計算します)

全く知識がないときはスポーツドリンクと塩分のタブレット(実は塩分が少ない商品だった)を摂取すれば足りると勘違いしていて、塩分不足=低ナトリウム血症となり、苦しい走りになっていました。
(このときは0.7~1.0g/Lくらいの濃度で塩分補給をしていたと思います)

知識を得て、経口補水パウダーを使うようになってからは低ナトリウム血症になることはなくなり、意識の明瞭さが持続するようになって、低ナトリウム血症に由来する吐き気も軽減しました。

ただ、経口補水パウダーがメインのドリンクでは徐々に塩分過多な状態に体がシフトしていってしまい、24時間走では8~10時間経過くらいで「口の中が苦辛い(にがからい)ようなのどの渇き」を感じるようになりました。

この状態では塩分のある飲み物が不味くて、真水が飲みたくなります。
しかし、経口補水パウダーでの成功体験から塩分の摂取を止める勇気が持てず、塩分過多な状態を持続するような補給をしてしまっていました。

この塩分過多になりやすいときは2.7~2.9g/Lくらいの濃度で塩分補給をしていました。

そこで、ドリンクの飲み方を経口補水メインから「スポーツドリンクと経口補水パウダーを交互」くらいのバランスにしたところ、70kmくらいまでは塩分不足にも塩分過多にもならないことがわかりました。
(暑さなどの条件で多少変わると思いますが、戸田彩湖ウルトラでは成功)

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そこで今回はスポーツドリンク(1.0g/L)と経口補水パウダーを溶かしたドリンク(3.0g/L)を交互に飲むようにして平均2.0g/Lの塩分補給をベースに走ることにしてみました。

すると、結果としては6時間半経過くらいで低ナトリウム血症の症状が出始めました。

発汗による塩分の喪失量は個人差があると言いますが、今の私の場合では2.0g/Lではまだ薄すぎるということですね。
(次回の挑戦では2.3~2.5g/Lくらいになるよう調整しようと思います)

ただ、原因がわかっていれば、ウルトラは走りながら体の状態を戻すことで復活することができます。

低ナトリウム血症だと思ってからは、経口補水パウダーのドリンクをメインに飲んで体の塩分を濃くするように給水しました。

(このとき、体は塩分不足でも低ナトリウム血症の吐き気から「経口補水液が美味しそう、飲みたい」という気持ちは湧いてきませんでした。でも、口に入れたら嫌な気分がしないで飲めるという感覚。体が塩分不足のときは塩気のあるものが美味しそうに感じることが多いですが、低ナトリウム血症の吐き気が強くでているとそう感じないこともあるということが経験できました。よって、感じ方だけに任せて補給していては失敗することもあるので知識によって強制的に補給をするときも必要と考えることができます。)

経口補水液を飲むと、意識が明瞭になり、吐き気もひいていくことが実感できました。
1時間半ほどで塩分の濃度が戻り、ペースが5:45→5:15/kmくらいに一気に戻りました。

思ったより復活に時間がかかりましたが、知識と冷静さを持って臨めば、ウルトラのキツい時間帯も精神的にはゆとりを持って対応することができると実感しました。

体に対する知識と理解を深めること。
そして、実践して復活や快走を経験することがウルトラマラソンで不安に押しつぶされないポイントなのだと思いました。

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