ブレイク42.195kmの第2回セミナー後のアンケートでいただいた質問への回答をこちらにまとめていきます。

 

トレーニング系の質問

フルサブ40,100kmサブ7.5を目指してます。おすすめメニューはありますか?

フルマラソンでサブ40,ウルトラマラソンでサブ7.5を目指しております.
(現状:ハーフマラソン:1時間17分(21/1),フルマラソン:2時間58分(20/2),60km: 4時間23分(21/1))

平日は基本的に水曜日がインターバル系の練習,他は12~20kmのジョグがメインです.
(ペースは4:20~4:40)

土日も上に書いたメニューに近いです.

練習にもっとバリエーションを持たせたいのですが,どのようなメニューがよろしいでしょうか?

かなりの実力者ですね!
記録を見たところ、ハーフに対してフルやウルトラにまだ伸びしろがありそうな気がします。

将来的にフルのサブ40のためにはもっとスピードも欲しいと思いますが、現状のバランスでみると持久力の方が課題のようです。

直感的にはジョグペースを落としても良いので、今までより走行距離(運動継続時間)を重視した練習を1.5~2か月継続すると良いかと思いました。
持久力もつきますし、更に高いスピードをつけるための伸びしろもでてくると思います。

一番のおすすめは愚直に空腹ランニングの距離を伸ばしていくのが良いかなと。
あとは40~60分のスピード持続走ですかね(「キツイが頑張ればあと5分くらいは継続できる」という強度)


筋トレとランニングを続けて実施しても問題ないでしょうか?(組み合わせない方が良いメニューは?)

例えば「空腹イ+スロトレ」や「空腹イ+高強間欠」という組み合わせを、続けて実施しても問題ないでしょうか。

第3回の内容と重なりますね(トレーニングの干渉作用)。
本プログラムにおいては特に「スロトレ」を時間を分離して(半日は空ける)行うと効率が良いでしょう。

限界ロングの「限界」とはどれくらいの状態?

限界ロングの「限界」とはどういった状態になることをイメージしているのでしょうか。

人によって幅はあると思いますが、おおよそ下記のいずれかを満たしたら十分に追い込んだ、私の意図するものに近いでしょう。

「これまでに自分が走ったことのある最長距離を超える」
「大会と同じくらいの追い込み感(スピード的なキツさではなく距離に対するキツさ)」
「疲労からの回復に3~4日を要する」

おしゃべりペースが曖昧に感じる、心拍数は気にしなくても良い?

質問にあった「おしゃべり出来るペース」
何を基準にしたらいいのか…曖昧で、感覚的なことでいいのかなと考えてました。

心拍数が水分で変わるというのは発汗量などで体内の水分量が影響するということでしょうか?
あんまり心拍計の数値は気にしなくていいと言われたことがあるのですが…

どう捉えたらいいのかわかりません。
小谷さんの考え聞かせて頂きたいです。

第3回セミナーの『主観のあいまいさvs心拍数のわかりやすさ』のスライド(p8)あたりが参考になると思います。
私は心拍数も参考になるとは思いますが、それ以上に自分の主観的なキツさを大事にして走っています。

心拍数と水分の関係
→発汗で体内の水分が減ると、血液の粘性が増して、より心臓をハードに動かさないと筋肉に酸素を届けることができなくなってしまいます。
なので暑くて汗の量が多いときなんかは心拍数が上がりやすくなります。


インターバル走や閾値走などのスピード練習もした方が良い?

世間一般で言われている練習方法、インターバル走(心肺機能強化)、閾値走(持久力の強化)などの練習は併用したほうがいいのでしょうか?
それとも違うアプローチでスピードをつける練習もしたほうがいいのでしょうか?

こちらは第3回セミナーのスライドp3あたりでお話しています。
スピードが求められるレベルの人(目標レースの距離に対して持久力が十分にある人)であったら併用した方が良いでしょう。


ペースは遅い順に「空腹走>ロング≧起伏走」?

ペースは遅い順に空腹走>ロング≧起伏走と理解しました。
ロング走は空腹走ほどペースは押さえる必要がないとの理解で良いでしょうか。

当方、空腹走は6-7分、ロング走は5-6分で始めてみようと思っています。
ペースは人それぞれですが参考となるペースがあれば教えて頂ければ幸いです。
当方のフルマラソンのペースは4分10~15秒位です。

ペースの順番、それで良いと思います。
遅い順に空腹>ロング≧起伏走
*起伏走は上り下りありますので、若干ロングより主観的なキツさは高くなると思います(上りで)

フルマラソンがだいたいサブ3ということですね。
すると栄養をきちんと摂った状態でのジョグはキロ5分台くらいが心地よいということでしょう。

空腹時のペースですが「キロ〇分で走る」と設定するより、栄養を摂った通常時のジョグと同じ主観的な筋力発揮で走れば良いでしょう。
すると自然とエネルギーが少ないのでペースが遅くなるはずです。

ペースを決めるよりもまずは主観で「いつまでも走れそうな楽ちんペース」で走ってみましょう。
それを続けているうちに感覚がわかってくると思います。

*直感的には通常ジョグより1kmあたり15~30秒遅くなる程度かと思います


高強度間欠はインターバルとかで代替できる?

練習会でのインターバル走(1K×6~10、800×8、400×12)やサーキットトレーニングで代替できるかと考えていますが、小谷さんの見解を教えて頂ければ幸いです。

似ているけど完璧な代替にはなりえないというのが私の考えです。
第3回セミナーのスライドp3で解説しています。


比較的なクロカンでも起伏走の効果はある?

近くに手頃なコースがないので比較的平坦のクロカン(砧公園)で実施することを考えています。
単調な登り下りのロードと同レベルの負荷はあると考えます、小谷さんの見解を教えて頂ければ幸いです。

砧公園のクロカン、良いと思います。
気軽に通える範囲で工夫して脚に刺激を与えていきましょう。

ちなみに生田緑地は砧公園からわりと近いですがかなり効く起伏があります。
(最寄りの向ケ丘遊園は新宿から20分とアクセスが良く、私も以前よく走っていました)


栄養系の質問

運動直後に栄養を摂ったとして、その後の食事ではいつも通りの食事で良いの?

運動後の栄養は直後にとることが大切なのはわかりましたが、その後の食事は直後にとった糖質とタンパク質にプラスしてとることになるとおもいますが、普通のご飯で良いのでしょうか?

普通のごはんで大丈夫です。
ただ、体重変化を見て少し量を減らした方が良さそうなら減らしましょう(実際には運動後に食べているので自然に量が減ると思いますが)。


空腹ランニングだけで脂肪燃焼できるようになるの?(糖質制限とかしなくても大丈夫か?)

空腹を冠したトレーニング→脂質代謝を促す事だと理解していますが空腹ロング.空腹イージーの時だけで身体は脂質を使える体質になるのか?
もっとストイックに糖質制限をしなくても大丈夫なのかがよく分からなかった。

現在もランニングは朝食前に行っていますが脂質代謝と言う点で実感はありません。

空腹状態でのランニングを継続することで脂肪をエネルギーとして利用しやすい体質になることはわかっています。
なので、ストイックな糖質制限は無理にしなくても大丈夫です。

ただし、糖質制限(あるいはスリープローなど他の食事法もあります)も組み合わせた方がより効果は大きくなります。
あと、本プログラムに付属のCatalyst Cardio Performanceの摂取も効果的です(第1回セミナー)。

脂肪が使えるようになってきているかの判断としては空腹ランニングの距離が伸びているかが1つの指標になります(第3回セミナー スライドp7)。


MCTオイルを使ったらグリコーゲンや脂肪の消費が減る?

MTCオイルをなぜ摂取しても良いのか。
MTCオイルを摂取した分だけ、グリコーゲンや、脂肪の消費が減るのではないのですか?

質問の意図をくみ取れていないかもしれませんが、

運動中(あるいは運動直前)にMCTオイルを摂取すると

グリコーゲン消費→減ります
自分の体脂肪の消費→減ります

これは摂取したMCTを運動中にエネルギーとして利用するためです。
(つまり、本来使うはずだったグリコーゲンや体脂肪が使われなくなるということ)

例えばレースにおいてはMCTを摂取することでグリコーゲンの消費を低下させることができると考えられます。


空腹だと5kmでもキツい! 夕食も少なめなのですが、どう調整したら良いでしょう?

朝食までとは言いませんが、ランニング前にバナナ一本食して走ってました。
何もお腹に入れないときつくて5キロでもきつかったのですが…

今は体重調整中で夕飯をほとんど食べないのですが(夕飯は7:30〜8:30)
どう調整したらいいでしょうか。

空腹状態だとキツいのは最初は誰もが同じです。
なのでいつも通りに走れなくても焦らずに少しずつ距離(運動継続時間)を伸ばしていきましょう。

ペースはいつもよりゆっくりでも大丈夫ですよ。
時間を伸ばしていくことに集中してください。

5kmがきつくて継続できないなら、4km走ってから1kmウォーキングにするなどでもOKです(場合によっては最初の1か月くらいは全て歩きでも良いくらいかもしれません)。
自分にあった強度で少しずつ刺激を強くしていくことが大切です。

体重コントロールのために夕食を少なくするのも問題ないでしょう。
すると朝はエネルギーがかなり枯渇していますので、きつく感じられるはずです。
ただし、だからといってランニング前にバナナを食べては空腹ランの目的からそれてしまいますので控えましょう。


空腹ランの食後8時間はどこまで厳密?

空腹イージーは夕方実施を考えています、食後8時間はどこまで厳密に考えるのか、食後7時間で開始出来る場合は1時間待った方が良いのでしょうか。

8時間は1つの目安であり、7時間でも問題ないと思います。
生活リズムにあうように取り入れてください。


練習会の30~60分前に食事をしていました。時間をもっと空けた方が良いでしょうか?

ロング走は開始3時間前目安に食事とあります。
消化時に胃腸に負担がかかるのでパフォーマンス低下を防止するためと認識しています。
当方練習会前30分~1時間に食事することが多く練習時あまり気になったことはありませんが、時間を空けた方が良いでしょうか。

3時間というのは「大会当日はスタートの3時間前までに朝食を済ませましょう」と言われるような目安です。
食べ物を消化して胃がある程度軽くなった状態で走りましょうということですね。

また、おっしゃる通り消化吸収のためにパフォーマンスが低下するのを防ぐという意味合いもあります(認識良いと思います)。

実際にはどれだけ食べるかという量によっても胃の負担感が変わってきますよね。
少量であれば60分前に食べても大きなマイナスにはならないかもしれません。

もしあなたが「食べないと逆に空腹で力がでない」なら今のように食べても良いと思います。
ただ、そうでなければやはり直前の食事はできるだけ避けた方が良いのかなと個人的には考えています。

その直前の食事の時に本プログラムに付属のCatalyst Athlete Enzymeを摂取しても消化がサポートされてより練習に集中できると思います。
「食べる」を選択された場合はサプリも試して違いを観察してみてはいかがでしょうか。


練習後にタンパク質だけでなく糖質も摂取する理由は?

練習後のタンパク質摂取は良く耳にしますが糖質摂取は初耳でした。
これは糖質が身体のダメージ回復に必要との理解で良いですか。

糖質とタンパク質を一緒に摂取することで筋肉への栄養の取り込みがより活性化するからです。
これはインスリンの分泌が増えるからと考えられています。

トレーニングで消費したエネルギーを速やかに回復させるという意味合いもあります。


その他の質問

空腹状態が長く、急に食事をすると太りやすいと聞いたことがあります。体重増が心配です。

質問なのですが、ダイエットをしてると、血糖値の情報を耳にしたりします。
空腹状態が長く急に食事をすることで、血糖値が上がりやすく、太りやすいと聞いたことがあります。

食事回数を減らすより、こまめに少量を増やした方がいいとも聞いたことあるのですが、空腹ラン後の食事は大丈夫なのでしょうか?
体重が増えてしまうのが心配です。

同じエネルギーを摂取したとして、食事回数が多いほど太りにくいというデータは確かにあります。
一方で間欠的ファスティングのように食事回数を減らすことで腸内環境が整い、食欲も適正化されてやせるという理論もあります。

そういう矛盾するようなエビデンスがあるという前提で、私個人としての意見は
「体重増のリスクはそれほど高くないと思うので、まずは試してみてほしい」
です。

実際に私のお客様の声でいうと、空腹ランを継続して痩せたという声の方が多くよせられています。

体重への影響は空腹ランニングをするかよりも生活全体(食事や睡眠リズム)に影響するところが大きいので、そちらを改善していくよう心掛けた方が良いのかと思います。


ポジティブスプリットとネガティブスプリットのどちらが記録がでやすい? 前半突っ込み時に失速を予防するには?

①ポジティブスプリットとネガティブスプリットはどちらが記録が出やすいのか?
②ポジティブスプリットで挑んだ場合、後半落ちてくるのを最小限にとどめる練習方法は?

自己ベスト(最高の記録)を出すという意味ならポジティブスプリットの方が良いと思います。
安定性や期待値を考えるとどちらかはわからないです。

前半からつっこんだときは糖質由来のエネルギーに頼っているケースが多いでしょう。
ということは後半もなんとか脂肪で走れるような体質にする=脂肪燃焼系の練習が良いかと。
本プログラムでいう空腹イージー、空腹ロングですね。

あと、「キツイ状態に何とか耐える」という意味では高強度間欠も相性が良いと思います。


おすすめのスピンバイクは?

ハイガーのスピンバイクを購入しようと思うが、小谷さんのはどれですか?
おすすめを教えてください。

私が使っているのは『HG-YX-5006S』です。

「いくつものスピンバイクを試してこれがベストだった」というわけではないのですが、個人的には満足な買い物でした。

高強度間欠や40分くらいのスピード練習。
120分くらいのロングジョグ代替。
などとして活躍しています。

思ったより音は静かでした。
耐久性も悪くないかと。
(1年経過中 1度だけ誤ってペダルのネジが緩い状態で使って壊してしまったことがありますが、メーカーの対応はきちんとしていて、すぐに返事と修理品を送ってくれました)

付属の心拍計測はあまりあてになりませんが、主観的強度を大事にトレーニングすれば良いので実際上は問題なく使えています。


シューズが合わずに爪に痛みが。細かい故障との折り合いは?(シューズ選びのヒント)

先週新しいシューズで走った後、親指の爪に負荷がかかってしまいはがれるまではいきませんが、痛みがあります。
体のパーツの故障がメニューを予定通りに行わせてくれないことが多く、現在の悩みの種です。
細かい故障とトレーニングプランの折り合いのつけかたで、良い方法はありますか?

爪に関してはシューズとの相性次第ですね。
新しいものにチャレンジするとどうしてもリスクはついてまわりますので、それは仕方がないことでしょう。
(私もショップで履いたときは良かったのに、ロング走をしたら合わなかったという経験あります)

人それぞれ足の形も走り方も違いますので、シューズに関しては他の人の意見より「自分第一」で決めた方が良いと思います。

同じ傾向のシューズが好きな人がいたら、その人が好きな他のシューズも自分にあっている可能性があるので参考にしやすいかもしれません。

基本的に痛みは体が何かしらの不具合を知らせてくれる合図なので、原因を考えて解消するように心がけています。

私の過去の傾向でいうと、「昨日までは痛くなかったのに、今朝起きたら痛くなった」というような急性の痛みはあまり怖くなく、安静にしていたら2日くらいで治っているケースが多いです。
怖いのは「ちょっと違和感がある。少し痛むときがある。」というのが長く続いていき、気づいたら慢性炎症で痛みが大きくなっているときです。

原因のわからない違和感が1週間以上継続したら慎重になって、故障関係に強いトレーナーさんや鍼灸の先生などに相談してみると良いかもしれません。

2021年2月16日

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