フルマラソン

フルマラソンの終盤で違いを生むカーボローディングのコツ

先日『フルマラソン直前の過ごし方セミナー』というオンラインセミナーを開催しました。

このセミナーでカーボローディングの話がありました。

カーボローディングは大会前に体内のグリコーゲン(糖質由来のエネルギー源)の貯蔵量を高めることで、ガス欠による後半失速を防ぐ(あるいは、より速いペースでゴールまでもたせる)という目的で行います。

こちらのスライドで引用したデータはカーボローディングによって最大心拍数の80~85%(少しキツイ、快適ではない、というくらいのペース)の運動を継続できる時間が

普通の食事:110分
高糖質食:160分

と1.5倍近く伸びたという実験のデータです。

この実験はカーボローディングと普通食の違いが出やすい前提条件だったと私は考えているので、実際に1.5倍ものパフォーマンスの違いが出るとは私は思っていません。

ただ、カーボローディングに成功したら筋グリコーゲンの濃度を高めることができ、その結果フルマラソンのような長時間の競技では記録に差が出ることは確かなのではないかと思っています。

カーボローディングのコツは

  • 大会の約7日前に筋グリコーゲンをしっかりめに減少させるような練習をすること(マラソンペースでの15~18km走など。ただし、走力に応じて疲労を溜めすぎない程度に)
  • 大会の3日前から高糖質食(PFCバランスのCが70%超のような食事)をすること

です。

前者の理由は運動で筋グリコーゲンが減少することで筋肉がその後の食事で糖質を取り込み、グリコーゲンに変換して貯蔵する化学反応が活性化することがわかっているからです。

興味深い実験で、片足だけ自転車をこいでからカーボローディングをした場合、左右の脚でグリコーゲン濃度に差が出るかを調べたものがあります。
結果は運動をした方の脚だけがグリコーゲン濃度が初期値より高くなり、運動をしていない方の脚は初期値のままでした。

このことからも、ただ糖質を増やすのではなく、運動とセットにする必要があることが分かります。

また、カーボローディングでは食べ過ぎてお腹の調子を悪くしてしまう人がいます。

カーボローディング中の食事は『量』ではなく『比率』に注目すると良いでしょう。

平均的な日本人の食事をしている人なら、お肉や魚といったメインのおかずを30%減にして、足りない分を主食にするとPFCバランスのCが70%くらいに高まって良いと思います。

また、HCA(ヒドロキシクエン酸)という成分は糖質を脂肪に変換する化学反応を抑制することで、筋グリコーゲンの貯蔵量を高める働きがあることが知られています。

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カーボローディングに成功すれば、スタート時点でより多くの筋グリコーゲンを貯蔵することができます。

結果としてガス欠で脚が重くなってくる終盤の走りの粘り強さに違いが出てくるでしょう。

これまでカーボローディングを試したことがない(あるいは上記のコツを取り入れていなかった)という方はぜひお試しください。

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