ケア・故障予防

睡眠改善|ベッドは「寝るだけの場所に」

2020年11月5日

今日は睡眠に関する興味深い実験を1つご紹介します。

その実験では不眠症患者の人たちを被験者にして次のような指示を与えました。

  • 疲れたときだけベッドに入るようにすること
  • もし眠れなかったら眠くなるまでベッドを出て別の部屋で過ごすこと

すると、なんとこの簡単なルール1つで不眠症に悩まされていた患者たちはベッドに入るとすぐに眠れるようになったそうです。

これは書籍『複利で伸びる1つの習慣(ジェームズ・クリアー 著)』で紹介されていた研究です。
著者いわく、この被験者に起きた変化は「ベッドと睡眠という行動を無意識レベルで結びつけるようになったからではないか」とのこと。

人は「この場所は○○をするところだ」と無意識レベルで考えていて、その結果として無意識のうちにある行動をしやすくなると考えられています。
例えば、

  • 在宅ワークなどで仕事とプライベート(リラックス)を同じ場所にしてしまうと仕事に集中しにくくなってしまう
    (同様にリラックスも不十分に)
  • 陸上競技場やある練習コースにいくと、キツい練習もやる気がわいてやり遂げることができる(「ここは頑張る場所だ」と無意識で考えてそのようにふるまえる)
  • 新しい場所にいくと新しい習慣をつくりやすい
    (新しい場所には「○○をするところ」というルールがないので、過去の自分に縛られにくいため)

というのも環境が行動を促す例です。

同様に「ベッドはグッスリ眠れる場所」というルールを自分の中に焼き付けることで、入眠を早めて睡眠の質も高めることに役立つと考えられます。

ではそのルールをどのように作っていくのか?
例えば以下のようなアイデアが考えられます。

  • (上記実験と同様に)疲れて眠れそうなタイミングでのみベッドに入る。寝つきが悪いときはいったん離れる。
  • 朝目が覚めたらサッとベッドから出る(不要にゴロゴロと滞在しない)
  • ベッドの中でスマホをいじったり、TVを寝そべりながら見るなどの「寝る以外の行動」をしない

私が特に効果を感じているのは「スマホを近くに置かないこと」でした
以前は目覚ましのためにスマホを枕元に置いていたのですが、スマホが手に届く範囲にあると通知をチェックしてしまいやすくなったり、覚醒の刺激が入ってしまったりと入眠を妨げる傾向があるからです。
(ある実験によるとスマホが視界に入るだけで作業の集中度が大幅に下がったのだとか。
枕元はもちろん、集中した作業中もしまっておくように私はしています。)

スマホは早めに机にしまって目覚まし時計のアラームをセットすると良いと思います。

また、寝る前に本読むのはあまり問題ないようです。
これは「ベッドに入って本を読んでウトウトしたら寝る」というのがルーティンになったら睡眠のスイッチになるからだそうです。

「睡眠が大事」ということは誰もが知っていますが、普段の生活でそれを改善しようという機会はあまりないと思います。
これをきっかけに人生の約30%を占める睡眠について考えてみるのも良いかもしれませんね。

▼関連情報

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