今日は脂質の種類とどのように食品を選んだら良いのかについて紹介します。
脂質は「肥満」のイメージが強くどちらかというと避けてしまう方もいらっしゃると思います。
ただ、脂質には
- エネルギー源
- 脂溶性ビタミンの運搬
- 細胞膜やホルモンなどの構成成分
などの大切な役割があります。
なので、適切な量・質の脂質を摂取することが望ましいと考えられます。
また、糖質制限ランナーの場合は食事から摂取する糖質・タンパク質(*)の量はあまり変化させられません。
よってコントロールできるのは脂質だけとなります。
活動量、体重コントロールに応じて脂質の量を調整します。
*「タンパク質を大量に摂取しても機能する量には上限がある」などの理由からJeff Volek氏(糖質制限とスポーツの研究の権威)はタンパク質量も過剰にならないようにと提案しています。
石川選手のように大量に摂取して結果を残している選手もいますのでわかりませんが、今のところは私もVolek氏の意見に賛成しています
脂質は質が大事ということでしたが、下記のように分類することができます。
分類 | 特徴 | ||
飽和脂肪酸 | 短鎖脂肪酸 | 腸内細菌が作る。大腸の粘膜細胞のエネルギーとなる。免疫で重要。食物繊維の摂取などで腸内環境を良くしましょう。 | |
中鎖脂肪酸 (MCTオイル) |
ココナッツオイルに多く含まれる。早く吸収され、エネルギーになりやすい。 | ||
長鎖脂肪酸 | 牛・豚の脂身、バター、チーズなどに多い。 | ||
不飽和脂肪酸 | 一価不飽和脂肪酸 | オリーブオイル、アーモンド油、アボカドなどに多い。運動量が増えたときのエネルギー源として重要。 | |
多価不飽和脂肪酸 | オメガ3 | 亜麻仁油、荏胡麻油、魚などに多く含まれる。積極的にとる。 | |
オメガ6 | 多くのサラダ油に含まれている(コーン油、サフラワー油、大豆油など)。摂りすぎないように。 | ||
トランス脂肪酸 | マーガリン、ショートニングなどに含まれる。摂りすぎないように。 |
多くて覚えるようとすると大変だと思いますが、ポイントは1つです。
それはオメガ3,オメガ6のバランスを考慮して脂質を摂取することです。
オメガ3とオメガ6系の脂肪酸は血液の凝固、炎症などのシグナルを伝えるエイコサノイドというメッセンジャーの原料となります。
この2つの脂肪の摂取バランスによって炎症の発現が異なってきます。
オメガ6/3の比率が8を超えると炎症を引き起こしやすくなるとされています。
よってオメガ6/3の比率を1~4にするのが推奨されています。
具体的な行動の提案としてはオメガ3系の脂質を積極的に摂取することです。
αリノレン酸、EPA、DHAがオメガ3です。
例えば食品としては亜麻仁油、荏胡麻(えごま)油は使いやすくておすすめです。
味がほとんどないので私はサラダにかけて食べています(熱に弱いので加熱調理は避ける)。
トロ、ハマチ、ブリ、サンマ、イワシ、サケ、サバなどの魚にも豊富に含まれています。
また、これは糖質制限で脂肪をガンガン使っているランナー向けの提案ですが、練習量が増えるなどしてエネルギー需要が高まったときは、エネルギーとして使いやすい脂質を摂取することです。
エネルギーで使いやすい脂質とは何か?
Volek氏は「体脂肪がどのような脂質で構成されているかにヒントがある」と言います。
この円グラフは人の皮下脂肪組織の脂肪がどのような構成になっているかを示したものです。
「私たちの体は脂肪をいざというときにエネルギーにするためにこのような脂質構成で選択的に蓄えている。
アスリートが日々の膨大な活動エネルギーを脂質から得ようとした時はこの円グラフを意識すると良い。
(一価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸をしっかりとる)」
とVolek氏は語ります。
ちなみにオリーブオイルとバターを1:1で混ぜるとちょうど人の脂肪細胞と似たような比率になるとか。
以前私も練習量が増えたときに肉の摂取量が増えて胃腸がきつくなったり、脂質を増やすにしてもどう増やすか迷ったりしたのでこれは参考になります。
話をまとめると
- 脂質はいくつか種類があるので選択することが大切
- 積極的に摂りたいのはαリノレン酸、EPA、DHAなどのオメガ3系と言われる脂質
- オメガ3系は亜麻仁油、荏胡麻油、脂質の多い魚に豊富に含まれている
- (主に糖質制限ランナーの)活動量が増えた時のエネルギー補給としての脂質は皮下脂肪の構成と近くなるようにすると良い。
オリーブオイルとバターを1:1で混ぜるとちょうど人の脂肪細胞と似たような比率になる。
私も脂質の質についてはややいい加減だったので、これからはもっと上手に付き合おうと思います。