トレーニング・練習

ランナーの筋トレは低負荷高回数が良いのか?

今日は筋トレに関する話題です。

最近開設した『Holos目安箱』に次のような質問がありました。

ウエイトトレーニングと走力の関係を教えてください。
走ってなくてもベンチプレスやスクワットをしていれば走力が落ちないです。

ということで、今回は筋トレがランニングのパフォーマンスにどのように影響するのかを考えたいと思います。

「走らなくても筋トレで維持できる」で起きていること

まず、質問者の方の「走っていなくても筋トレで走力が維持できる」では次の図のようなことが起きているのだと思います。

横軸を時間、縦軸を走力とします。
ランニングの練習で得られている能力を青色。
筋トレから得られている能力を緑色。
両者を合計したトータルの能力を赤色とします。

走らなくなるとランニング練習の由来の能力が低下しますので、青の線は右下がりになります。

一方、筋トレを開始したら筋トレ由来の能力がつくので、緑の線は右上がりになります。

青・緑が定量的に実際にどの程度変化するかはその人の走力、メニューの内容によると思います。

質問者の方の場合は、しばらくの間は赤の線が右下がりにならないような状況なのかと思いました。
(とはいえ、長期的にみたらほとんどの方は筋トレだけでランニングの能力は維持できないでしょう)

筋トレはどのようにパフォーマンスへ寄与するのか

筋トレのランニングへのプラス効果としては

  • 故障リスクが減り、よりハードなランニングの練習ができるようになる
  • 筋トレ自体により直接的なランニングのパフォーマンスアップ効果がある

の2つがあります。

後者の「筋トレのより直接的なRUNへの効果」には

  • 最大筋力の向上
  • 爆発的パワーの発揮力アップ
  • 多くの筋繊維を動員できるように
  • 動作コーディネーションの向上(適切な筋肉をより適切なタイミングで動かせるように)
  • 無酸素性エネルギー代謝の向上
  • 筋肉、腱の剛性が高まる(バネが強くなるイメージ)
  • (上記要素が重なって)ランニングエコノミーの向上

などがあります。

(より詳細にメカニズムを学びたい方は、私が参考にしている書籍『STRENGTH AND CONDITIONING FOR ENDURANCE RUNNING』は英語ですがおすすめです)

書籍より、筋トレのパフォーマンスへの影響メカニズム

筋トレは故障に悩んでいる方はもちろん、そうでない方にとっても直接的にプラスの効果があるので理論的には超おすすめです。

ただ、筋トレをする環境、お金、時間などの制限もありますから、それを考慮した総合的な判断が必要になりますね。

ランナーの筋トレは高負荷・低回数が良さそう

筋トレとパフォーマンスの関係を調査した比較的信頼度の高いエビデンス(メタアナリシス)には
『Strength Training for Middle- and Long-Distance Performance』(Berryman N, 2018)
があります。

こちらのエビデンスによると、筋トレは主に

  • ランニングエコノミーの向上
  • 最大パワーの向上
  • 最大筋力の向上

を通じて直接的にパフォーマンスアップに役立っていたと結論付けています。

また、筋トレの内容としては30回を3セットのような低負荷・高回数の筋トレよりも高負荷・低回数(例えば5回を3セットとか)のメニューの方がパフォーマンスに大きな成果があったそうです。

以前、学校の体育の授業では「マラソンは長時間の競技だから、筋トレも回数を増やすと筋持久力が高まって良い」と習いましたが、今のスポーツ科学の主流は「持久系競技の筋トレは高負荷・低回数が良い」に変わってきています。

私も高負荷・低回数が良いと考えていますが、筋トレに慣れていない人がいきなりやると怪我のリスクがありますので、まずは10回×3セットくらいの内容で体を慣らし、正しい動作も覚えてから高負荷へ移行していくと良いと思います。

まとめ

  • 筋トレは故障予防だけでなく、より直接的にパフォーマンスへ影響しうる
  • ランナーにおすすめなのは5回で精いっぱいのような高負荷の筋トレ(ただし、安全のため最初は軽いウェイトで慣らす)
  • 筋トレは役立つが、ランニングが練習のメインであることはお忘れなく
  • 筋トレは「故障が多い」「ランニングの練習が十分できていて、それだけでは伸び悩んでいる」という人は導入メリットが大きそう

ps

「筋トレといえばプロテイン」ではありませんが、お客様がインスタでHolosのプロテインを紹介してくださいました。許可をいただけましたので、こちらに転載しています。

フル2時間30分目標のランナーも愛用のプロテイン。ハードな練習後に飲んで月間300kmも突破。

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