一般的には痩せていると思われるランナーでも体重のことを気にしている方は意外と多くて
「糖質制限を試してみたけど続かなかった」
という声を結構耳にします。
私は2017年10月から糖質制限を継続できています。
そのため「何でそんなに続けられるの?」と質問されたり、「意志が強いんだね」と言われたりします。
私の場合は
- グルメが趣味ではなかった(おそらく美味しい物への欲求は少ない方で、同じ物を繰り返して食べるのも嫌ではなかった)
- 実験好きなので糖質制限で自分が変わることへのモチベーションが人より大きかった
- 在宅の仕事で融通も効くので自炊がしやすい
というような理由から比較的糖質制限を成功させやすかったと思います。
その他の要因としては書籍から物事を継続する技術を学んでいることもあると思います。
「やるべきことはわかっているけど、行動・継続することができない」というのは多くの人が悩んでいることでしょう。
そのため書店に足を運べば、その類いの本がたくさん並んでいます。
先日、『やり抜く人の9つの習慣』という本を読みました。
この本を手に取ったきっかけは著者のハイディ・グラント・ハルバーソンを知っていたからです。
彼女はモチベーション、目標達成の分野の第一人者です。
以前から『やってのける』という本をおすすめしていましたが、それと同じ著者です。
『やり抜く人の9つの習慣』は『やってのける』のポイントを抜粋して簡潔に書き直した内容です。
わかりやすく要点がまとまっているので「本は苦手...」という方でも気軽に読める内容だと思います。
*逆に本が好きで深く読みたいという方は『やってのける』の方がおすすめです
本書で紹介されているテクニックで私が常用しているものを書きます。
テクニック1.「もし〇〇なら××する」
「もし〇〇なら××する」というルールを自分に課すことです。
例えば
- お腹が空いたらナッツを食べる(お菓子とかを買って食べない)
- 10時になったらトレーニングに行く
- 食べ終わったらすぐに洗い物をして仕事に戻る
というような宣言を事前にしておく(私の場合はメモに手書きしておく)ことです。
どれも「条件+望ましい行動」の宣言になっています。
このような条件付けを頭に植え付けておくと自然と良い行動が促されるという理屈です。
「そんなことで変わるの?」と思われる方もいるでしょう。
ただ、これは実験でその効果の大きさが証明されている優れた方法なのです。
例えばこんな実験がありました。
運動を習慣化したい人達を「このテクニックを使ったグループ」「このテクニックを教えない普通のグループ」の2つにわけます。
すると後者のグループの運動習慣化の確率は31%だったのに対して前者は91%と3倍近くになりました。
「もし〇〇なら××する」と事前にやるべきことをはっきりさせることで無意識のうちに自動的に行動できると筆者は語ります。
簡単ですし、私も効果的だと実感しています。
テクニック2.やめたいことを考えない(やるべきことの方を考える)
例えばダイエット中に「お菓子のことは忘れろ!」と言われると、逆にお菓子のことが頭から離れなくなってしまうことがあります。
これと同様にある行動を否定するほど、逆にその行動のことを考えてしまい、その結果、否定したい行動をしやすくなってしまうと著者は語ります。
糖質制限のケースでは「糖質を食べない」と強く思うことで逆にご飯やパンのことを思い出して誘惑にかられやすくなってしまうことになります。
こうならないためにはどうしたら良いのか?
著者は「何をしないのか」ではなく「何をするのか」を考えて宣言するようにしなさいとアドバイスしています。
糖質制限でいうと
「ご飯やパンを食べない」→「野菜、お肉、魚、ナッツなどを食べる」
のように意識を変えることです。
「美味しいお肉や魚をたくさん食べる」という意識をもつことで心理的な負担が減って継続しやすくなります。
(そういう意味では糖質制限という言葉自体が普及するのを困難にしている気もしますね。)
テクニック3.糖質の量は一気にガッツリ減らす(糖質制限の場合)
これは本とは関係なく、糖質制限に挑戦している方々の声からの推測になります。
糖質制限も1日の糖質摂取量によって分類が色々あるようです(スーパー糖質制限、緩い糖質制限など)。
持久系スポーツのパフォーマンスアップのために糖質制限をする場合、1日の糖質摂取量を60g以下ぐらいにした方が良いと思います。
栄養計算すればわかりますが、この60gは結構厳しめな条件に感じると思います。
最近は色々な方から体験談を寄せていただけるようになりました。
その声や海外の書籍の情報などから判断するに「スポーツで成果を感じはじめた」という人は厳しく制限しているようです。
逆に体重が減ったり、食生活としての苦痛はなくなったけど持久力の大きな変化は感じられないという人は
「100gくらいは摂っている(一般的にはこれでも十分低糖質ですが)」
「主食を抜くことは守っているが、糖質量は把握していない(調味料や意外と糖質の多い食品で摂取している可能性あり)」
「回復のために運動後はジェルなどで糖質を摂取している」
という傾向があるようです。
参考
適応へのプロセスはこちらの記事でも書いています。
『糖質制限への適応プロセス(ウェルビーイングラボ特集)』
まとめ
最後にポイントをおさらいしましょう。
- 「もし〇〇なら××する」というルールを自分に課す
例:お腹が空いたらナッツを食べる、10時になったらトレーニングに行く - やめたいことを考えない(やるべきことの方を考える)
×「ご飯やパンを食べない」
〇「野菜、お肉、魚、ナッツなどを食べる」 - 糖質制限の場合、糖質の量は一気にガッツリ減らす
持久力アップが目的なら1日60g以下が目安かと個人的には思っています
食事管理が健康やスポーツのパフォーマンスのために大切ということは誰もが知っています。
「なかなか続けられない」という方はご参考にしていただければと思います。