食事・サプリ・栄養学

ランナー向けサプリ開発者が血流に注目するワケ

2020年12月22日

ランナー向けのサプリの中には血流をサラサラにしたり、血管を拡張する働きが知られている成分が含有されているものがあります。

なぜそれが含有されているののかというと、開発者が「血流はランニングにとって大事だ」との仮説を持っているからです。

しかし、ランニングと血流といっても関係性がイマイチわからないという方もいらっしゃると思います。
そこで、この記事では「血流を改善するとなぜランニングに良いと考えられるのか」について考えていきたいと思います。


この記事を書こうと思うきっかけとなる出来事がありました。

私がプライベートの買い物で近所のスポーツ量販店に行ったときの出来事です。
ある商品について話しているお客さんの会話が耳に入ってきたのです。

その商品はサプリメントでした。
血流改善によってダイエットやスポーツに良いということがパッケージに書かれています。

それを手にとったお客さん(40代くらいの男性二人組。ランナーらしい)がこんな反応をしていました。

「○○配合で血液サラサラだって。これってマラソンにも良いのかな?」

「マラソンにも効果的って書いてあるけど、どっちかというと健康目的の人のためじゃない?」

そしてサプリをすぐに棚に戻してしまいました。

それをみて私は「血流ってあまりランナーの関心ごとではないのかな?」と感じたのです。

考え方は色々とあると思いますが、私は個人的には血流を改善することは速く走りたいランナーにとって、優先順位が比較的高い要素ではないかと仮説を持っています。

なぜその仮説を持っているのか?

それは、血流が心肺機能と密接に関係しているからです。

こちらの記事でもご紹介しましたが、心肺機能はマラソンの記録を左右する重要な能力の1つです。

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多くの方も「心肺機能を高めることがマラソンの記録アップに役立つ」というのは直感的に同意されるのではないでしょうか。

もしそうであれば、心肺機能と血流の2つの関係性が理解できれば、血流の重要性もおのずと実感がわいてくると思います。

ではその関係性について模式的に表した図をご紹介します。
(分かりやすさを追求しているので厳密ではありませんが理解の上では気にしなくてOKです)

この図は人の運動がどのように生じているのか模式的に表したものです。
心臓、肺、消化吸収器官、筋肉が血管を通して繋がっています。

走る=筋肉が動くということですが、そのために次のような仕組みが機能しています。

  • 心臓が鼓動して血液を全身に巡らせる
  • 呼吸で吸った酸素が肺から血液に取り込まれる
  • 食べ物の栄養素を消化吸収器官で吸収し血液に取り込む
  • 血液を通じて運ばれた酸素や栄養素を使ってエネルギーを作り出すことで筋肉が動く

血流は体に必要な物質を届けるインフラです。
血流が悪いのは狭い道路に多くのトラックを走らせるようなもの。
それでは必要なものが迅速に行き渡らずに体がしっかり機能しません。

速く走ろうとしたら筋肉にたくさんの酸素を素早く送り込む必要があります。
そのためには血流をガンガン流せる体質だと有利ということになります。

高い心肺機能で速いスピードでも余裕をもって走るためには血流を良くするのが大事というのがなんとなくイメージできてきたでしょうか?

メモ

注)血流アプローチの優先度について
もちろん、上記の説明は理論的な話であり、「じゃあ血流改善サプリがパフォーマンスにどれくらい影響するか?」については慎重に検討すると良いと思います。
そして、私は個人的には食事やサプリで血流改善を試みることはコスパの良い投資だとの仮説をもって行動しています。

メモ

逆に血流が悪いと酸素運搬が悪くなるという例
汗で水分が体から抜けると心臓がバクバクしたり呼吸が苦しくなりますよね。
あれは血液の粘性が上がる=血液がドロドロして流れにくくなるためです。
血流の悪化が酸素運搬の能力を低下させ、ペースを維持するのが難しくなるというわかりやすい例だと思います。


まとめ

  • 血液サラサラというと「健康」のイメージが強いが、実はマラソンのパフォーマンスにも関係している
    (もちろん、健康的にも良い)
  • なぜなら、血液は運動のエネルギーを作り出すのに必要な酸素を運搬するインフラ(道路網)のようなものだから
  • 血流改善がどれくらい優先順位が高いか(投資してコスパが良いか)は人によるので、「自分で試して検証してみよう」くらいの姿勢が良いと思う。
  • 小谷個人としては「血流改善は投資効率が良い」との仮説に基づいて日々の食事やサプリを選んでいる

▼血流改善なサプリ成分の例

  • ブラックジンジャー(私の開発したCatalyst Cardio Performanceも上記の理由で配合している)
  • シトルリン(私もレースで使用しているサプリ。アスリチューン・エナゲインに含まれている)
  • DHA(冒頭で紹介したエピソードの商品はこれ。青魚にも豊富に含まれている)
  • ケルセチン(玉ねぎのサラサラ成分)
  • サプリではないが、ウォーミングアップも血流を促すのが目的の1つ。

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