今日は「練習時間をどのように生み出すか」について考えてみたいと思います。
今週、『VO2max向上プロジェクト』という9月上旬から開始した6週間に渡るプロジェクトが終了しました。
このプロジェクトでは
- オンラインセミナーによるトレーニングや栄養に関する知識の提供
- 講師とのインタラクティブなやりとり
- サプリ(Catalyst Spirits)の提供による栄養サポート
によって、走力の向上を目指しました。
受講生の方々からは
- ロング走など途中やめたくなる時も設定メニューをやり切ると強い気持ちをキープできた
- 平均心拍数が以前より下がったようで、疲れにくくなったような気がします
- 練習すると疲労がどんどん蓄積していってCOROSの指標が常に「疲れている」「疲労困憊」だったのが、疲労抜けがよくなり継続練習ができるようになった。
- Catalyst Spiritsを飲み始めてから疲労感が少ないのか練習を休まなくなりました。それとCatalyst Zoneを30キロ走で飲みましたが、身体全体の疲れが全く違い最後まで気持ちが切れずに走ることができました。サプリの効果を初めて実感できました
- Catalyst Spiritsのおかげか分からないが日常生活でも考え方が前向きになっているように感じる。モチベーション維持面でも効果を感じた
という声をお寄せいただくことができました。
期間を区切ってテーマを絞って学び実践していくことで、単調になりがちな日々のランニングに変化が生まれ、ワクワクした気持ちで練習ができるようになり、それが成果につながりやすくしているのかもしれません。
11月はフルマラソンの補給に関するプロジェクトを計画しています(近日メルマガでシェアします)。
基本的にはたくさん走れば強くなる。それをどう実現していくか
さて、表題のテーマについてです。
先のプロジェクトのとき、受講生の方から「結局のところ、たくさん走れば走力が向上するということなのでしょうか?」という質問がありました。
こう言われてしまうと「身も蓋もない」といいますか、トレーニングについて情報発信をしている立場のものからすると「いやいや、そんな単純なことではないんです」と言い訳をしてしまいたくなるところですが、「ある程度の条件付きで、まさにその通りです」というのが私の回答です。
条件付きというのは
- 故障しないこと
- オーバートレーニングにならないこと
- jogだけでなく、スピード練習をバランスよく入れて刺激を変化させていくこと
という、まぁ当たり前の条件です。
細かいことをいうと種目に専門的なトレーニングを入れるとか動作スキルを高める練習を入れるとか色々と考えることはあるのですが、大筋としては「たくさん走るほど走力は向上する」というのが最も大事なことといえます。
私自身も記録を向上したい一人のランナーとして「いかにトレーニング負荷を最大化していくか。さらに高めていくか」ということを基本的に考えています。
では、トレーニング負荷を更に高めていこうとしたとき、私たち市民ランナーにとって何がネック(課題)となりやすいのでしょうか?
おそらく
- 練習のための時間を作ること
- 練習の疲労から早く回復すること
- 故障しないこと
の3つが特に重要になるのではないかと思います。
このうち2,3番の「疲労回復」「故障予防」についてはこれまでもセミナーや商品によって皆さんを応援してきました。
今日は1番目の「時間捻出」について、アイデアを1つご紹介します。
ゴール設定で時間を生み出す
練習時間を生み出す方法、それはゴール設定にあるのではないかと私は考えています。
VO2max向上プロジェクトの中でゲスト講師の新澤コーチがこのようなエピソードをシェアしてくれました。
先日、人身事故の関係で電車が最寄り駅の1つ前の駅で止まってしまいました。
私は最近は練習量を増やす時期に入っていて、週間走行距離が100km以上になるように意識しています。
電車が止まってしまったとき、これまでなら駅で何かして待っていたと思うのですが、練習量の目標があった私は(たまたま走れる服装だったので)「この時間も距離を稼ぐチャンスだ」と思って走って帰ることにしました。
私も以前はサラリーマンだったので、忙しい人の気持ちはわかります。ただ、今回の私のように目標があって、それを目指したい気持ちがあれば、何とかしてできることが見つかるはずです。
ちゃんと睡眠をとるなど、健康管理はきちんとしたうえで、「気持ちが大事」ということを忘れずに日々に向き合ってみてはいかがでしょうか。
これはゴール設定によって、今まで見逃していたチャンスに気づけるようになるという見事な事例だと私は思いました。
Reticular Activating Systemを操る
私たちの脳にはReticular Activating System(網様体賦活系)という「何を顕在意識にあげるか」を決めるフィルタのような組織があります。
このReticular Activating Systemのおかげで私たちは物事に集中して取り組むことができています。(フィルタが無ければ、私たちの脳は膨大な情報に圧倒されて、何もすることができなくなってしまうでしょう)
一方でReticular Activating Systemは私たちに「そこにあるのに気づかなくしてしまう」という側面もあります。
例えば、今、あなたは座っていますか? 立っていますか?
もし座っているなら、お尻で体を支えている圧力を感じているはずですが、今まで忘れていませんでしたか?
もし立っているなら、足の裏に体重を感じているはずですが、今まで忘れていませんでしたか?
人の視野では、基本的に鼻の先が見えているはずですが、今まで忘れていませんでしたか?
BGM、外から聞こえる音など、何かが聞こえているはずなのに意識から抜けていませんでしたか?
これがReticular Activating Systemがフィルタとして働いて、私たちに気づかなくさせてしまう例です。
そして同様に、その気づかなくしてしまう対象が「チャンス(今回のテーマでいえば練習時間)」だとしたら、どうでしょうか?
チャンスはフィルタされずに、きちんと意識に上げたいとは思いませんか?
Reticular Activating Systemを通過させる方法は2つあります。
1つは誰かから指摘されて、それを意識に上げることです。
(先ほど私に「お尻や足裏に圧力を感じませんか?」と言われたことで、それが意識に上がったように)
2つめは「その対象が重要である」と自分が思っていることです。
先ほどの新澤コーチの例がまさにそれで、新澤コーチは「週間走行距離を100km以上」という明確な目標があり、それをご本人が本当に達成したいと思っていたので、電車が止まったというときに「練習時間がある」と意識に上がって行動に移せたのでしょう。
私たちはゴール設定によって「何が大事か」が決まります。
そして、今まで身近にあったのに見逃していたチャンスに気づけるようになります。
だから、「もっと走力を高めたい」と思っている方は「もっと練習時間を確保して、充実した日々を送っている自分」を強く繰り返しイメージしましょう。
練習時間を生み出すアクションの例
【現状】
週間走行距離が50kmでフルが4時間くらい
【理想】
フルでサブ3.5ができるようになりたい!
そんな自分なら、週間65kmくらい走っていそう!(距離は仮決めでOK)
【練習時間を作るためのイメージトレーニング】
毎日、朝起きてすぐと寝る前に
「私は週間65kmの練習をしているサブ3.5ランナーだ。私は練習の達成感と自分が成長していく感じが大好きだ。」
と心の中で唱えて、そのような生活をしている自分を感情を伴ってイメージする。
→何日も繰り返すことで無意識が理想へと近づくよう導いてくれるはずです。
まとめ
- 練習時間を作るには、練習時間になりうるタイミング(チャンス)に気づけるようになる必要がある
- 人はReticular Activating Systemによって意識できること(気づけること)が限られている
- 練習時間に気づくには「練習時間が大事である。もっと欲しい。」と心から思うこと
- 心から思う(自分に刷り込みをする)ためにはゴール設定をして、繰り返し理想の練習をしている自分をイメージすることから始める
- 刷り込みが上手くいくと、Reticular Activating Systemの作動が変わり始め、練習時間を見つけられるようになる
- 「自分が使える時間はこれくらい」と現実的な今の自分の枠で考えるのではなく、理想をイメージすることから始める。すると、今の自分では気づけなかったチャンスを見つけられる可能性が出てくる
ぜひあなたの「理想のランニングライフはどんな感じか?」についてイメージを膨らませるきっかけにしてみてください。
今日もお読みいただきありがとうございました!