今日はフルマラソン対策としての距離走の意義と効果的なやり方について考えたいと思います。
10月に入りフルマラソンが近づいてきたという方の中には「そろそろ30km走とかしないといけないかな」とプレッシャーを感じ始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私もフルマラソン対策をする場合は大会前に2回はレースペースに近いペースで24~30kmくらい走る練習をします。
このような、ある程度速いペースで長い距離を走る練習はとても効果的です。
というのも、私たちがレースでぶつかる「壁」は多くの場合、脳が安全システムとしての機能からブレーキをかけることが原因だからです。
脳が「このペースのまま残り距離を走ると体が壊れてしまう」と判断すると、走るのを辞めさせようとして「壁(疲労感、体が動かなくなる)」が発生します。
このとき、脳は生存本能として正しく機能しています。
しかし、この安全装置があまりに安全ゾーンを広めに(余裕をもって)作動するようになっていると、記録を目指したいランナー的には困ってしまいます。
まだまだ本当はゴールまで行けるほど肉体的にも余裕があるのに強制的にストップがかかってしまうからです。
では、この脳の安全システムの作動をより適切にして、より高いポテンシャルを発揮できるようになるためには、どうしたら良いのでしょうか?
それは、脳に「この経験は前にもしたことがあるから大丈夫だ」と思わせることです。
そして、それはフルマラソンにおいては「レースペースに近いペースで24~30kmのようにある程度長い距離を走る」という練習を事前にしておくことで実現ができます。
これが距離走が効果的であるという理由です。
このような特徴があるゆえに実践的な距離走はその実施回数がたった1,2回だけでも大会本番では大きな効果を生む可能性があります。
(対して、一般的な練習=ジョグやインターバル走などは何度も繰り返さなければ大きな違いを生むことができません)
さて、距離走へのモチベーションが上がったところで、その距離走をどのように走るのかということを考えましょう。
走り方のポイントとしては
- レースペースに近いペースで走ること(1kmあたりレースペースより10~15秒くらい遅くても良い)
- ある程度の長さを走ること(24~30kmくらい)
でしょうか。
練習を終えたときの感覚ですが
- 苦しかったけど頑張りぬいた
- 余裕をもって終えられた
のどちらでも意味があると私は考えています。
前者であれば、レースに類似したストレスを脳が一度体験したことでレース本番で「壁」が発生しにくくなるといえます。
後者であれば、「練習でここまでは余裕で走れた」という自信が「壁」を起こしにくくしてくれるでしょう。
距離走がどのようなパフォーマンスで終わっても、その良い面に目を向けましょう。
それが心理的な効果となってパフォーマンスを更に高め、練習へのモチベーションにもつながっていきます。
最後に補給ですが、これについてはフルマラソンの大会を想定して同じようなリズムで補給をすると良いでしょう。
フルマラソンの補給ノウハウについてはこちらの記事で解説していますのでご参照ください。
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今シーズンの大会が素晴らしい経験となりますように、日々の練習を前向きな姿勢で取り組めますように、引き続き応援しています。
今日もお読みいただき、ありがとうございました!