小谷のブログ

速く走れる走り方とは? 足の軌道の特徴

2021年12月24日

私は最近、フォームの改造をしようと考えていて、毎回の練習で自分の動きを意識しながら走るようにしています。

フォームを変えようと思ったきっかけは、来年はハーフマラソンやフルマラソンも走りたいので、そのために「速く走れる走り方」を身につけたいと思ったからです。

そこで今回メインの参考書にしようと思った書籍がOwen Anderson著の『RUNNING FORM』という本です。

私はこれまでフォーム関係の書籍やランニングコーチなどが受講する専門家向けのセミナーで学んできましたが、今回特にこの一冊を試してみようと思ったのは

  • 著者の経歴が確かであること
  • 理論としての納得感とそれを裏打ちするデータ
  • 市民ランナー向けで内容が重要ポイントに絞られており
  • 改善のための具体的なアクションもわかりやすい

というところが良いと思ったからです。

本書では特に接地するときの足の動きに重きが置かれているのですが、私が特に印象的だったポイントが

「これから接地しようという足を(これまで私がしてきたより)かなり早いタイミングで後方へ動かし始める」

という点でした。

下の図をご覧ください。

これはランニング中の脚の動きを図示したものなのですが、接地する足が接地するより前のタイミングで(空中で)前方から後方へ動いているのがわかります(ピンクの矢印の部分)。

これまでの私の走り方ではこのピンクの動きはほとんどなく、足を体のやや前方で地面に置くように接地していました。
(その動きを書くと下のオレンジの矢印のイメージです)

足を後方へ動かす力を加えるのは接地して軸足に体重が乗ってからでした。

私はウルトラのような長い距離を走るときは接地の衝撃が少ない方がダメージが少なくて有利だと思っていました。
そして、オレンジの動かし方をすると、それを実現しやすい(技術的に簡単)と思います。

しかし、物理的、筋肉の仕組み的な理屈でいうと、ピンクの矢印の動きの方が進行方向への推進力を生むのには有利であるはずです。

そう気づいてからピンクの動きを意識してみることにしました。

これまでのイメージが「足を地面に置く」なら、新しい動きは

「地面を優しくひっかく」

「ランニングマシンのように動いている地面の上を転ばないように、地面の動きに足を合わせるように空中の段階から足を後方に動かすように走る」

という感じです。

最初は足の軌道が変わったことで接地のタイミングがつかめず「ガツン」とくるようなダメージの大きい接地が続きました。

しかし、繰り返し意識して走ったり関連する他の動作(*)も合わせて改善することで、少しずつ良い感触を得ることができはじめています。

その結果として、ジョギング感覚のペースが5:10→4:40/kmまで上がりました。
あと、4:00/kmあたりのペースも以前より楽に感じるようになりました。

(*)地面を蹴った後の脚が後方へ流れ過ぎると、足を前方へ戻す動きが遅れてピンクの動きをする時間的な余裕がなくなってしまいます(足を後方へひく動きをする前に地面についてしまう)。そこで「地面のキック後に膝を素早く前方へ戻す」「脚を全体的に今までより前の方で動かす」というイメージで改善しました。

一方でデメリットに感じているのはゆっくりペースで走るのが難しいこと。
まだ動き全体がぎこちなく、どれだけ長い距離に対応できるか未知数なところでしょうか。

動作の変化に伴う故障の不安は今のところは感じていません。

しばらくフォームを意識した練習を継続してこの動きを検証していこうと思います。

みなさんの足の軌道はどちらに近かったですか?
もしフォーム改造を試みて変化があったらぜひ教えてください。

それではまた!

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