昨年の10月から開始した糖質制限も7ヶ月目に入りました。
多くの人から「よく続くね」と言われます。
好物だったものが食べられないというのは最初は抵抗がありましたが、心身の調子が良くなったことと比べれば些細な問題と思うようになりました。
糖質制限をしていて一番頻繁に聞かれる質問は何だと思いますか?
「痩せた?」とかでしょうか。
それもよく言われますが、それ以上に聞かれるのは
「いつまで続けるの?」
です。
以前の私もそうだったと思うのですが、糖質を制限した食事をずっと続けることが想像もできないからこの質問がされるのだと思います。
回答としては「糖質制限は好きでやっているので特に期限は考えていない」です。
RUNのパフォーマンスとの関係を調べるためには2,3年はかかるかと思ったので、それくらいは続けるのかなというのが今の直感です。
さてさて、先日ある実験をしてきました。
「100kmをエネルギー補給無しで走ったら血糖値はどのように推移するのか」
を調べてみました。
ランナー的に糖質制限をするメリットの1つは脂肪を効率的に使って走れるようになることです。
普通のランナーであれば長い距離をエネルギー補給なしで走ると筋グリコーゲンの枯渇(ガス欠)や低血糖となってしまいます。
そうならないように補給が大事となるのですが、過酷なマラソン中に食べられる量は限られています。
100kmマラソンでの血糖値の変化は先行研究があります。
『100kmマラソン時の血糖変動とパフォーマンスに関する事例研究』
この先行研究ではサロマ湖を走った1名のランナーの補給と血糖値、ペースなどのデータを分析しています。
フルマラソン2:44の実力あるランナーですが、100km初挑戦ということもあったのか65km以降苦戦したようです。
エネルギー補給が少なく、血糖値が後半一気に落ちてペースもそれに伴って大きく落ちています。
70km以降は想像するだけでキツそう・・・
(でも粘って最後は復活している!)
一方、糖質制限を7ヶ月続けている私の場合はどうなるのでしょうか?
100kmを5:30/kmのペースで走りました。
<食事・補給>
当日は朝食抜き(前日の夕食から14時間の絶食でスタート)
電解質補給
・経口補水パウダーWAID 15,27,65,72km
・味噌汁 40,80km
炭水化物合計:27g
食塩相当量合計:7.12g
この時の血糖値の推移がこちらです。
血糖値(mg/dl)
括弧はケトン(mmol/l)
0km 72(0.8)
10km 77
20km 78
30km 96
40km 64(0.6)
50km 69
60km 81(0.5)
70km 68
80km 71(0.6)
90km 59
100km 53(0.7)
先行研究の血糖値と比較するとわかるのですが、私の血糖値はかなり低いところを推移しています。
それでも問題が起きなかったのは、ケトン体が脳にエネルギーを供給しているからと思われます。
*参考「低血糖の目安と症状」について書かれたページ
今回の実験でわかったことをまとめると
- 私は一般的な人より血糖値が低くても普通に走ったり考えたりできる
(53mg/dlでも低血糖性の疲れは自覚無し。100km走った疲れは当然ありましたが) - 血糖値が下がるとペースダウンするという先行研究もありましたが、今回の私は100km通してほぼペース変化はありませんでした
- ケトン濃度が糖質制限を始めた当初よりも下がってきている。運動中もあまり変化はみられない。
→血中ケトン濃度の高さは必ずしも「どれだけケトンを使えているのか」は示さない? - 血糖値53~78くらいはあまり空腹感の差は感じず
(96の時は空腹感が少ない自覚があり、精神的な元気さも高かった気がする)
私の次の大会は5/3~9の6日間走です。
いよいよ残り3週間となりました。
半信半疑のところから糖質制限を続けてみて、エネルギー代謝に関しては大きく成長することができました。
あとは筋骨格系へのストレス、睡眠、擦れなどのRUN以外のストレスがキーポイントとなりそうです。
春のウルトラのシーズン。
私もみなさんも、陰で続けてきた努力が実りますように!