ケア・故障予防

ランニング中の肩や首のコリの解消策

2017年9月18日

今回は先日のセミナーであった質問

「ランニング中に肩まわりが力んでしまい、長く走るとコリが気になります。
どんな原因が考えられますか?」

について、ちょうど良い事例があったのでその紹介をします。

質問のきっかけとなったのは故障予防に関するセミナーのこのスライドでした。
ここに「腰部の安定性が低下すると肩こりを起こしやすい」ということが書かれています。

まずこのスライドにいたるまでの前提知識を簡単にいうと

  • 人の関節は動くのが得意な関節と安定させるのが得意な関節に分けることができる(スライド人体模型の「動」と「安」のように分類する)
  • 動くべき関節が適切な可動性を有しないときor安定させるべき関節がグラグラする(適切な安定性を有しない)とき、隣接した関節が悪い影響を受けて故障リスクが高まったりパフォーマンスが低下する(代償動作という)

ということです。

腰部はスライドにあるように安定させることが得意な関節です。
腰部はランニングの動作中、安定して力を伝えることが重要な役割となります。
そのためには腰部のインナーマッスルが適切なタイミングで適切な大きさの力を発揮する必要があります。

しかし、何かしらの問題で腰部が十分な安定性を発揮できない時、腰部の近くにある胸部・肩回りが可動性を奪われることがあります
これは体が不安定性を嫌うためです。
もし腰部が不安定でグラグラしているのに胸部・肩回りが大きく動いたら更に不安定になってしまいます。
そして、この可動性を奪われた状態が肩や首の緊張とか肩こりとして自覚されることがあるようです。

なので、スポーツジムなどでは運動中に肩がこるという方で体幹部の機能が悪い時にはそれを改善するための体幹トレーニングをおススメされるということもあります。
(ただし、肩コリの原因が体幹の弱さだけとは限りません)

理論的にはこうなのですが、実例が無いとあまり説得力がないとか実感がわいてこないという方もいると思いますので、1つ事例を紹介します。

サロマ湖100kmで3回優勝、6時間台15回の実績を持つ能城秀雄選手(本職でランニングの指導もされている)はランニング以外の補助トレーニングとして安定性を高めるバランストレーニングを重要視されているようです。
(ゴールデンウィークにあったウルトラマラソンアカデミーというイベントでもバランストレーニングの実技指導をされていました)

能城秀雄選手

先日能城選手にKernel(バランス能力が高まると噂のスポーツネックレス)を使用した感想を教えてくださいとお願いしたところ、こんなコメントをいただけました。

フルマラソン以上の距離を走るウルトラマランは、筋力だけでは限界があり、バランスを重視しています。
kernelはバランスを意識しやすく、長時間走るとその効果が結果として表れています。
1年ほど前から使用していますが、最初は走る時の感覚に違いを感じました。
それまで使っていた商品は、長時間走ると首が凝りやすかったため、どちらかと言うと肩や首のコリが出ないようなイメージで使っていました。
そもそものバランスが良ければ、首のコリも気にすることもなさそうです

これからは、
年齢的にも筋力トレーニングが必要な年齢となりますが、今後は、筋力トレーニングを行うことで、更にkernelを上手く使いこなして行けば、まだまだパフォーマンスを上げられるイメージはありますよ

このように肩・首のコリがバランス感覚と関係していると実感されているようです。
バランスと肩こりなんて普通は関係がなさそうに見えるところにつながりがあるなんて面白いなと思います。

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