こんにちは。
ランニングショップHolosの小谷です。
皆さんは「夏でもまとめて長い距離を走る練習をしないと不安。でも、暑くてなかなか長時間の練習が難しい」と悩んだことはありませんか?
今日は夏に少しでも涼しい時間でまとめて長い距離を走る練習として定番の夜間走について。
そのメリット・デメリット、実施する場合のコツについて考えていきたいと思います。
夜間走のメリットとデメリット

まずは、夜間走という練習を導入した方が良いのか否かを検討するために、その効果やメリット・デメリットについて整理していきましょう。
夜間走のメリット
- 日中より涼しいので、ペース管理と補給を適切にすれば、夏でも長時間の運動を継続しやすい
- 目標レースに「夜中に走る」という要素がある場合、その実戦的な練習となる
- 秋のウルトラを目指す人の場合、「1回でまとめて長い距離を走る」ことが良い練習になり、自信にもつながる
夜間走のデメリット
- 防犯、転倒や接触リスクなど安全面をしっかり管理する必要がある
- 眠気がきつくて思うように走れないことがある
- 生活リズムが崩れたり、それにより回復が遅れる可能性がある(練習メニュー全体の連続性の低下)
【種目別】夜間走は導入すべきか否か
夜間走のメリット・デメリットを比較すると、夜間走の導入メリットが大きい人とそうでない人は以下のように分類できるでしょう。
目標レース | 夜間走のメリット | 実施のポイント・補足 |
---|---|---|
フルマラソン以下 | 比較的少ないが、生活リズムが乱れない範囲なら有効 |
・基本は「頻度×分割」の練習が推奨 ・1.5〜2時間のプチ夜間走であれば生活リズムを崩さずに効果あり |
秋のウルトラ | 「1回でまとめて長時間走る練習」として効果的 |
・練習全体のバランスと生活リズムの維持がカギ ・仮眠やタイムテーブルを工夫しながら負荷を調整する |
オーバーナイトランを含むレース | 不安や苦手意識の克服につながる(初挑戦者向け) |
・1〜2回の夜間走で実戦シミュレーションが有効 ・経験豊富で課題意識がなければ無理に実施しなくてOK ・暑さのピークを避け、9月以降に「まとめて走る練習」をする方が効率的な場合も |
フルマラソンやそれ以下の距離を目標としている人
メリットは比較的少なく、基本的にはこれまでのHolos通信でお話していた通り、夏は「細かく区切って頻度を上げる練習」を基本戦略にしていく方が個人的にはおすすめです。
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夜間走をしても生活リズムが大きく乱れず、週間走行距離を伸ばせる場合は実施の余地あり。
夜間に1.5~2時間くらい走る『プチ夜間走』だったら、生活リズムを大きく崩すこともなくて良いかもしれません。
秋のウルトラマラソンを目標としている人
適切に実施すれば導入のメリットがあるでしょう。大会が近づいている中で「1回でまとめて長時間走る」という練習をしたい気持ちもあると思います。
実施の際は「練習メニュー全体で考えたときに、上手くまとまる程度の負荷にコントロールすること。生活リズムが崩れすぎないように練習と仮眠の時間帯を工夫すること。」を意識すると良いと思います。
目標レースの要素にオーバーナイトランを含む人
オーバーナイトランの時間帯に不安や苦手意識のある人は練習で1,2回でも経験しておくと、本番をより精神的に楽に走ることができるでしょう。
逆に経験が豊富でオーバーナイトランに対して苦手意識・課題意識が少ない人は無理に実施する必要は無いと思います。
私の場合も特にオーバーナイトランの練習としての夜間走は実施していません。大会の時期によりますが「1回でまとめて走る練習」を9月以降に実施しても間に合うようなスケジュールなら、8月は「分割・高頻度」の練習サイクルを回して、ウルトラ対策のロング走は少し暑さが和らいだ時期に集中させます。
夜間走のおすすめメニューサンプル

9,10月の100kmなど秋のウルトラが目標で「1回でまとめて長く走る練習をしたい」という方は「まとめて走る。でも、全体の練習リズムや生活リズムを崩しすぎない」ような負荷と時間帯を選ぶことが役立つでしょう。
例えば以下のようなメニューはおすすめです。
18:00~19:00 夕食(※)
19:00~21:00 休憩、ここの時間帯で20~25分くらいの仮眠をするのも良いでしょう(長く寝すぎるとかえって体が完全に睡眠モードになってしまう可能性があるので注意)
21:00~25:00 4時間 夜間走
25:00~25:30 シャワー、適宜 軽食やケアをして早めに就寝→生活リズムの乱れをコントロール
※練習まで2時間程度の間隔なので、消化の良いものを中心に食べ過ぎないようにしましょう。私は普段は空腹ランニングをおすすめしていますが、夜間走については日中の活動でエネルギーを消耗していることもあるので空腹にこだわらなくても良いかなと思います。
目標が100kmとはいえ、徹夜で8~10時間など走る必要は無いと個人的には考えています。
夜間に走るというだけで体にとっては負担になるので途中の休憩を含めて3.5~5時間くらい体を動かせれば十分かと思います。
また、本命レースのオーバーナイトランに苦手意識のある方は、19:00~21:00での仮眠を無くすことで、より睡魔対策や「疲れた状態で夜間も動く練習」になると思います。
目標が100マイルやそれ以上の場合は6~8時間のさらに長い夜間走も実施する価値があるかもしれません。
私は個人的には24時間走が目標でもロング走は5~6時間で終わる練習を好んでいますが、友人の中には80~120kmの夜間走をして実績を残している人たちもいます。
「1回の練習でどれだけ走るのが良いか?」については議論が分かれるところですが、少なくとも「夏も夜間走をして自分なりに頑張った」という自信は必ずや本番での辛い場面を乗り越える力になることでしょう。
夜間走の補給と眠気対策のコツ
いざ夜間走を実行する際には、「どれだけ走るか」だけでなく「どう走るか」も重要でしょう。
特に補給と眠気対策は、夜間走の質を大きく左右する要素になります。
まず、日中よりは涼しい夜間とはいえ、蒸し暑くて発汗量もそれなりに多くなると思います。水分補給と電解質補給には十分に注意してください。
ウルトラが目標の人は、ぜひレース本番での補給計画を意識して、それをテストするような補給を試してみると良いと思います。
つまり、レースと同じ補給食・サプリ・ドリンクをレースと同じタイミングで摂取するということです。
補給計画を検証することもできますし、レースを想定しながら走ることでモチベーションも維持しやすくなります。
夜間走を終えるとき、まだ体が元気で「レースのある地点を通過する」ようなイメージで終了できれば、なお良いと思います。
眠気対策の3つのポイント
夜間走の眠気については、以下の3点を意識することが有効な対策となると思います。
- 糖質、水分、電解質の補給をきちんとする:
低血糖や低ナトリウム血症は眠気を誘発することがあります。
つまり、糖質と水分と電解質の補給が成功すれば、それだけで眠気対策になります。 - カフェインの活用:
これは眠気対策の定番です。コーヒー、コーラ、エナジードリンクなどはコンビニで調達しやすいので安全に走るためにも活用しましょう。
Catalyst Zoneもカフェイン&マンゴー葉エキスの覚醒作用があるためオーバーナイトランの眠気対策に人気の商品です。
個人差がありますが、すきっ腹でカフェインを摂取するとお腹の調子が悪くなる方もいますので、気になる方は補給食を食べた後にカフェインを摂取するようタイミングを調整するとより安全です。 - 「レースモード」が眠気を吹き飛ばす:
私が24時間走の大会中に眠くなるのは決まって「記録が狙えなくなった」などレースの興奮モードが切れてしまったときです。
走れなくて眠くなることはありますが、眠気が原因で走れなくなることは少ないです。つまり、心の状態が眠気に大きく影響します。
夜間走は練習なので大会のような集中力や興奮を期待することは難しいですが、「これは本番のための実戦練習だ」と意識することで、少しは脳を刺激できると思います。
ぜひ走っている最中に「本命レースを走っている自分と重ね合わせる」ようなイメージを持ってみてください。心の持ち方次第で眠気をコントロールできることに気づくと思います。
まとめ
今回の内容を行動に移すためのステップを以下にまとめます。
- 夜間走のメリットとデメリットを比較し、自分の目標レースのために夜間走を実施した方が良いか否かを判断する(秋ウルトラが目標の人は価値が大きい)
- 実施する場合は①練習リズムが崩れすぎない負荷、②生活リズムが崩れすぎないタイムテーブルを意識して計画する
- 実際に夜間走を1回してみる。レース本番を想定した補給をテストするチャンス。レースへの意識を強くもつことで眠気対策にもなる。
暑い夏こそ、工夫と挑戦で差がつく時期です。
夜間走をうまく取り入れて、今年の夏をレベルアップのきっかけにしていきましょう!
ps
今回ご紹介した覚醒サプリ、Catalyst Zoneは『Rising Sun 24(24時間走 日本チームを応援するプロジェクト)』の応援商品です。
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夜間走でもレース本番のパフォーマンスアップでも使えるサプリですので、ぜひこの機会にお試しください。
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