小谷のブログ

24時間走で264kmを出した練習メニュー(特徴や昔との違いを考察)

2024年12月14日

先日のブログでは12年ぶりに24時間走の自己ベストを更新できたというご報告をしました。

12年ぶりに24時間走の自己ベストを更新しました! 東呉国際ウルトラマラソン264.509km

台湾で開催された『東呉国際ウルトラマラソン(24時間走)』に出場してきました。 264.509km走り、12年ぶりに24時間走の自己ベストを更新することができました。 この結果は普段から私の活動を見守 ...

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今日は本大会の直近3か月間でどのような練習をしてきたのか、その特徴や昔との相違点についてシェアしたいと思います。

今後のメニュー作りの参考やモチベーションアップにお役立ていただければ幸いです。


まずは9~11月の練習データをご覧ください。

9月の練習メニュー

*週サマリーの距離はランニングと自転車の合計距離です。

ランニングと自転車を合わせた運動時間の棒グラフです。
心拍ゾーンで色分けしています。赤:Zone5、黄色:Zone4、緑:Zone3、青:Zone2、グレー:Zone1

こちらはランニングのみのデータです(1つ上のデータから自転車の運動時間を削除したもの)。点線は平均心拍数(赤)と平均ペース(青)を表します。

9月の月間走行距離(RUN)は461kmでした。プライベートで問題を抱えていた8月に思うように練習できず(月間318km)、体力が低下していたこともあり、全体的に心拍数が高い傾向にありました(暑さも原因)。

自転車も含めた有酸素運動の合計時間は月間で41時間43分。まだ体力的には衰えている感が否めませんでしたが「3か月も練習を継続すれば体力は十分に戻せる」と信じてコツコツと毎日の練習を継続していました。

10月の練習メニュー

9月と比べて全体的な量が増えてきました。
12,19,26日と3週連続でウルトラ専門的な空腹状態でのロング走(60~70km)を実施しています。ウルトラをある程度走れる体が戻ってきたという自信になりました。

ランニングと自転車の合計の運動時間。9月のコツコツ練習のおかげで、心拍数も平均的に下がってきています。 ファルトレクや40分程度のスピード練習も入れています。これは、東呉国際ウルトラマラソンが最終ゴールではなく、その後も持続的に成長するためにはスピードを更に高めていくことが不可欠だと考えていたからです。

こちらはランニングのみのデータ。

10月の月間走行距離は616km。自転車も含めた有酸素運動の合計は54時間24分でした。

週2回のスピード練習を入れながら3回の60~70km走を安定して継続できたことで、自信がつき大会への期待が高まっていくのを感じた1か月でした。

これくらい走れると、練習がますます楽しくなってきます。見方を変えると、順調でないときにいかに早く復調するか、体力の低下を抑えるか、私生活などのトラブルを根本的に解決できるかということが長期的には大事といえるのでしょう。

11月の練習メニュー

10月と全体的なボリュームはあまり変わらず、ポイント練習を
ファルトレク→300m×12
10kmスピード走→2000m×5
のように刺激を少し変えました。
最後のウルトラ練習(9日。大会3週間前)は平均4:30/kmとそれまでより速いペースで走り、仕上がりをチェック&自信の向上につなげました。
大会2週間前の週から少しボリュームを減らして疲労を抜いていきました。(頻度、ペースはほぼ落としていない)

自転車を含めた運動時間。(グラフが見にくくなるため30日=大会のデータは抜いています)

ランニングのみのデータ

大会前日(29日)までの走行距離は584kmと10月のボリュームとほぼ変わりありませんでした。有酸素運動の合計は48時間37分。

なぜ昔より少ないボリュームで実力を伸ばせたのか?

この3か月間の練習メニューは以前の自己ベストを出した大学院2年生のときよりも量としては少ないです。(当時は月間650~700kmは当たり前で、夏休みのときなどは1000~1200kmと走ったこともありました)

少ないボリュームでも記録を伸ばせた理由には補給の上達、ランニングフォームの改善、マインドの変化など様々な要因がありますが、今日は練習メニューにおける変化や特徴について考えたいと思います。

特徴1.高頻度で練習している

上記のカレンダーを見てわかるとおり、最近の私は高い頻度で練習をしています。

10月は完全休養が1日、11月は0日です。
クロストレーニングの自転車も含めると、1週間で9~10セッションの練習をしています。

昔の私は「負荷の高い練習をして、体にダメージを与えてから回復することで強くなる」と考えていました。
そのため、週に1~2日は完全休養が欲しくなるような1回1回が今よりもハードな練習をしていました。

しかし、今ではその考えが変わってきていて、(ある程度の負荷は必要ですが)毎日のように継続できる程度の負荷でコンスタントに走り続ける方が調子が良いと感じています。

毎日運動することで、頭がスッキリ、ストレスも発散できて、仕事やプライベートなどトータルで毎日がより充実します。

その「今日も充実した1日だった」という満足感が明日への期待やモチベーションになりますし、そのような良好な精神状態は体のリカバリーを早めてトレーニングへの適応も向上させてくれるのではないかと思います。

感覚的な表現にはなりますが

トレーニングで疲弊するのではなく、トレーニングを通じて元気で幸せな日々を送る。
その幸せな日々の余暇として、トレーニングで適度な疲労感や達成感を感じる。

そういう感覚で毎日を過ごすようになってから、仕事もプライベートもマラソンも全てが上手くまわるようになったと実感しています。

特徴2.空腹状態、エネルギー補給無しの練習

これは私のブログ読者の皆さんからするとお馴染みかもしれません。

私は2018年の神宮外苑24時間走で255kmを走り「こんなに楽に24時間走を走れたのは初めてだ!」と感動して、脂質代謝(体脂肪をエネルギーにする能力)を特に重視するようになりました。

これは私個人や24時間走という種目に限った話ではありません。

例えば、今年の夏にランニング教室『サニエスリンク』さんとコラボして「8週間で脂肪を使える体質に変える」というプロジェクトを開催しましたが、その際にMCとして一緒にお客様をナビゲートしてくださった松本麦香コーチも先日のつくばマラソンで目標の初サブ4を達成し、脂質代謝のフルマラソンへの有効性を実感していました。

現在は私は糖質制限の食事はしていませんが

  • 日々の基本的な練習は早朝に朝食を食べないで行う
  • 60~70km走も基本的に朝食抜き、水分と電解質の補給のみで、エネルギー補給はしない

という練習で昔より高いレベルの脂質代謝を維持できています。

また、手前みそですが、脂質代謝を高めるエルゴジェニックエイドとしてCatalyst Cardio Performanceを自分で開発して以来ずっと飲み続けています。

特徴3.向上心をもって、発見を楽しみに練習する

私は毎日の練習をただ走るのではなく「今日はどんな成長につながる発見ができるのだろう」と期待しながら走るようにしています。

例えば、「昨日、本で読んだランニングフォームのアドバイスを実践して感覚を試してみよう」とか「走りながらこんなセルフトーク(自分の心の中での会話)をしたらキツイ時間帯が粘れるのではないか」とかを考えます。

走ることに限らず、仕事や家庭生活への改善に関するアイデアが浮かんでこないか考えたり、将来の長期的なビジョンをワクワクしながら描くこともします。
(走ることは生活の一部なので、生活全体が向上すればランニングへ投資できる余力も増えます)

ちなみに最近は英語をできるようになりたくて、英語のポッドキャストを聞きながら走ることも多いです。
走ることで他のことをする時間が無くなるというネガティブな気持ちもこれで無くなります。

もちろん、頭を使いたくなく、ただ走ってスッキリしたいときは、その心に従って考えすぎずに自由に走ります。

とにかく走ることを義務感に感じずに、好きで走ること。
そして、長く飽きずに走り続けるために適度な向上心を持ち続けること。

それが私にはあっているようです。

自分にとって機能する方法を見つける

海外の有名選手の動画をみていると彼らはよく「自分にとって機能するものを見つける」という言葉を使っています。

人それぞれ生活スタイル、年齢や運動経歴、走る目的などは様々です。

なので、オープンな心でいろんな情報に接し、自分で試して「これは自分にあっているな」と直感するものを選んでいく。

途中で飽きたり頭打ちを感じたら適宜変化を加えていく。

そうして自分なりのゲームの攻略法を見つけていくことが楽しいのだと思います。

私が皆さんに情報を提供しているのはゲームをより楽しくプレイするための選択肢を提供して、皆さんに「次は何をしようかな」ともっとワクワクして欲しいからです。

ぜひこれからも人生全体をよりハッピーにするようなランニングメソッドを創造的に考えていきましょう。

今日もお読みいただき、ありがとうございました!

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