小谷のブログ

24時間走の日本代表に内定|私が世界選手権を選んだ理由

2025年7月19日

こんにちは。
ランニングショップHolosの小谷です。

今回はちょっといつもと雰囲気が違うかもしれませんが、私の個人的なランニングのお話をシェアしたいと思います。

世界選手権への出場を辞退しようと思っていましたが...

先日ランナー友達4名と飲み会をしてきました。
その飲み会は私を含め、5名中3名が今年の10月に開催される24時間走世界選手権の日本代表選手として内定しているメンバーでした。

私は久々に濃い話ができそうだと楽しみにしていたのですが、1つだけ気がかりなことがありました。

それは、私が世界選手権の内定を辞退して、去年自己ベストを更新できた台湾の24時間走に出走しようと思っていたことです。

世界選手権の開催はフランスで、私は食事のアレルギーが多く(小麦、卵、乳製品、ナッツ)、移動の大変さや時差なども考えると、台湾の方が記録を狙いやすいと考えていたからです。

ちょうど内定者一覧が公表された直後のタイミングだったので、「小谷さん、内定おめでとう~!」という流れで「いや、実は辞退しようと思っているんです」と切り出すのに心理的な抵抗を感じていたからです。

そして、飲み会が始まると当然その話題となり、私がアレルギーなどの理由で辞退しようとしていることを伝えました。

すると、「そういう理由じゃ仕方ないですね~」という流れになるかと思いきや、「絶対に小谷さんには出て欲しい」というリアクションが帰ってきました。

  • 個人として記録を狙いたい気持ちも分かるけど、24時間走ランナーとして走って欲しい
  • 男子は世界戦の経験者が小谷さんだけだから、日本チームとしてまとめてほしい
  • 24時間走という競技を継承していくためにも小谷さんに出て欲しい

など、熱烈な勧誘を受けたのでした。
そして、自分の感情が大きく傾き始めたことに気が付きました。

人を感動させるスポーツ選手ってカッコいい!

このとき、私の頭の中に大学生のときのジョギングサークルでの日々が蘇ってきました。

1つ下の後輩が「小谷さんは、なんでそんなにストイックに走れるんですか?」と聞いてきました。

それに対して(当時、北京オリンピックが開催されていて)「オリンピックをみていて、歓声を生んだり、人を感動させる選手がカッコいいと思ったから、自分もそうなりたいと思ってね」と回答したのを思い出しました。

学生時代の私は自分の記録を目指すことを楽しみながらも「人のためになる走りができること」に喜びを感じていました。(人のためになるといっても、それは、サークル友達のちょっとした明るいネタになる程度の些細なものでしたが)

それから時が経ち、環境も変わり、「人のために走る」ということからすっかり遠ざかってしまっていた私ですが、今回の飲み会で「自分を超越した、より大きな目的のために走りたい」という想いが蘇ってくるのを感じました。

いつもは「人の期待に応えることばかりを意識した生き方はしない」と考えている私ですが、今回は「この友人たちの期待には応えたい」という心の声がしました。

胸に閉じた夢はまだ失っていない

私は日本代表の内定を過去に3回得ていますが、出走したのは1回だけです。
それが2013年のオランダでの大会で、その時のことはこちらのブログで書かれています。

『ステーンベルゲンのレースレポート by Oがわさん』
*私のサークルの1つ上の先輩、小川さんによる記事です

ブログの最後はこう締めくくられています。

「いつか日本を世界一に導く」小谷の次のターゲット。
その現場に自分もいたい。そしてまたその一部分を共有できたら。
そんなことを最近思う。

個人よりも団体戦としての結束に重きを置いていた当時の日本チーム。
「いつか日本を世界一に導く」はまぎれもなく、当時24歳の私の言葉です。

あれから、12年間、この言葉は私の中にずっとありましたが、現実味は徐々に薄れていきました(※)。

就職して、起業の困難があり、コロナ禍での不況があり、子供が生まれて、それに伴う夫婦間のトラブルなどで何度も「自分の競技の限界はこれくらいか」と諦めることがありました。

しかし、挫折するたびに「次こそは」と思い直し続けては鍛えなおして去年は12年ぶりに自己ベストを更新するところまで来ました。

毎日2人の小さな子供の育児に追われていますが、また大きな目標に挑戦したい。挑戦して良いのかな? 自分にできるのかな? そんな葛藤が生まれてきました。

※2017年、石川、高橋、楢木の3選手の活躍により、日本男子は団体戦金メダルを獲得しましたが、そこに私の貢献はなく、また以後は男子団体戦のメダルはありません

挑戦はリレーする

幸いにも私の元には日々、夢を追い挑戦することの素晴らしさを教えてくれるお客様からのメールが寄せられてきます。

直近の話題でいえば、サロマ湖100kmマラソンでは以下のような方々とのやりとりがありました。

  • 出産を乗り越え、現在はフルタイムで仕事をしながら育児をして、完走を果たした女性
  • 両膝の半月板手術で5年ほどもブランク。リハビリから地道な練習を重ねて20年ぶりにサブ10を達成した女性
  • 10年以上かけて、憧れのサロマンブルーのゼッケンをつけて完走した男性

ランニングショップHolosは

「目標を目指して頑張る市民ランナーの方々の目標達成をサポートすることで、自分の可能性に期待するワクワク感、好きなことに熱中して挑戦する楽しさ、成長する喜びを広めていきたい」

という想いから始まりました。

であれば、私自身がそれを実践して手本となりたいと常に思っています。

自分の想いを整理すれば、答えは明白でした。

今回は世界選手権を走ることに決意しました。

この選択に導いてくれた友人や、これまでの色々なめぐり合わせには感謝しなくてはいけませんね。

次回からは、あなたの挑戦に役立つ情報を!

さて、今回は私のこれからの目標についてのお話が中心となってしまいましたが、何かプラスのエネルギーを感じていただけましたでしょうか。

今後のブログでは「大会に向けた練習メニューの作り方」「補給計画」など、私の現在進行形での挑戦を事例としながらも、24時間走やウルトラに限らずに役立つ知識として一般化しながら皆さんにシェアしていきたいと思っています。

皆さんの目標達成に役立つ知識を提供しながら、同時に今回の世界選手権の挑戦を一緒に楽しんでいただけるような配信にしていけたら良いなと思っています。

次回はどの種目の方にも役立つ「大会まで中長期の練習メニューの作り方」というテーマを扱ってみようと考えています。

今日もお読みいただき、ありがとうございました!
次回もお楽しみに♪

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