ウルトラマラソンの魅力【井上選手対談その1】

24時間走世界選手権優勝、台湾1周1100kmレース優勝という成績を持つ井上真悟選手。今回は井上氏にウルトラマラソンの魅力、練習方法、大会攻略方法などについて伺いました。第1部のメインテーマはウルトラマラソンの魅力についてです(全4部)。
(青字:小谷 黒字:井上氏)
ウルトラマラソンの魅力【井上選手対談その1】
ウルトラマラソンの練習方法【井上選手対談その2】
ウルトラマラソン大会攻略方法【井上選手対談その3】
疲労回復・裸足ラン・トレーニング本【井上選手対談その4】

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まず最初に井上さんの運動経歴について教えていただいてよろしいでしょうか?
中学生の時に友人に誘われたのがきっかけで陸上競技部に入りました。中学高校と陸上部に所属して、そこで走る事の楽しさを知っていきました。当時は800mをメインにやっていましたね。しかし、高校生の時にしっかりとした知識無く無理なトレーニングをしてしまった結果、高校3年生の時には体を痛めてしまい、4年間くらい走る事からは遠ざかっていました。22歳のときにちょっとしたきっかけがあり、またランニングを再開しました。

22歳のランニングの再開から、どのようにウルトラの世界に入っていったんですか?
23歳の時に最初のウルトラマラソンに参加しました。鳥取で行われた、にちなんおろちウルトラマラソンという大会です。制限時間14時間半の大会を14時間28分くらいかけて完走しました。走った後は「二度とこんな苦しい事はするまい」と思いましたね笑

まぁそれでも懲りずに走ってしまうのがウルトラマラソンなんですよね笑。その後はどのように24時間、1000kmというように成長していったのですか?
実はその初めて走った100kmマラソンの3ヶ月後に愛知県の豊田市で24時間テレビの裏企画として24時間走があることを知りエントリーしました。この時の結果がなかなか良くて、183km走って3位に入賞しました。これが人生初の表彰台でした。単純な性格なので、この超ウルトラの世界なら自分でも勝負できるんじゃないかと思ったわけです。その後25歳で小さい頃にテレビで見た間寛平さんの影響もあってスパルタスロンに挑戦(これは失敗レースでしたが)、翌年にはサハラ砂漠マラソン完走、スパルタスロンのリベンジも果たしました。次いで日本縦断川の道フットレース522kmを完走、その3ヶ月後に北海道縦断往復1088km、東京~鹿児島1500km(個人的な挑戦)を完走しました。20代の最後に24時間走の世界選手権で優勝、30歳を超えてから100km世界選手権日本代表、台湾1周1100kmマラソン優勝という流れです。

そうやってウルトラマラソンに没頭していった井上さんなんですが、どこにその魅力があったのでしょうか?
これはウルトラに限らずフルマラソンとかでもそうだとは思うんですけど、レースが終わってから感じる自分が頑張ったことへの感動ですとか、自信を積み上げられることは魅力ですね。それが100kmともなると、自分が子供の頃に想像していたレベルを超えているんですよね。そういうレベルに自分が行けてしまっているという興奮であったり、知的な好奇心であったり。マラソンって景色を楽しむというような外の世界に向いた楽しさもあるんですけど、自分自身と向き合う内面的な深みもありますよね。限界だと思っていたものがそうではなくなってその先が見れるというのは年齢とかに関係なく楽しめるんじゃないかと思います。

今内面という言葉が出てきましたが、井上さんは走っている時に何か考えてますか? 私たちのような人種はよく聞かれることだと思うんですけど笑
意外と何も考えてないことが多いですね笑。ただ、私の場合はアスリートとして結果を求めているのでレース戦略的なことを考えていたりしますね。ライバル選手の心境とかどこで仕掛けるべきなのかとか。

これから初めてウルトラマラソンに挑戦しようという方に伝えたいことはありますか?
この記事を読んでいる多くの人が自分にはウルトラは難しい、自分とは違う世界の人の話だなって思いながら読んでしまうのではないかと思います。だけど、意外とそんなに遠い話ではないということを知ってもらいたいです。サハラ砂漠マラソンや南極マラソンに「もし自分が出れたら」と想像を働かせると良いと思います。当然多少のリスクはありますので、強引に勧誘するとかいうことはしないのですが、現実的にあなたでも完走できますよというようなことを多くの人に伝えています。実際にサハラ砂漠マラソンは完走の制限時間はきつくないので、フルマラソンを5時間以内で完走できる方ならしっかり準備をすれば完走も狙えるレースなんですね。

完走が簡単とはいいませんが、思っているより多くの人がレースに挑戦する資格は持っているということなんですかね。
そうですね。やはり砂漠マラソンとなるとお金やお仕事といった別の問題は出てきますが、体力的な面ではフルマラソンを完走できる人なら挑戦しても良いのではないかと思います。

私は学生時代は後輩をウルトラマラソンの世界に勧誘するウルトラハラスメント的なことをしていたのですが笑
全然いいと思います笑。20代の人も十分に可能性はあると思います。僕が20代の頃はそんなに若くては通用しないと言われていたのですが、実際にやってみれば結果も出ます。確かに経験的なところは少ないので積み重ねて行かないといけない部分もありますが。20代の人にはどんどんハラスメントしてこの魅力を広めていけたらと思っています笑

第2部『ウルトラマラソンの練習方法』へ続く

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