台北24時間走の学び|糖質補給はどこまで減らせるのか?

台北24時間走の学び|糖質補給はどこまで減らせるのか?

2/10-11と台北で24時間走に出場してきました。
結果は11時間くらい130km手前でストップしてしまいました。

結果はダメダメでしたが、とても貴重な学びがあったので、その情報共有をしたいと思います。

今回の大会で実験したかったことの1つに「糖質の補給をどこまで減らすことができるのか?」という疑問がありました。
というのも、糖質補給を減らすことでパフォーマンスが向上する可能性があるからです。

  • 胃腸障害の減少
  • 消化吸収にかかるエネルギーを走ることに集中できる
  • 糖質を補給しないと活性酸素が減り疲れにくい可能性がある(仮説レベル)

そこで今回は極力食べる量を減らすというチャレンジをしてみました。
具体的には24時間で糖質の摂取を320g以下に制限しようと計画しました。
(それで最長260kmまでもたせるつもりでした)

糖質320gというとどれくらいでしょうか?
例えばポカリスエットは100mlあたり6.2gの糖質が入っています。
1時間毎に500mlずつ飲むだけで24時間で744gとオーバーします。

320gを達成するには
『ポカリを43%に薄めて1時間に500ml飲み、それ以外は糖質補給無し』
ということになります。

食べ物で言うと、コンビニのおにぎりサイズのご飯が糖質37gですから
『おにぎり8.6個』でも320gになります。
こうやって計算するとドリンクの糖質補給としての役割の大きさに気づきますね。

ウルトラマラソンを走ったことのある方なら320gがとても少ないことが実感できると思います。

なぜ320gを基準としたのか?
それは次のような計算をしたからです。

大会中に消費するエネルギーは
運動に必要なエネルギー=体重×移動距離=54×260=14040kcal
生命維持に必要な基礎代謝=1500kcal
あわせて15540kcalと推定しました。

この15540kcalは糖質と脂肪でまかないますが、糖質由来の比率を15%(*)に設定しました。
*『Metabolic characteristics of keto-adapted ultra-endurance runners」』を参考に推定

つまり、15540×15%=2331kcalが糖質由来です。
糖質は1gあたり4kcalなので2331kcalは583gに相当します。

体内にはもともと肝臓と下半身の筋肉で330g程度の糖質があります。
この330gのうち80%の264gくらいは利用できると考えると、
大会中に補給でまかなう量は583ー264=319gとなります。

こうして24時間で320gの糖質補給で260kmまで走れる可能性があると仮説を立てました。
そして、実際に試したところ大撃沈しました笑

今回はカーボローディングはしていません。
大会前日も当日の朝食も全て糖質制限を維持してスタートラインに立ちました。
朝食からスタートまでは6時間あけてみました。

朝食はこんな感じで少量

スタート~40kmまでは水分と電解質のみ補給します。
この電解質補給はいつも通り経口補水パウダーダブルエイドを使用しました。
糖質の摂取量はこれに含まれる5~7.5g/hrくらいです。

40km以降は1時間(12km)ごとに平均15gの糖質摂取を目安に走りました。
ジェル1本でも糖質が25gくらいは入っているので1/2だけ飲んだりしました。
他にはオーガニック系のエナジーバーも少量をゆっくり時間をかけて食べます。

ペースは4:50~5:00/kmが無理なく出せて快調です。
100kmの通過が8:15と過去最速で胃腸障害も無かったので「これは260km行けるのでは?」と一瞬だけ夢を見ます。

105kmくらいから急に股関節と太ももにグリコーゲン枯渇的な疲労感が訪れてペースが落ち始めます。
100km時点では5:10/kmだったペースが120kmくらいでは一気に5:50/kmくらいまで落ちました。
本当に30分走ったら別人の脚になってしまうように、疲労って急に来るんですよね笑

他にも低血糖が疑われる症状が次々に襲ってきます。

1つめが眠気です。
私は眠気に強い方で24時間走でもそんなに眠さで悩んだことはありません。
しっかりカフェイン絶ちをしてカフェインの覚醒作用への反応性も高めておきました。
それにも関わらず今回はかなり早い段階から眠くて仕方がありません。
久しぶりに眠気との戦いになりましたが、本当にきつい。

2つめが「目がやられる」ことです。
私の友人にも過去におそらく低血糖で「視界が真っ白」「目がチカチカする」と言っていた人が2名います。

糖尿病情報センターの低血糖の記事によると低血糖状態で眠気や視界に関する異常が生じることが書かれています。
低血糖の原因として

  • 食事の量や炭水化物の不足
  • 運動の量や時間が多い時の運動中、運動後
  • 空腹での運動

など。

心当たりがありすぎる。

今回の私は目がチカチカする&光が消えない(街灯の明かりを見るとそれが焼き付く)という視界不良でストップしました。
1時間ほど休んで症状はよくなったのですが、そのときには体も冷え切って戦意喪失しており再び走ることはできませんでした。
そこまでサポートしてくれた仲間には申し訳なかったのですが。
ゴールへの強い執着がないと完走できないのが24時間走ですね。

今日の分の話をまとめます。

『24時間で320gの糖質補給で260kmまで走れる可能性がある』と仮説を立てましたが、今の私には無理でした。
仮説の計算で使った「糖質の利用率が15%」というのが妥当でなかった可能性があります。
糖質摂取量を計算すると130kmまでで150gくらいでした。
ここから逆算すると糖質の利用率は21%くらいだったと思われます。

糖質制限をはじめてまだ4ヶ月なので脂肪の利用能力が十分に開発しきれていないのかもしれません。
(参照した論文の被験者は平均20ヶ月の糖質制限をしていた)
それでも、普通の食事なら糖質の利用率は50%くらいになると思うので4ヶ月の糖質制限で顕著に効果がでています。

「糖質補給を減らした方がパフォーマンスが上がるか?」については答えは出せていません。
ただ、今回の大会で得られた直感としては試す価値が十分にある戦略だと思います。
なので、今後も脂肪燃焼の効率を更に高めるためのトレーニングと食事を継続していきます。
大会中の補給ももう少し糖質量を増やしてみたらどうなるか実験を重ねていこうと思います。

まだまだ発見はあったのですが、長くなりますので今日はこの辺で。
次回に続く~

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