昨日、私が住んでいる地域の小学校で講演をする機会をいただきました。
対象は4~6年生とその親御さん。
コロナの影響もあり、私は体育館で6年生と親御さんと対面して、4,5年生はライブ映像を教室で見るという形式で行いました。
顔の見えない4,5年生にどのように伝えるのかという点に難しさと緊張を感じながらも、いざ話し始めたら約50分があっという間に感じられるほど楽しい時間となりました。
今回の講演で子供たちに伝えた内容は大きく3つ。
- スポーツ(競争)としてではなく、フィットネス(健康、自分の夢をかなえるため)としてのランニングをしよう
- ランニングのトレーニングのポイント
- 運動の習慣化のコツ(勉強とかでも使えるよ)
「スポーツとしてではなくフィットネスとして走ろう」という項目ではこんな問いかけから始めました。
なぜ大人には「走るのなんて嫌!」という人が多いのでしょうか?
私が「マラソンをしています」というと、多数派の大人は「すごいですね~。私なんて全然走るのは無理です。」というようなリアクションをされます。
大人たちは子供たちを体育の授業で走らせているというのに、なぜ自分たちはそんなに走るのが嫌なのでしょうか?
走り嫌いになった背景を探っていくと、たいていは学生時代に
- 体育の授業で順位を競うことしか習わなかった
- 部活動などで先輩の"しごき"として間違った方法で走らされていた
(自由に水分補給もできないとか)
などの走る=辛いという記憶ばかりが残っているからではないかと思います。
だから、大人になったら走るということをやめてしまう。
でも、
「それではもったいないですよ」
ということを声を大にして伝えました。
なぜ走ることを嫌いになるのがもったいないのか?
それはランニングは自分の夢をかなえるために役立つ便利なツールだからです。
ランニングは自分を理想の自分に変えていくための手段になる。
このことを私は去年の冬にも小学校に文章を寄稿する機会をいただいて伝えました。
寄稿文より抜粋
今回みなさんにお話したいのは
「実はランニングって夢をかなえるのにとっても役に立つものなんですよ!」
ということです。みなさんには夢や目標みたいなものはありますか?
「将来は○○になりたい」みたいな大きな話でも良いし、「テストで苦手な教科の点数がとれるようになりたい」とか「友達にゲームで勝ちたい」とか「人と話すのが上手になりたい」みたいな身近な話でも良いです。
きっと1つくらいは何か頭に思い浮かぶのではないでしょうか。
実はみなさんがその夢や目標をかなえたいと思ったときに、上手くいかせるためのコツがあるんです。
それは、脳を鍛えること。
なぜか?
それは、人がすることのあらゆることで脳が重要な役割をしているからです。
例えば、「スポーツで体を動かすこと」も「何かを勉強して新しいことを身につけること」も「人と仲良く会話をすること」も、全て脳が関係しています。スポーツ選手、芸術家、研究者など、その分野で活躍している人は、その活動に関係した脳の部分が発達しているそうです。
裏をかえすと、勉強や練習などで脳を鍛えて成長させていくことで、優れた人物になれるということですね。
さて、ここ数年の研究でとても面白いことがわかってきました。
それは「ランニングをすることで脳が成長する(さらに、成長しやすくもなる)」ということです。
そして、脳が成長すると学校の成績がよくなったり、人と良い関係を築けるようになったりします。成績との関係でいうと、例えばこんな話があります。
アメリカのネーパーヴィルという地域では、「0(ゼロ)時間目」としてランニングを取り入れました。
すると、生徒の成績がグングンと伸びて、TIMSSという世界の学力テストで世界1位になったそうです。
(詳しく知りたい人は「ネーパーヴィルの奇跡」を調べてみよう)勉強だけでなく、運動もすると脳が成長して成績も伸びやすくなるということですね。
(もちろん、運動だけをしていれば成績が伸びるということではありませんよ。
運動と勉強の両方をすることが大切です。)
みなさんはこれからの人生で多くの人と出会ったり、多くのことを見たり聞いたりするでしょう。
そして「こんな風になれたら良いなぁ・・・」というなりたい自分がドンドン出てくるでしょう。その度に私たちは、その憧れの自分に近づくために本を読んだり人に教わったりして、自分で自分を変えていきます。
そのときにみなさんを後押ししてくれるのがランニングです。ランニングのやり方をマスターして、大人になってからでも「自分はなりたいように変われる」と信じられるようになったら、それはきっと素敵な人生にすることができるでしょう。
今日この話を聞いたみなさんにはぜひこのことを覚えていってほしいと思います。
昨日の講演ではこの部分を再読して復習し
「要するに、みなさんいつまでも夢や希望をもって楽しく生きましょうということです。
そのためには、いくつになっても自分は変わっていけるという自信。
自分への期待が持てることが大事なんです。
残念ながら大人になるにつれて「自分なんて・・・」といって簡単に理想を諦めてしまうようになる人もいます。
そもそも理想を持つこと自体が減ってしまう人もいます。
「自分はこういうものなんだ」と自分へのイメージを固定してしまう。
それはそれで悪いとは言いませんが、私個人としては、いくつになっても将来に、自分に期待しながら生きていく人生を歩みたいと思っています。
そして、そう思い続けるためには「努力すれば自分は変えられる」と信じていないといけません。
そのためにランニングはとても役に立つ方法なのです。」
というようなことを伝えたと記憶しています。
その一番伝えたかったメッセージを伝えた後は具体的なノウハウの話をしました。
トレーニングは意外とゆっくり走ることも大切とか、少しずつレベルを上げましょうとか、暑い時期の注意事項とか。
「サボらないでトレーニングを継続していくコツは勉強にも応用できますよ」と伝えると、後方にいた親御さんたちが前のめりになるのがよく見えました笑
継続のコツは主に「自分の意志の力も大事だけど、それだけではなく環境を整えて自然ととりたい行動ができるように自分をお膳立てするのが大事なんですよ」という話でした。
ランニングに限らず、生活の色々なところで活用してくれると嬉しいですね。
講演が無事に終了してからは肩の荷がふっとおりたような気持ちになりました。
将来ある子供たちにメッセージを伝えらえるというのはやりがいがありますね。
今後はこういう仕事も獲得できるよう頑張ってみようかな。
頑張ればきっとそうできるはずと子供たちに言ったばかりですし。
追記
後日生徒さんからの感想を教えてもらえました。
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【続】小学校での講演|生徒さんたちから感想の言葉をいただけました
先日のブログでも書きましたが、地域の小学校でランニングに関して講演する機会をいただけました。 (講演の内容は下記の記事に) 今回の講演で私が伝えたいと思っていた一番のメッセージは 私たちはいつでも自分 ...
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