ノウハウ

10kmやハーフでも脂肪活用能力は役に立つ

2020年12月8日

『運動と疲労の科学』(下光輝一,八田秀雄 編)に興味深い一説がります。

「筋グリコーゲンが減ることは、エネルギー源が減る以上の大きな意味がある」と。どういうことか?

筋グリコーゲンとは筋肉に蓄えられた糖質系のエネルギーです。
貯蔵力が少ないため、マラソンのような長い距離を走ると枯渇してしまい、それが失速の原因の1つとして考えられています。

ということは、100m走のような必要なエネルギー量が少ない場合は筋グリコーゲンは疲労に影響しないのか?
著者らはそうではないと語ります。

理由は筋グリコーゲンが筋肉を動かすエネルギー源として働くだけでなく

  • 筋収縮に必須のカルシウムの働きをサポート
  • 筋収縮に必要なイオンバランスの維持(筋肉内にカリウムが多く存在するようにするなど)

などを担っているから。

また、グリコーゲンは物理的に筋肉内に一様に存在しているわけではありません。
よって、全体としての量は枯渇していなくても、部分的に不足することも考えられます

そのため、ダッシュのようなエネルギー消費の少ない運動でも、筋グリコーゲンが減少することで、ダッシュが上手くできなくなっていきます。

よって
「フルマラソンやウルトラマラソンはもちろんだが、それより短い距離でも筋グリコーゲンを温存できる能力はそれなりに重要」
ということになります。

もちろん、距離が長くなるほど筋グリコーゲンの温存力の重要性は増していきます。
(競技レベルや練習などに使える時間などを考慮してグリコーゲン温存の能力を高めるか否かを判断していくと良いでしょう)

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