小谷のブログ

最大心拍数が復活した話

2026年7月4日

こんにちは。
ランニングショップHolosの小谷です。

「最大心拍数が昔より低下してきた」
「最大心拍数の近くで耐えるのが以前より難しく感じる」
「10kmやハーフのスピードが出せない」
と悩んだことはありませんか?

私はウルトラマラソンの練習期間が長くなるにつれ、上記のような気持ちになることが増えてきました。

20代のころは、インターバルの最後の方などは心拍数190台くらいまで上げることもできたのですが、最近では175bpmくらいで「かなりキツい」と感じることもあります。

年齢とともに最大心拍数が低下し、スピードも出しにくくなる傾向にあることはある程度は仕方がないと思います。

よくある目安が
最大心拍数=220ー年齢
という式です。

例えば37歳の私なら、220-37=183bpmが最高心拍数の目安となります。
(実際にはかなり心拍数には個人差によるばらつきがありますので、この目安より低くても気にする必要はないと思います)

私個人の経験としては、この予測式の目安と結構近い感覚があり、特に20代前半くらいまではそうでした。

しかし、トレーニング期間のうち、ウルトラマラソンがメインの期間が増えるようになってくると、この予測式まで心拍数を上げるのが困難という感覚になってきて、高心拍数で走ることやスピードを出すことそのものへの苦手意識が強くなっていきました。

インターバルなどのスピード練習をすることで「高い心拍数で耐える能力」は向上できる感覚はありましたが、「そもそもの限界値が低くなっている(加齢による影響以上に落ちている)」とも直感的に感じていました。

一方で不思議に感じていたことなのですが、しばらく練習不足が続いてブランク明け気味のときは意外と心拍数を高いところまで上げることができるのでした。

当然、きちんと練習できているときよりペースは遅いですし、高い心拍数を長時間キープすることもできません。

それでも、「あれっ?! 心拍数176bpmってこんなに簡単に出せたかなぁ?」と感じるようなことが、ブランク明けには多いのです。

この現象はこのように解釈できます。

心拍数は「筋肉からの酸素需要」と「心臓のポンプ作用(厳密には血管系も含む心肺機能)」の関係によって決まる。

例えば、筋肉が運動して100の酸素を要求したとします。
このとき、心拍が100bpmで鼓動し、この酸素要求に応えたとしましょう。

では、筋肉の運動がよりハード(1.5倍強度)になったらどうなるでしょう。
筋肉は150の酸素を要求して、心拍は150bpm鼓動します。

次にもしこの人の心肺機能が向上した(仮に2倍になった)としたら、どうなるでしょう。
筋肉が200の酸素を要求するハードな運動でも、心拍数は100bpmに抑えられます。

このモデルで私に起きていたことを考えるとこうなります。

  • ブランク明けに心拍数を上げやすい:
    筋肉の酸素要求(ペース)よりも心肺機能の低下の方が大きいので、心拍数が上がりやすい
  • ウルトラの練習を十分できているけど心拍数が上げられない:
    豊富な練習量で心肺機能は高く、一方で筋肉が要求できる酸素が少ないため、心拍数を上げるのが困難に感じる

ここで、多くの方にとって重要なのは後者の解釈ではないかと思います。

「最大心拍数が上げられないのは、心臓が弱いからではなく、筋肉が多くの酸素を要求できない(パワー不足)のが原因かもしれない」

実際、私たちが「心肺機能が限界」と思っているときも、心肺の方は「体からの酸素要求を待っている」だけで、もっと働くことができるのではないでしょうか。

その証拠に、自転車<ランニング<クロスカントリースキーという順で心拍数を上げやすくなります。
これは自転車は主に下半身がメインですが、クロスカントリーになるとより全身の筋肉が動員されるからです。

【やや厳密な注|実践的には読み飛ばしても構いません】
近年の研究では、持久トレーニングによって心臓のペースメーカー細胞自体の性質が変化し、最大心拍数そのものが数%程度下がることが示唆されています。そしてこの 変化は、トレーニングを緩めると元に戻る(=最大心拍数が再び上がる)可能性があるとされています。

つまり「心臓が弱っている」のではなく、心臓の方が省エネ化しているようなイメージです。それでも、 実際に高い出力を発揮できる筋力・パワーがなければ、その天井まで到達する前に動きが限界を迎えて しまう、という側面も体感としてはあると思っています。

もしそうなら、「最大心拍数が低下してきた」と悩んでいる方の対策としては「筋肉がより大きなパワーを発揮できるようになるトレーニングをする」と言えるのではないでしょうか。

例えば

  • ダッシュ(上り坂は更にパワーを鍛えやすい)
  • ショートインターバル、ロングインターバルなど、速いペースで走ること

などがあります。

あと、私が現在進行形でかなり実感しているのがケトルベルを用いたトレーニングです。

先月のメルマガでもご紹介しましたが、私は2か月ほどケトルベルを用いたパワー系のトレーニングを継続しています。

その結果として、以下のような感覚があります。

  • ファルトレク(疾走時間が40~60秒くらい)の疾走速度が3:00~3:15/kmまで出せるようになり、これはかなり調子が良いと感じます。
    (推測ですが、この期間をケトルベル無しだったら1kmあたり10~15秒くらい遅かったかもしれません)
  • 30分のスピード練習の最後の方で183bpmまで上がっても体がついてきた。
    5月に練習量が少なかったため、まだ心拍数が上がりやすい状態ではありますが、それを考慮しても「しっかり心肺機能を追い込むための筋肉側の準備ができている」という感覚がありました。
  • 走りのスティフネス(剛性)が上がり、硬くて効率性の高い走り方ができるようになってきている。
    接地してからの力の立ち上がりが速く、短い接地時間で爆発的パワーを地面に伝える能力が向上している。
先日の30分走の心拍数。高い心拍に耐えられる、楽しい!

また、上記のような変化は坂ダッシュやインターバルの継続でも同じように得られるとは思いますが、ケトルベルトレーニングはそれを「短いトレーニング期間で達成できている」とも感じます。
まさにパワーのためのトレーニングです。

ただし、高い心拍数で長時間走り続ける能力はケトルベルよりもインターバルの方が向いていると思います。

あくまでランニングをゴールとするなら、ケトルベルは筋パワーをつけるための補助的なトレーニングとして実施し、ランニングの時間を十分に確保することは意識する必要があると思います。

話をまとめると
「最大心拍数が昔より低下してきた」
「最大心拍数の近くで耐えるのが以前より難しく感じる」
「10kmやハーフのスピードが出せない」
とお悩みの方は、その原因は心肺機能の方ではなく「筋肉が酸素を要求するパワーがない」のかもしれません。

そして、解決のためにはスピードの速いランニングの練習。
更には、ケトルベルスイングも私の経験としてはかなりおすすめです。

私が具体的にやっていることは、こちらのブログでも書いています。

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興味のある人はぜひ試してみてください。

今日もお読みいただき、ありがとうございました!

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