ウルトラマラソン

フルマラソンでリタイアしたFさんが70kmを完走するまで

2026年6月27日

こんにちは。
ランニングショップHolosの小谷です。

先日、メールボックスを開くと『ご報告』という件名のメールが届いていました。

先日、ご丁寧に返信をいただきましたFと申します。

先週、岩手銀河マラソンの70キロを制限時間ギリギリですが完走致しましたのでご報告致します。

メールの送り主のFさんとは、1か月ほど前に少しだけ個別でのやり取りがありました。

フルマラソンに挑戦したところ、途中で吐き気で何も受け付けなくなってしまい、脱水のためにリタイアしてしまったとのことで、原因の分析や対策について簡単にですがアドバイスを送っていたのでした。

ご返信、著書、そしてメルマガの59歳男性ランナーさんの睡魔のお話… 全てが私にとって貴重なお話でした。

先月、フルマラソンすら完走できなくなった自分が情けなくて…でも、考え方を変える大きなきっかけをいただきました。

これまでは、胃腸障害のため思うようには走れないんだ…と、思い込んでおりました。

しかし、低ナトリウム血症で吐き気がおこる、吐き気で水分も摂取できず脱水になる。
さらに、なにも受け付けないので低血糖となり眠気が襲ってくる。
まさしく、これがここ数年の私でした。

ならば、この1つ1つを解決していけば、まだ完走できるのかもしれないと考え直したのです。

先月、フルマラソンをリタイアしたあと、実は悔しくて同じ週に35キロ走を2回敢行しました。
もちろんペースはゆっくりですが、スポドリではなく経口補水液と塩分補給のタブレットを15分〜20分置きに摂取。

空腹が苦手なのでおにぎりやオレンジジュースも摂取。
少し胃が気になれば戦略的歩きもいれる。

すると2回ともトラブルなく最後まで走り終え、故障もありませんでした。

そこで私なりに仮説を立てました。胃腸障害だから走れないのではなく、胃腸障害を起こさないように補給をすれば完走できるかもしれないと。

当日、いつもめいいっぱい詰め込んでいた朝食はやめ、軽めに。著書の通り、Catalyst Athlete Enzymeやガスターも内服。
走り始めて30分くらいから補給開始。中間36キロまでは予定のラップを刻む事ができました。

しかし、最高気温29度と強い日差しに40キロあたりからペースダウン。
ついに47キロのエイドで少し横になって胃に血流を戻そう!!なんて考え小休止。

気がつくと周囲が少しひんやり…後から確認するとガーミンでは37分も寝てしまったようです。

いつもならそこでアウトですが、著書の通り気温が下がった、日差しが弱くなった、行けるところまで行こうと思えました。

途中、気持ち悪くなってきてもマウスリンスでコーラを口にしてみよう…などととにかく関門に引っかかるまで走ってみよう…と開き直りました。

何度も何度も歩きましたし、私より年配のランナーさんにも置いていかれました(笑)
それでも、なんとか完走して成功体験を自分のものにしたかったんです。

後半、やはり頭が回転せず時間を計算ミス。
本当にギリギリですがゴールさせていただきました。

(中略)

介護しながら、マラソンは私らしくいられる大切なフィールドです。
またいつか100キロにも挑戦したいという野望もあります。

著書を大切な参考書として、また頑張ります。

長々と書いてしまい申し訳ありません。お忙しいなか、最後まで読んでくださりありがとうございました。
この著書との出会いに感謝です。

Fさんは学生時代はバレーボールに熱中し、仕事のストレス発散にランニングを始めたそうです。

「練習すれば必ず成果として表れるマラソンにどんどんのめり込みました。チームにも属さず、ある意味独学でハーフ、フル、ウルトラへと挑戦。ランの常識すら知らず、ただがむしゃらに走ってきたような気もします。」と述懐しています。

そんなFさんがフルマラソンでのリタイアという挫折をきっかけに「書籍で学ぶ」と決意して70km完走という成功体験を勝ち取る。

こういうドラマチックなことが人生では起こるものなのですね。

私の人生を振り返っても、挫折の後に「何とか向上したい」と諦めないことで新しい情報を受け取る準備が自分にできるというか、思いがけないチャンスを発見することが何度もありました。

今、同じように落ち込み気味という方は、心境的には辛いかもしれませんが、「そんな時だからこそ掴みとれるチャンス」が待っているかもしれません。

さて、Fさんのメールを読み返しながら、私は『ウルトラマラソン栄養完全ガイド』のあるページを思い出していました。

吐き気への対処法を解説したFAQのコーナーに、こんな記述があります。


Q. 吐き気が出たらどうする?

吐き気はウルトラマラソンで最もつらい症状の一つです。
しかし、適切に対処すれば改善することも多いのです。

まず知っておいていただきたいのは、上位ランナーでも吐き気に悩む時間帯はある、ということです。
吐き気が出たからといって、そのレースが失敗というわけではありません。

実際、私自身も過去のレースで60km地点で激しい吐き気に襲われたことがあります。

「もうダメかもしれない」と思いましたが、辛抱強く対処を続けた結果、110km地点では回復し、最後(250km)まで走り切ることができました。

状況は変わります。気温が下がる、日が暮れる、エイドステーションで誰かと出会って励まされる。
そういった変化が、体調の改善につながることもあります。

心にゆとりを持って、辛抱強く粘ることが大切です。


Fさんのメールにあった「いつもならそこでアウトですが、著書の通り気温が下がった、日差しが弱くなった、行けるところまで行こうと思えました」という一文。まさにこのページの内容を実践されたかのようです。

私自身も改めて、この粘り強く頑張ることの大切さを噛みしめたいと感じたFさんのエピソードでした。

今日もお読みいただき、ありがとうございました!

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