こんにちは。
ランニングショップHolosの小谷です。
前回の記事では
- 老化は(部分的には)コントロールできる現象であること
- オートファジーが若々しさ、健康長寿の重要な要素と考えられていること
を紹介しました。
前回の内容をまだご覧になっていない方はこちらのブログからご覧ください。
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「老化は一方通行じゃなかった」12年越しに気づいた話
こんにちは。ランニングショップHolosの小谷です。 「凄いっ! 白髪が本当に一本も無くなってるじゃん!」興奮したように妻が言いました。 これは今週の水曜日の出来事です。新しいテキスト『オートファジー ...
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オートファジーとは細胞内の老朽化した組織を分解する働きのこと。
これによって、機能が低下した細胞内の器官(ランナーにとって重要なミトコンドリアも含まれます)がリサイクルされ、最新鋭の器官に生まれ変わり、細胞レベルでパフォーマンスが向上することが明らかになってきています。
今回はこのオートファジーを存分に活かすための食事法について一緒に考えていきましょう。
オートファジーは細胞のエネルギーが低下した状態のとき=空腹状態に活性化します。
逆に食後などエネルギーが十分に満たされているときはオートファジーは抑制されます。
空腹時:体が分解モードになり、機能低下した組織が取り壊される
食後:体が合成モードになり、新しい組織が作られる
このように、空腹時と食後では反対の化学反応が体の中で生じます。
どちらも体の健康を保つためには大切な時間です。
ここで質問なのですが、現状のあなたの分解と合成のバランスは適切だと思いますか?
正直なところ、私自身もまだどこが最適なのかは探究の途中です。
年齢や練習状況によっても最適点は変化するでしょう。
私はこれまでも長時間の空腹ランニングをするなど、一般の方よりオートファジーを活性化する方向の活動をしてきましたが、今年の2月からは更にそれを強化する方法に取り組んでいます。
例えば、絶食時間の延長です。
以前は早朝ランニングをしてから朝食をとるのが平均的な1日でした。
しかし最近は空腹ランニングをお昼にして、14時くらいから初めて食事をとるという日もあります。
【以前の1日の例】
5:30 起床
6:00~7:30 空腹ランニング
8:00 朝食
・・・
18:00~19:00 夕食
22:00 就寝
※11時間の絶食からの空腹ランニング。最長の絶食時間=13時間
【最近の1日の例】
5:30 起床
12:00~13:30 空腹ランニング
14:00 遅いランチ(最初の食事)
・・・
19:00~20:00 夕食
22:00 就寝
※16時間の絶食からの空腹ランニング。最長の絶食時間=18時間
こんなタイムテーブルを見たら、「そんなに食べないで体は大丈夫なの?」と心配されてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
でも、私の体感としてはこの新しいリズムの方が調子が良いように感じています(ただし、いきなり絶食時間を伸ばしたのではなく、期間をかけて少しずつ体を適応させていくというプロセスは必要でした。急に変えようとするのは難しいと思います)。
早朝に空腹ランニングをして、練習後も食事をせずランチまで絶食を続けるというパターンの日もあります。
これには「運動後は補給するのが当たり前」という固定観念があったため、最初は心理的な抵抗感が少しありました。
しかし、実験感覚で試しているうちにこれでも大きな問題はないと気づきました。
よくよく考えてみれば、今年の3月は15時間絶食からの30km走を毎日のようにしても大丈夫でした。
それなら、早朝に15kmくらい走って、そのままお昼まで食べなくても問題がないように私には思えました(前者の方が負荷が高いので)。
(絶食時間や走行距離はあくまでこれまでの積み重ねがあってのことなので、この数値を急に目指さないようにしてください)
あと、やってみて気づいたのですが、早朝ランニング後に朝食を抜くと
- 朝の時間的な余裕が増える
- 午前の仕事がはかどる(頭が冴えた状態が続きやすい)
という嬉しいメリットがありました。
さて、先ほど「現状のあなたの分解と合成のバランスは適切だと思いますか?」と問いました。
これは私の個人的な見解ですが、長年の試行錯誤や上記の最新の取り組みを踏まえて考えると、多くの方が「合成が優位になりがち(分解のモードが不足気味)」な状態なのではないかと直感しています。
言い換えると、分解のメリットに目を向けることで、向上の余地があるのではないかと考えています。
「栄養補給を重視するあまり、頻繁に食べ過ぎていないか?」
ぜひ日常生活を思い浮かべて、考えてみてはいかがでしょうか。
食べない時間に体は修復される。
こういうと「筋肉が分解されないか?」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。
私個人の経験では、先述のような食生活を送っても、筋肉が落ちたとか、筋力が低下したという実感はありません。
今年の夏はスピード練習やケトルベルの筋トレをしっかりめに出来たこともあり、むしろ筋肉の状態は良いと感じています。
誤解を恐れずにいえば、筋肉が細くなっていくかは(極端な飢餓状態を除けば)トレーニングの影響が圧倒的です。
統計的な話では、例えばラマダン期間中のアスリートの研究がされています。
イスラム教の断食月であるラマダンのとき、信者の方は日の出から日没まで飲食を断ちます。
まさに筋肉分解が心配されそうですが、実は期間中のアスリートのパフォーマンス(最大酸素摂取量、筋力、スプリント能力など)は大きな低下は見られないとメタアナリシス(複数の研究を統合した信頼性の高い解析方法)で結論付けられています。
ただし、これには条件があることも分かっています。
- 質の良い睡眠がとれていること
- 日没後の食事で十分に栄養と水分を補給できていること
つまり、闇雲に食べない(分解)だけではダメということになります。
あくまで「分解と合成のバランス」が大切ということであり、食べないことを美化している訳ではないことはよくご理解いただきたいと思います。
さて、最後に今回の話をまとめましょう。
体にはオートファジーという細胞レベルで体を整える作用があり、それは空腹時に活性化されるということでした。
現代の食生活は、1日3食が基本で、夜遅くに食べ物をつまむことも簡単にできてしまいます。
すると、どうしても体は合成モードの時間帯が増えやすくなります。
だからこそ、意図的にオートファジーを活性化する食事・運動プログラムの設計が求められるのではないでしょうか。
簡単に実践できることとして
- 夜遅くの間食は控えるようにする
- 空腹ランニングを取り入れる
から始めてみてはいかがでしょうか。
話は変わりますが、余談としてもう一つ。
先日、老化つながりで少し嬉しいコメントをSNSでいただきました。
「小谷さんの肌がきれいで驚きました!日焼けしてないのも驚きです。日焼け止め、肌のお手入れ方法も気になります。」
とのこと。ひょっとしたら、前回のメルマガを読んだ後に気付いてコメントしてもらえたのかもしれません。
私からの返事
「日焼け止め、実は本来ならした方がいいと思うのですが、手間を惜しんで練習では使えていません。大会や40km~の長い練習では汗で落ちないスポーツ用のを使っています。肌の手入れは化粧品などは使っておらず、食事の影響が大かと思います。」
ご返信
「何も使って無いのが驚きです。肌がキレイと言いますか、いい意味で若々しいです。やはり食事、運動なんですね。」
というやり取りでした。
この5年間はオートファジー以外の面でも試行錯誤して食事の改善を試みてきました。
この一件と特に関係が強いのが抗酸化・抗炎症レベルの強化だと感じています。
若いころは実感が無かったのですが、年齢を重ねるほど体の抗酸化能力が低下するため、栄養でそれを補う必要性を知りました。
そのため、2022年にはそれまで販売していたCatalyst Conditioning(CC)というマルチビタミン・ミネラルのサプリをCatalyst Recovery(CR)にリニューアル。成分に水素を加えて、抗酸化・抗炎症を強化する運びになりました。
水素研究の第一人者である太田成男教授は『水素水とサビない身体』の中でこう語っています。
紫外線によって発生した活性酸素は皮膚の線維芽細胞を攻撃します。線維芽細胞はコラーゲンを作る細胞なので、これが弱体化すると皮膚の張りが弱くなりシワの原因にもなります。
丈夫なコラーゲンを作りにはビタミンCが必要です。ビタミンCは抗酸化作用もありますが、活性酸素が大量発生して、ビタミンCが抗酸化の仕事で消耗されると、コラーゲンを丈夫にするまで手が回らないことがあります。
コラーゲンはランナー的には故障しにくい強い体を作るためにも重要です。
そのためCCからCRへのリニューアルではビタミンCも強化しました。
CRは「肌の調子が良くなった」「傷の治りが早かった」という声も届いており、この栄養学的な背景を実証しているように思われます。
加齢の影響を抑えることは、中高年のランナーにとっては最高の伸びしろかもしれません。
体を大事に扱って、いつまでも健康に走ることを楽しみ続けましょう!
今日もお読みいただき、ありがとうございました!