トレーニング・練習

800mからフルマラソンまで「ゆっくり走る」が速さを作る

2026年7月11日

こんにちは。
ランニングショップHolosの小谷です。

7月も中旬に入り、少しずつ夏らしさを感じられる日も増えてきましたね。

私は昨日の朝練はファルトレクだったのですが、オーバーヒートして途中で潰れてしまわないように、レストを少し長めに調整しないとなと感じていました。

さて、今日は本題の前に少しだけお知らせです。


こちらのブログはちょうど1年前のこの時期に書いたものです。
秋からの大会でベストを出すために、目的別にトレーニングとCatalystサプリのおすすめの活用法を紹介した記事です。

夏のトレーニングを充実させるために何かアイテムをお探し中という方はぜひご覧ください。


今日のテーマはジョギングについてです。
最近SNSでの情報発信にも力を入れているのですが、その中で「ジョギングのペース」がちょっと話題になっています。

フォロワーの皆さんからのコメントを拝見し、興味深い気づきがありましたので、情報を整理してお伝えしていきたいと思います。

まず、私のInstagramの投稿を引用します。

【心拍ゾーン2で速くなるなんて信じられる?】
私は初心者の頃、速く走れるようになるためには、呼吸の上がる速いペースで走ることだけが大事と思っていました。

体育の授業では1500mとかを全力で走ることしか教わりませんでしたし、サッカー部のトレーニングでは集団から遅れると檄を飛ばされていました。

大学でジョギングサークルに入り市民ランナーになっても、しばらくは同じ固定観念を持っていました。

しかし、それが変わった出来事があります。

初めてハーフマラソンを走ったとき、サークルの友人に負けて悔しく思ったのです。

若かった私は「速さで勝てないなら、距離だけでも走って自分を肯定したい」と考えました。

この若さゆえの自意識から生じた発想が予想外の未来につながりました。

ハーフで負けた翌月、私はそれまでの平均的な練習量の倍以上の月間500kmを走りました。

その翌月頃から自分の体の変化に気付きました。

毎週やっていた1.2km×6周のタイムトライアル。
先々月まではキツかったペースでも息があまり苦しくない。

毎回のようにタイムトライアルの記録を更新し、ラップタイムを見ては
「また今週はこんなに速く走れるようになってる!」と驚きに似た喜びがありました。

この出来事から私は走る量を重視するようになり、4年後には10kmから250kmまでサークルの記録をすべて更新しました。

「ゆっくり走れば速くなる」

あなたはいつ気づきましたか?

こちらの投稿へのコメントに次のようなものがありました。

『昭和の体育会系なので、半信半疑でしたが、実体験ある方からのコメント参考になります。自信持ってゆっくり走ります。』

私はこのコメントを読んで、ゆっくり走ることへの勇気が湧いてきたようで嬉しく感じていました。

同時に「ゆっくり走ることで速くなれる」ということに半信半疑な方が一定数いることに改めて気づきました。

私自身も体育や部活の経験で「マラソンといえばキツいのを頑張る」と思い込んでいましたし、「キツい方が効きそう」という直感にも反するので受け入れがたいのかもしれません。

一方で、ゆっくり走るを実践してきた人の成功体験の話も多く、「ゆっくり走れば速くなる」には再現性があることも確認できました。

特に興味深かったコメントが60年以上前からリディアード式(ゆっくりのボリュームを重視する)をして効果を実感してきたという方からのものでした。

一部編集して掲載させていただきます。

最初リディアード式で成功したのは、東京オリンピックで活躍したニュージーランドのランナーたちでした。
800mではピータースネル(リディアードの指導を受けていた)が勝ちました。

すぐに日本にも紹介され、マラソンの君原が大成功。
彼はニュージーランドに行ってます。

私が大学に入学した頃はまだインターバルトレーニングが主流だった。
関西では立命館大学がインターバルやってましたね。
ただしリディアード式のマラソンランナーもいました。

私は中距離ランナーですが、1966年の冬にリディアード式を自分なりに取り入れて、大成功。
その年の9月には800で1分56秒で走ってます。

同じ頃、順天堂大学の陸上部がリディアード式を一定取り入れていたようです。
澤木さんがいた時代。箱根で勝ってます。

恐らく、私を含めて読者の方の多くも800mは短くてスピードが求められる競技だと感じられるのではないでしょうか。

そんな800mでも有酸素運動のボリュームを重視することで記録に繋がったというリアルな体験談を聞くと、「ゆっくり走れば速くなる」という言葉の重みも更に変わってくるのではないでしょうか。

また、もう一つ多かったコメントが「大事なのはゆっくりなペースというより、量をたくさん走ることですよね?」というご指摘でした。

これはその通りで、ペースをゆっくりにして、たくさん走ることが有酸素運動の基礎を広げてくれます。

では、もし「ペースをゆっくりにするけど、ボリュームは変わらない」としたら、どうなるのでしょうか?

これは難しい問いで、前提条件によってプラスマイナスが変わってくると思われます。

直感的には「ボリュームが同じなら、できるだけペースを上げた方が負荷(=強度×量)が高まって強くなるのでは?」と感じるかもしれませんが

  • 高負荷の練習が多すぎると炎症が増え、体の適応がかえって悪化する可能性があると考えられています(パフォーマンスへの悪影響につながる場合があります)
  • 脂質代謝という観点ではゆっくり走っている人の方が能力が高く、フルマラソンなどの長距離では有利に働く可能性もある

という視点もあります。

いずれにせよ、実践上は

  • 自分にできる範囲でたくさん走るようにする
  • ゆっくり走れば距離を伸ばしやすい
  • ある程度はスピード練習もする(全体の10~20%目安)

という方針が再現性の高い成功法の一つと言えるのではないでしょうか。

普段の練習の一番多くを占めているジョギングは、私たちの走力の多くを左右していると考えられます。

今回のSNSでの反響は私自身、その価値や走り方について改めて思いを巡らせるきっかけとなりました。

ボリュームを走ろうとすると、どうしても時間がかかります。

不安や疑問があると、大切な時間を投資するのに躊躇してしまう場面もあるかもしれません。

「コツコツ続ければ、体はきっと応えてくれる」

これは私が返信のコメントで書いた言葉ですが、自分自身にもそう言い聞かせて、今年の夏も信じて走っていこうと思いました。

今日もお読みいただき、ありがとうございました!

-トレーニング・練習