ウルトラマラソン大会攻略方法【井上選手対談その3】

24時間走世界選手権優勝、台湾1周1100kmレース優勝という成績を持つ井上真悟選手。今回は井上氏にウルトラマラソンの魅力、練習方法、大会攻略方法などについて伺いました。第3部のメインテーマはウルトラマラソンの大会攻略方法についてです(全4部)。
ウルトラマラソンの魅力【井上選手対談その1】
ウルトラマラソンの練習方法【井上選手対談その2】
ウルトラマラソン大会攻略方法【井上選手対談その3】
疲労回復・裸足ラン・トレーニング本【井上選手対談その4】

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次はウルトラマラソンの大会攻略方法について聞いていきたいと思います。ウルトラマラソンでは補給方法というのがかなり大事になってくると思うんですが、まずは前日の食事方法から教えていただけますか?
ウルトラマラソンはとてもエネルギーを使いますので、どれだけエネルギーを溜め込んでスタートに立てるか、そこから勝負だと思います。そういう意味で前夜の食事は大事ですね。当日の朝の食事では消化するのに時間もかかってしまいますし、なかなかすぐエネルギーにならないと思うんですね。前の日の夜であれば寝ている間に消化吸収されて、不要な部分は朝に便として出せます。なので前日夜は消化の良い炭水化物をしっかり食べておくこと。ちなみに僕の場合はパスタを食べるようにしています。あと、最近は炭水化物を2種類とるのも良いなと思っています。例えば、パスタといっしょにパンやピザを食べるとか。それぞれ消化のタイミングが違うからか、エネルギーとしての出方もタイミングが変わってくるような気がします。

なるほど、イメージ的には分かる気がしますね。実は私も炭水化物は2種類分けて食べてます。
あと注意しておきたいのは、カーボローディングを意識しすぎて本当に炭水化物ばかりになると吸収効率が落ちてしまうことですね。実は豚肉等に含まれているビタミンB1も合わせて摂った方がエネルギーとしての吸収が良くなります。炭水化物の割合を気持ち多くしつつ普通の食事をするという感覚で良いのではないでしょうか。

カーボローディングといって極端になりすぎてしまうとまた別の問題が出てきてしまうということですね。では、当日の朝の食事はどんな工夫をされていますか?
僕は前日の夜からほとんど時間がない場合はあまり食べないですね。朝食を食べる時間があるときは胃腸の強さによって考え方が変わってくると思います。僕は胃腸が弱い方なのでそこで食べ過ぎちゃうと消化しきれずレースで悪影響が出てしまいます。なので消化の良いバナナとかを軽く食べるくらいで、やはりメインのエネルギー源は前日の夜です。

なるほど、自分の消化機能に応じて変えていく必要があるということですね。では、次に実際のレース中の補給方法について教えて下さい。
僕の場合は本当に胃腸が弱いので、味の濃すぎるエネルギージェルやサプリメントとかは食べれなかったり吸収できない感じがして駄目ですね。なのであまりそういうものには頼りすぎないようにしているんですけど、それでも良いなと思ったのが、BCAA系でいうとアミノバイタルでしょうか。100kmの世界選手権でも僕以外の選手もよく使っていました。ただ、僕の場合はあまり人工的なものよりも自然なものを食べるようにしています。レースのエイドで出てくる豚汁とかフルーツとか。24時間走の世界選手権ではオレンジをよく食べました。

アミノバイタル等のサプリメントはどれくらいの間隔で摂取していましたか?
40~60分に1回くらいで良いかなと思います。

なるほど。食べ物系の話が多かったのですが、飲み方については何かありますか?
ウルトラマラソンとなるとレース中の気温の変化も結構あると思うんですね。飲み物って意外と温度も大事だと思うんですよ。日中で暑い時なら冷たいもので良いと思うんですが、疲れてきて内蔵の働きが落ちて来た時は温かい物も飲んだ方が元気になると思います。

それ、すごく分かります。私も内蔵が強い方ではないのですが、レース中の温かいもののパワーは凄いと思います。この前の台湾のレースではお湯を飲みまくってました笑。お湯を飲んで梅干しを食べるというようなことをよくしていました。
今凄く重要な事を言っていたんですけど、梅干しとかで塩分を意識して摂るということも大事ですね。お腹が空いたとかは自覚症状があるのですが、ミネラルがなくなるというのは分かりにくいので知識が無いときちんと補給できないんですね。ウルトラマラソンは汗をたくさんかきますので、塩分は意識して摂る事が重要です。

あのレース中の塩辛いものの美味しさは凄いですよね笑 やはり体が欲しているということなんでしょうか。
僕は柴又100kmマラソンではエイドのきゅうりとかなすの漬け物があったのですが、涙が出るほど美味しかったです笑 サプリメントも良いのですが、大会ならではのエイドを楽しむというのが良いのではないかと思います。

では補給についてはこれくらいにして、次にペース配分について伺いたいと思います。いろんな意見があるペース配分ですが、完走が目標だとして井上さんはどんな配分をおススメしますか?
僕は完走が目標でも記録を狙うでも同じ考えで良いと思います。ペース配分で重要になるのは自分の酸素負債をいかに押さえられるかだと思います。運動で生まれた活性酸素は除去できなくなってきます。前半にペースを上げすぎて酸素の借金を作ってしまうと返済ができなくなってしまいます。なので呼吸に余裕を持って走るのが重要になってきます。これも経験がないと飛ばしすぎたりしてしまうんですが。分かりやすい目安で言うと、60kmくらいまでは隣のランナーが話しかけて来たらすぐに話し返せるくらいのペースが良いと思います。最初は押さえておいて、ラストに余裕があればペースを上げるというくらいの考えならミスが少なくて良いですね。

第4部『身体のケア、おまけ』へ続く

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