先週末はウルトラアカデミーというイベントに講師として参加してきました。
今回のセミナーはいつもと趣向を変えて
「小谷が補給のポイントを説明する」
→「参加者みんなで補給のポイントを考える」
というコンセプトでやってみました。
- 「補給で考えないといけない要素は何か?」を全員で列挙
- 列挙した項目について優先順位をヒアリング
- 優先順位の高い項目について小谷が体の仕組みなどから解説
という感じの流れで進めました。
要素の列挙や優先順位付けはグループにわけて話し合ってもらいました。
- ウルトラ未経験(これから挑戦)組
- 100km完走者、タイム向上したい組
- 100km超経験している組
で分けたところ、それぞれ傾向が出て面白かったです。
- 未経験者→まだ何が大事になるか想像ができない
- 経験者→何が大事かわかってくる(優先順位が一致してくる)
- 経験が更に豊富に→実行レベルでの問題解決能力が高くなる(過酷な環境でいかに内臓障害をおさえるかのアイデアが豊富に)
という印象でした。
今回のセミナーのまとめとしてウルトラの三大補給要素をあげるとするなら
- 糖
- 水分
- 電解質
です。
(著名コーチのジャック・ダニエルズがいった「マラソンの補給は糖・水分・電解質が重要だ」と一致。
ウルトラでもフルマラソンでも同じです。)
どれも高い確率で不足し、不足した時のパフォーマンスへの悪化影響も大きいです。
逆に問題の発生確率が低かったり、発生しても影響が小さいものは優先順位が低いです。
初心者の方はまずこの三大要素をきちんとおさえることをオススメします。
これが大事とわかっても実際に大会中は胃がムカムカして走れないなどの問題がでてきます。
ここでの解決力が高いのが経験豊富なランナーです。
温度、1回の摂取量やタイミングなどを自分なりにアレンジしていることが垣間見えました。
食べ続ける工夫といえば、先日Facebookでこちらの記事を紹介しました。
【内臓トレーニング】
ウルトラマラソンで悩まされることの多い内臓トラブル。
私はロング走や大会で食べながら走ることで少しずつ大会中に摂取できるエネルギーの量が増えていった記憶があります。「食べながら走ることがトレーニングになるのか?」と...
食後に走ったり、食べながら走ることで内臓が鍛えられる可能性を示唆した記事です。
私は「人一倍食べる戦略」でウルトラを走っていました。
普段の練習も食べながら走ったりして、少しずつ胃腸障害が減っていきました。
ウルトラには内臓トレーニングも有効かもしれません。
(逆に食べないでも走れる能力を高めるというのももう1つの戦略です)
セミナーの後に参加者の方からコメントをいくつかもらえました。
「各レベルの人たちがどのように考えているのか、何を気にしているのかが分かった。
今後の自分がどうステップアップしていくのかイメージがわいた」
など。
この方式のセミナーは初めての試みだったのですが、チャレンジしてよかったと思います。
自分のトレーニングの姿勢も、イベントの企画も失敗を恐れずに新しいことをどんどん取り入れたいと思いました。