ウルトラマラソンの魅力について考えたこと
今日はウルトラマラソンの魅力について考えたことを書きたいと思います。
この記事を書くことになったきっかけは何か?
つい先日ディーン・カーナゼスの『ウルトラマラソンマン』という本を読み返しました。
その本についての感想を書こうと思いA4の紙に印象に残ったことや自分の考えをサラサラと書き出していました。
そのメモ書きの中でも特に心のフックに引っかかったのがこの場面でした。
ディーンが大挑戦=ウェスタンステーツ100という過酷な大会に初挑戦するときのスタート。
スターター(MC?)の人物がこう叫びました。
見事ゴールした者は、ゴールラインを越えたとき、別の人間になっているだろう。
この行程で得た経験から完全に別な人間に変貌を遂げているはずだ。
これまでの人生の中で知っていた自分に別れを告げ、明日は別の自分に出会うことだろう。
(ウルトラマラソンマン,p112)
これは私が知っているスタートの言葉の中でも最も心を躍らせ、共感するものです。
私にとってのウルトラマラソンの一番の魅力はこの「新しい自分になること」だからです。
ウルトラに深く関わってきた多くの方がこの「変化」について語っています。
ウルトラマラソン界の第一人者である岩本能史さんの書籍『違う自分になれ!』にはこうあります。
人はなぜ苦しい思いまでして走るのでしょう。
健康、ダイエット、爽快感のため、限界への挑戦・・・。
人それぞれ理由があると思いますが、僕は変身欲だと思っています。今の自分ではないもっと違う自分に変わりたいという欲求は、生きている限り誰にでもあると思うのです。
(違う自分になれ!,p1)
世界一過酷といわれる砂漠レースの主催者はこう語っています。
取材で「このレースはどんなレースですか?」と聞かれて。
Life changes.(人生が変わる)
と答えました。
ウルトラにどっぷりはまる前にこの言葉をTVで聞いて「何を大げさな」と当時は思いました。
しかし、時間が経つにつれてこれほど端的で心にすっと落ちる言葉はないと思うようになりました。
ランニングポータルサイトのウルトラランナーへの道を運営されている新澤さんは以前こんなことを言っていました。
「年齢を重ねても新しいことができるようになる。成長を実感できると嬉しい。」
「ウルトラは頭を使ったり、経験を駆使することでまだまだ成長ができる。」
過去の記事でも紹介しましたが、新澤さんは51歳にして自己ベストを更新し続けています。
→ブログ「記録の頭打ち脱出|51歳走歴10年でも自己ベストを更新し続ける人の姿勢」
「変わった結果どうなったか」だけでなく
- 変わる(成長する)ということ自体
- 「こうすれば変われるのではないか」という自分への期待感
も魅力なのだと思います。
「ウルトラは人を変える」と言ってきましたが、一体どのような変化が待っているのでしょうか?
もしこの記事を読んでいるあなたが「ウルトラ未経験者」なら、「どう変わるか」についてあまり考える必要はないと思います。
というのも、「〇〇な変化をしよう(例えば意志が強い人になろう)」と考えてウルトラを始める人はあまりいない気がします。
どちらかというと
- まずウルトラを完走することや挑戦すること自体に興味や価値を見いだす
- 走ってみた結果として新しい自分に気づく
という流れが多いと思います。
「こういう人になりたい」という目的に向かった最短距離がウルトラマラソンではないと思います。
やってみたら「想像もしていなかった自分になる」という意外性、想像とのギャップが良いと私は思っています。
今年も多くの方がウルトラマラソンに挑戦されることでしょう。
より多くの方がポジティブな変身を遂げると良いですね。