こんにちは。
ランニングショップHolosの小谷です。
今日は私の最新の取り組みについて、その経過をシェアしたいと思います。
新しい取り組みを始めるに至った発端は、12月に起きた体の不調でした。
1月のブログでも書いたのですが、私は12月に酷い関節痛に悩まされており、思うように走れない日々が続いていました(おそらくアレルギーによるもの)。
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「待つ力」がランナーを強くする
こんにちは。ランニングショップHolosの小谷です。 今日は、いつもとは少し違うテーマでお話ししたいと思います。それは「待つ力」についてです。 12月の炎症と、走りたい気持ちとの葛藤 これは先月のこと ...
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1月下旬には久々のフルマラソン(館山若潮マラソン)にもエントリーしていたのですが、その前日にも階段の上り下りができないほどの膝痛があり、出場を辞退しました。
これで、2024年11月に台湾24時間走でPBを出してから5大会連続でDNSであり、1年2か月、大会を走ることができていませんでした。
そのときの私の日記には「食事をきちんと管理して炎症を起こさないようにしないと」と反省する言葉と一緒に「なんで自分は好きなものを自由に食べられないのだろう」「このアレルギー体質自体を治したい」という悲しさ、願いが綴られていました。
そして、時間が経って少しショックから立ち直ったタイミングで改めて日記を読みかえしたとき、アレルギー体質を治すという挑戦に何か魅力的な可能性を感じ、関連した書籍を10冊ほど一気に読み込み、これまで勉強してきた知識と統合して実現方法の仮説を立てました。
戦略における最も大きな柱は『オートファジーによる細胞の浄化』でした。
オートファジーとは、細胞が細胞内の不要なタンパク質を分解し、リサイクルすることです。
古くなった細胞内の器官を壊し、その部品を使ってまた新しい器官に作り替えます。
街づくりを例に考えると分かりやすいかもしれません。
住みやすい街を作っていくためには、新しい施設を建てるだけではだめで、老朽化した施設を取り壊していかないと街が全体の機能が向上しないことが想像できると思います。
オートファジーは、この老朽化施設を取り壊し、最新鋭の施設を建築するための余白や部品を生み出すプロセスだと考えてください。
オートファジーは細胞のエネルギーが低下した状態でそのスイッチが入ります。
運動や間欠的ファスティング(1日の中に16時間程度の絶食時間を意図的に作り出すこと)によってオートファジーが活性化することが知られています。
逆に、食べ物、特に動物性たんぱく質や糖質を摂取するとオートファジーが抑制されてしまいます。
現代の先進国の食生活はオートファジー(分解)とは対極の「合成」ばかりが行われて、その結果として健康被害を生んでいると指摘している専門家もいます。
スポーツ栄養学の考えは合成偏重に拍車をかけていて、多くの文脈で「タンパク質合成を最大化する」ような方法が良いと考えられがちです。
しかし、もしその前提条件自体が間違っていたとしたらどうだろうと私は考えました。
オートファジーはスポーツ栄養学が嫌う「筋肉を分解する」行為そのものです。
しかし、筋肉の"一時的な"分解は実は細胞の機能維持・向上のために必要なプロセスだとしたら、1日3食+間食でしっかりタンパク質を摂取するような食生活は最適とは言えなくなってきます。
また、分解と合成のバランスを考えるには年齢という要素も重要です。
私は37歳ですが、いわゆる生物学的な成長のピーク(24歳ごろという意見があります)はとうに過ぎています。
そのピークを過ぎてからは、新しい組織をどんどん作る成長から、今ある組織をベースに効率的に回していく方が老化が抑えられて、健康とハイパフォーマンスをより長期間維持できるとの見方もあります。
動物実験では、オートファジーを活性化すること(例えばカロリー制限など)で寿命が延び、若々しく、病気になりにくいことが多くの研究で再現されていますので、これは恐らく人でも当てはまるでしょう。
沖縄は世界的にみて長寿の地域として有名ですが、(最近はやや事情が変わってきたようですが)以前の沖縄の食生活は低タンパク質でカロリーも少なく、オートファジーが活性化しやすかったのが健康長寿の要因と分析されています。
私たち市民ランナーはランニングによってオートファジーを日常的に活性化しているので、普通の人と比べたらかなり健康的です。
しかし、私たちが分解と合成のバランスの最適点に対してどの辺りにいるのかはまだ分かりません。
もしオートファジーを更に活性化する方に舵を取った方が良いとしたら?
今私が実験しているのは、その検証にあたります。
具体的には以下のような生活に挑戦しています
- 夕食を20時に食べ終わり、次の食事は翌日の15時ごろ(毎日18~19時間くらいの絶食時間をとる)
- 仕事は早朝から正午ごろまでに集中して行う
- 12時ごろからトレーニング開始
- 15時ごろから食事をして、夕方にまた少し仕事や研究をする
- 15時からの食事では動物性たんぱく質を摂取しない
- 夕食は動物性たんぱく質を含むこれまで通りの食事
従来の生活からの主要な変化点は
- 絶食時間が長くなったこと(これまでは1日3食)
- 動物性たんぱく質の摂取量が従来比で30~40%くらいになったこと
です。
そして、このような生活を始めて7週間ほど経過しようとしています。
その結果、どのような変化があったのか?
まず、幸いなことに悩んでいた関節炎はすっかり解消しました。
これがオートファジーによる直接的な効果なのか、あるいは単に時間が経って治癒したからなのかは明確に判別することはできません。
ただ、私はこれまでも同様の関節炎は経験してきており、その経験と照らし合わせて考えると、今回はいつもより早く炎症が抑えられたと直感しています。
また、体の炎症レベルが抑えられたことで必要な睡眠時間が減りました。
この7週間で日照時間が増えてきたという季節的な変動も影響していると思いますが、炎症のピークだった12月~1月中旬ごろは毎日9時間くらい寝ないと眠気がとれない感じだったのですが、最近はトレーニング負荷が上がっても8時間ちょっとくらいでリカバリーができています。
これに加えて食事時間の削減や思考がクリアになることによる生産性の向上で、炎症に悩んでいた時期と比べると毎日プラス2時間くらいの余裕が生まれたイメージです。
体重・体脂肪率についてはきちんと測定していなかったので主観的な評価になるのですが、明らかに体脂肪は減りました。脇腹やお尻のところを掴んだときの感触が全く違います。
最も痩せたタイミングでは、脇腹のお肉をつかめなくなるんですよね。
「パツンッ」という感じで、掴もうとしても皮に弾かれる感じになります(洗濯ばさみが挟めずに落ちてしまうイメージ)。
また、「意味もなく自分の脇腹を掴みたくなる」という気持ちにもなりました。
ダイエットに成功した人とかはこのような気持ちなのかもしれません。
ただ、体重がどんどん落ちすぎるのはそれはそれで問題もあり、オートファジーを阻害しないようにトレーニング負荷にみあったエネルギー量を確保するためには色々と試行錯誤しました。その点については、また別のタイミングでお話しできればと思っています。
ランナー的に最も重要なトレーニング負荷についてですが、現状ではとても満足のいくトレーニングがこなせるようになりました。
| 週 | 時間 | 走行距離 |
|---|---|---|
| 12/1 | 8:01 | 97km |
| 12/8 | 7:07 | 77km C |
| 12/15 | 7:23 | 56km C |
| 12/22 | 9:52 | 114km C |
| 12/29 | 11:05 | 139km |
| 1/5 | 7:05 | 77km C |
| 1/12 | 5:00 | 55km |
| 1/19 ★新戦略開始 | 12:08 | 130km |
| 1/26 | 13:42 | 150km |
| 2/2 | 15:06 | 173km |
| 2/9 | 17:24 | 204km |
| 2/16 | 16:24 | 193km |
| 2/23 | 19:26 | 223km |
| 3/2 | 18:57 | 228km |
※「C」と書いている週はバイクのクロストレーニングもしている週。表中の「時間」はクロストレーニングも含めた有酸素運動の合計です。走行距離はランニングの距離のみ。
トレーニング計画的に今はボリュームを重視している時期なのですが、社会人になってから(ここ13年間の中で)では、こんなに走れた時期はありませんでした。
週に1回はスピード練習を継続できていますし、日々の体調管理のバロメーターをみてもそこまで無理をしている感じはなく、きちんとトレーニングに対して回復し、体の適応が進んでいるように思います。
この新しい戦略を正しく評価するためにはまだ期間が足りないと思いますが、現状では「なかなか良い方法を発見したのではないか?」と期待を感じているところです。
一方で全てが上手くいくという訳ではなく
- トレーニング負荷の増加に伴うエネルギーの確保(健康的な体重の維持、痩せすぎを抑える)
- 足の甲に軽微な炎症が残っており、それを完治させたい
- 60km程度の空腹ランニングを3回行ったところ、以前よりも翌日の回復は良いが、当日の終盤に低血糖のような状態になりやすい気がする(まだ適応が不十分なのか、痩せすぎて持久力が落ちてしまっているのか原因を追究中)
など探究の課題は山積みです。
引き続き試行錯誤しながら、この新しい方法を検証していきたいと思っています。
また、この領域についてより良く理解するため、ぜひ皆さんからも情報があればご教授いただきたいです。
キーワードとしては:間欠的ファスティング、動物性たんぱく質の減少、アレルギーの解消、腸内環境の改善といったところでしょうか。
今回のブログを読んで、皆さんからシェアしたいエピソードや知見などございましたら、ぜひ気軽にメッセージください。一緒に未来の可能性を開拓していきましょう!
今日もお読みいただき、ありがとうございました!
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