トレーニング・練習

スピード練習で潰れて失敗するのを防ぐ秘訣

2024年9月18日

今日はインターバル走で失敗しないための工夫について考えてみたいと思います。

最近は暑さがまた戻ってきてしまいましたが、皆さんは強度が高めの練習をできていますか?

ただでさえキツくて途中で投げ出してしまうこともあるスピード練習。

暑いとなおさらキツくて、当初考えていたメニューをやりきれなくて、自信を喪失してしまう人もいるのではないかと思います。

昔の私は「厳しい設定ペースを守る」ことで強くなれると信じていましたが(実際それが常に可能なら強くなれると思いますが)、今では設定ペースにこだわりすぎず、その日の調子に応じてある程度ペースを調整して、きちんと本数をやりきることを常とすることが大切だと思うようになってきました。

例えば、1000m×5本@5:00/km、レストジョグ400mを当初計画していたとします。

このとき、2本目までは5:00ペースでいけて、3本目の途中でキツくて辞めてしまったとすると、ちょっとこれは後悔する練習になってしまうかなと私は感じます。

では、このような失敗を避けるためにはどう考えたら良いでしょうか?

例えば、3本目を走っている最中に「これは続けられない」と思ったら、5:10/kmとかにペースを落として3本目を走り切ります。

続く4本目、5本目も5:00ペースにこだわらず、残りの設定距離を走り切れるペースに落としてやりきります。

あるいは、3本目を5:10で走った後に「今日のコンディションでは5本はきついから4本にして、しっかり集中して走ろう」と気持ちを切り替えるという選択もあります。

この判断は「3本目で意図に反して投げ出してしまった場合」と比べても自信を喪失しませんし、走行距離的にも当初の計画の80%は走っていますので、当日のコンディションに合わせた調整と考えれば悪くないくらいの軽減措置であると思います。

また、途中で止まってしまった場合のオプションとして「気持ちを切り替えて再開する」という方法もあります。

先ほどの例でいうと、3本目の途中で止まってしまい、時計もストップしてしまったとします。このときに諦めずに「ここで呼吸をいったん落ち着かせて、気持ちを切り替えて最後までやれば絶対良い練習になるぞ!」と自分を励まします。

個人的な経験でいうと、100~200mくらい歩いてから走り出せば、少し落としたペースでならきちんと残りの本数を走り切ることができます。

そして、このような調整法を使ってでも、最後までやりとげれば大きな自信と練習効果という見返りをえることができます。

  • 「このペースでは最後まで継続できない」と判断したときは、ペースを少し落としてでも良いから本数をきちんと走り切る方を優先する
  • 本数を少し減らしても良いから、集中して最後まで走って「自分は今日できる練習をきちんとやった」と思い、自信を損なわないようにする。
  • 途中で完全に止まってしまっても、少し歩いて気持ちを切り替えて再開すれば成功練習にすることができる

また、上記以外の方法で私が最近効果を感じているのはレスト区間で「歩き」を積極的に活用するということです。

下のグラフは今朝の私のファルトレク(疾走とジョグを厳密な距離設定をせずに交互に反復するインターバル走のような練習)での心拍数の推移です。

最初の5本までの疾走は600mで、その後は200~250mくらいの疾走区間です。
全部で17回の疾走区間があります。

ここで注目なのが青色の枠で囲った部分の心拍数の下がり方です。
実はここ、普通にジョグをしていたらここまで下げることはできません。

歩きを入れることで、ジョグと比べてより早く低く心拍数を回復させることができます。

インターバル走を途中で投げ出してしまうとき、リカバリー(レスト)区間で十分に回復できていない(心拍数が落ちていない)ケースがあります。

特に走力が相対的に低い方や暑い時期は心拍数や深部体温が高止まりしてしまい、疾走区間に入ってもすぐに疲れてペースを維持できなくなってしまうケースが多いと思います。

なので、インターバル走をきちんと走り切れないことが多いという方は、レスト区間でどれだけ心拍数が落ち着いているかをチェックして「心拍数がこれくらいまで落ちれば潰れずに継続できる」という判断基準を持つと失敗リスクが減ると思います。

今の季節の私の場合は

  • 疾走区間で180bpm以上まで心拍数が上がり
  • その後ジョグで170bpmまで落とし
  • それからは歩きに切り替えて150bpmより下げ
  • そこから50~100mジョグして歩きから走る感覚に切り替え
  • また疾走区間に入る

というサイクルで回しています。

こうすることで、暑い時期でも安定してファルトレクをやりきることができている実感があります。

ぜひ「レスト区間でどこまで心拍数を下げるのか」を意識して、必要であれば「歩き」という選択肢も前向きに採用して、日々の練習をきちんとやりきって自信を高めていってくださいね。

補足

なお、練習の中にはレスト区間でもある程度の心拍数の高さを維持することが狙いの練習もあります。

私が以前Holos通信でも紹介した
(1km@マラソンペース+2km@ハーフマラソンペース)×4
の変化走なんかはそれです。

この1km+2kmの変化走はフルマラソンの粘り強さを作るのにおすすめでした。
(キツい状態でもフルマラソンペースを維持し、あわよくば回復する練習)

このように練習によって狙いに違いがあります。

その違いを理解し、その時々のご自身にあったメニューを選んでいきましょう。

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