小谷のブログ

17日間ランニングを辞めて考えたこと

2020年4月14日

どうも、ランニングショップHolosの小谷修平です。
新型コロナの影響が日々深刻になっていますね。
読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。

マラソン大会が軒並み中止となり、モチベーションが低下していらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
実は私もその一人でした。
しかし、しばらくランニングを中止していたところ、やはりトレーニングは自分にとって大事な要素のひとつだということにことを改めて実感しました。
そして色々と考えを巡らせて次の動きを決めることができました。

今日は簡単な近況報告と合わせて私が今どういうことを考えトレーニングを再開しようとしているのかについて書こうと思います。

新しい生活拠点を探しに車中泊の旅へ

まず2ヶ月前のことから振り返ろうと思います。
こちらの YouTube の動画でもお話ししていたのですが、実は私は2月の中旬から車中泊の旅に出ていました。




旅をはじめた理由はいろいろあるのですが、その一つが新しい生活拠点を見つけたいということでした。
奥さんと
「子供をのびのびとした環境で育てたいね」とか
「自然豊かなところに住みたいね」とか
「面白い人が集まり、温かなコミュニティがある地域に貢献していきたいね」とかいうことを話していました。

「子供もいない今のうちが人生で旅ができる貴重な期間だ」というタイミングも後押しして、車を使って日本各地を巡る旅をしようと決意しました。

新型コロナの拡大で大会が中止に

しかし、旅に出てまだ間もないころ、東京マラソンが中止を発表。
連鎖するように大会がぞくぞくと中止になりました。
私が目標としていた神宮外苑24時間走も中止となりモチベーションが不在となってしまいました。
ちなみにその時の気持ちはこちらの動画に収めていました。




この動画を撮影した時はコロナの影響がこれほどまでになるとは思ってもおらず、神宮外苑の代わりに夢の島24時間走のために頑張ろうと言っていました。
しかし日々世情が悪くなっていき、しばらく大会は無理かと諦めました。

ノーランの日々が続いて「執着」がなくなる

全く見通しが立たないのでトレーニングはこの通り2週間近く休みが続いていました。
ちなみにずっと継続していた糖質制限も一時的に止めて元の食事に戻しています。

こうしてトレーニングのない日がしばらく続いていたのですが、その間にいろいろ考えたことがありました。
ランニングのパフォーマンスや強い体であることへの執着が良い意味でなくなったことに気づきました。

実は旅をしている時にも環境の変化でトレーニングが思うようにできず、それがすごくストレスになっている自分に気づきました。
これは神宮外苑24時間走でいい記録を出したいということばかりに注意がいき、生活全体のバランスを崩してしまっていたのだと思います。
本来は趣味で好きでやっているマラソンのはずなのに、こういう仕事(ランニング事業関係者)をしているせいもあってか、自分にプレッシャーをかけてしまっていたのだと思います。
「記録を出さないと。いい走りをしないとお客さんに申し訳が立たないのではないか。」と思ったり。
だからトレーニングが思う通りにいかないとそれが不安や強いストレスになってしまったのだと思います。

自分のペースでランニングを楽しむという当たり前を思い出す

今はトレーニングをすっかり休んでしまい、肉体的にはあまり充実していません。
しかし「強い自分を演じないといけない」という執着がいい意味でなくなったような気がします。
これは競技結果が全てであるという場合では良くないことかもしれません。
でも、私はあくまで自分で好きに走っている市民ランナーであり、その楽しさをお客様にも伝えていくただのスポーツショップの店員さんです。
だからこそ周囲の目を気にしすぎることなく、自分自身でランニングへの価値を見出していかないといけない

実はこういう「周りにいい格好をしたい」という気持ちを抑えることは今年の目標でもあったのです。
手帳を見返してみると
『2020年の目標!
周りの目を気にせず自分のペースでランニングを楽しむ。』
と書いてありました。

ランニングを仕事にすることで隅に追いやられてしまった気持ち。
学生時代のジョギングサークルにいたころは、今よりずっと走力がなかったときでも自分で走ることに価値を見出し、トレーニングを継続していくことがとても楽しかったです。
その気持ちを取り戻したいと願っていました。

今回の2週間以上のブランクによって執着が取り払われ、「さて、これから弱った自分の体をどう変えていこうかな」と楽しみに考えられるようになったことは自分の人生においてはどこかで訪れるべき成長だったのではないかなと思います。
「いい記録を出さなきゃ」というプレッシャーを感じるのではなく「自分が好きでトレーニングをしたい」そういう感覚を忘れないようにしていきたいと思います

とはいえ強い体の幸福感と自分への期待感は捨てたくない

ここまで書くと「小谷君はハードなトレーニングはもう止めるのかな」と思われるのかもしれませんが、この期間に感じたもう一つ忘れたくないことがあります。
それは「やはり強い体はそれ自体が幸福感をもたらしてくれている」ということでした。
トレーニングがないと、毎日にハリがないというか、つまらない。

今でこそ大会で記録を出すというモチベーションは不在となっていますが、トレーニングによって自分が成長していく感じ、自分への期待感は私にとっては最高の娯楽なのでした

「周りの目を気にしてプレッシャーに感じることはやめる。
それでも自分の心を充実させるようなトレーニングは継続していこう。」

と固く決意しました。

基礎的なトレーニングで確かな土台を築きたい

さてさて、こういう経緯でトレーニングを再開しようとしているのですが、これから何に取り組もうかとしているのか?
「ランニングに特化しすぎないもっと基礎的な土台となるトレーニングをしよう」と思っています。

こちらの本は私が5年ほど前に熱を上げていた本です。

この本ではこのようなパフォーマンスピラミッドという概念が書かれています。

一段目の基礎(機能的動作)は可動性や安定性、基本動作を行う能力を示しています。
二段目は競技種目に特異的でない一般的な運動能力(垂直飛びとか)、三段目が競技種目に特異な能力(ランナー的には5000m走のタイムなど)を表します。

そして最終的に良い運動パフォーマンスを達成するにはこのピラミッドのバランスを整えることが大切であると筆者は語ります(詳細は本書を参照ください。ただ、結構専門的です)。

自己分析してみたところ私は特に一番下の層、すなわち可動域・安定性・基礎的な運動パターンに課題があると考えました。
この通りアクティブストレートレッグレイズというテスト(仰向けで脚を上げる)を実施してみたところ全くできていません(本当は90度以上脚を上げたい)。

実際にはこれくらい股関節が固かったりしても200 km 級のウルトラマラソンを普通に走れています。
ただ、今後
フルマラソンで記録を出そうとしてみたり
より長いウルトラマラソンに挑戦したり
末長く健康的にアクティブにいきていくためには
この基礎的な能力が大切になると思います。

地道に基礎から作り直すことは時間がかかります。
一時的にパフォーマンスを落とすこともあります。
なので常にランナーとしてのパフォーマンスを高くしておきたいと思うとじっくりと取り組むことができませんでした。
執着から解放された今こそランニングにとらわれすぎない基礎的な体力の醸成をやってみようかなというふうに考えています

そしてなにより、そういう実利的な理由以上に、「今はこれをやってみたい!」と心が言っています。
この「試してみたい!」という感覚こそが私が求めていたものであり、一生大切にしていきたいものです

ということで、これからしばらくはまずこれが90度までいけるようなエクササイズを考えて実行していこうと思います。

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