走った後の栄養補給のポイント
今日は練習後の栄養補給についてまとめます。
- 疲労を回復して質の高い練習を継続する
- 練習の効果を高める(強い体をつくる)
という点で役に立ちます。
今回の内容はスポーツ栄養学を学んだ人なら知っているかもしれない王道的な方法です。
真新しさは感じないかもしれませんが、きちんと実行すれば効果があります。
(私は今糖質制限にチャレンジしているのでこの通りにはしていませんが、普通に食事をしている時は以下の内容を実行していました)
トレーニングは「回復して強くなるまで」がトレーニングです。
日々の栄養補給を見直すきっかけとしてご利用ください。
練習後の栄養補給のポイント
先に大事なポイントを言いますと、
- 運動直後(30分以内目安)に栄養補給する
- タンパク質を体重1kgあたり0.3~0.4g摂取する
- 糖質を体重1kgあたり0.8~1g摂取する
です。
*厳密には上記の栄養量は1時間あたりですが、一般的なランナーの練習量なら1時間分だけでも十分効果があると思います
例えば体重60kgの人ならタンパク質20g、糖質60gくらいを運動後に摂取するのが目安です。
ポイントの理由
なぜ上記のような栄養補給が良いのでしょうか?
運動直後であると良い理由
運動直後は栄養の吸収が良いということが分かっています。
また、午前と午後に練習がある場合などは速やかにエネルギー補給することで午後も質の高い練習ができます。
(後述しますが、回復までに時間が十分ある場合や長期的なパフォーマンスの観点でいうとこのタイミングはそこまで神経質になる必要はないという見方があります)
タンパク質を摂取する理由
練習で受けたダメージから組織を回復してより強くするために材料となるタンパク質が必要です。
糖質を摂取する理由
走ると筋肉の糖質系エネルギー(グリコーゲン)を消費します。
糖質を補給しないとエネルギーが不足して疲労感を感じたり、質の高い練習を維持できません。
(私が糖質制限を始めた当初は糖質不足のせいで練習がまともにできませんでした)
糖質とタンパク質の同時摂取で相乗効果
糖質だけ補給する、アミノ酸やプロテインでタンパク質だけ補給するという人もいると思います。
しかし、2つを同時に摂取することで相乗効果があることが知られています。
というのも同時に摂取するとインスリンというホルモンの分泌が高まるからです。
インスリンは
- 細胞に糖を取り込んでエネルギーを回復する
- タンパク質の合成を促進=ダメージを修復し強くする
働きがあります。
インスリンと聞くと「糖尿病の話題で聞いたことがあるな」という感覚がある方もいると思います。
インスリンの働きが悪いと血液によって運ばれてきた糖を細胞に取り込むことができません。
よって血液に糖がたまっていき、高血糖となります→糖尿病のメカニズム
以上が栄養補給のポイントが大事な理由です。
基本的には「すぐに糖質とタンパク質を補給」を頭に入れればOKです。
私が食べていたもの具体例
私の場合は家がスタート&ゴールの練習がほとんどでした。
なので、自宅の冷蔵庫に安くて作る手間のかからない食材を用意して、帰ってきたらすぐに食べるということをしていました。
栄養素 | 食品 |
糖質 | シリアル、バナナ |
タンパク質 | 生卵、納豆、豆腐、牛乳、プロテイン |
プロテインはザバスのタイプ3エンデュランスを使っていました。
飲みやすくて食事で不足しがちだったビタミン、ミネラルも入っていたので気に入ってました。
「すぐに糖質、タンパク質」の原則を守るだけでやっぱり調子は良くなりました。
長期的なパフォーマンスへの影響
最後にあまり知られていない内容を。
すぐに栄養補給をすることで速やかに回復することができます。
一方で回復の早さよりも長期的なパフォーマンスへの影響の方が大切と思う人もいると思います。
(少なくとも私はレースを連戦しているわけではないので、こちらの考えです)
6~21週間という長期間でみたとき、
「実はタンパク質摂取のタイミングはそれほど重要ではなく、それよりもタンパク質の摂取量がより重要である」
という研究があります。
(『スポーツ栄養学』寺田新 p138)
つまり、タイミング(運動後30分以内)にはそれほど神経質にならなくて良いという考えもあるということです。
(もちろん、すぐに栄養補給をしてマイナスはないので、可能ならすぐに食べた方が良いでしょう)
日々の食事で十分な量のタンパク質を継続的に摂取することがパフォーマンスの上では大事ということですね。
市民ランナーなら体重1キロあたり1.4~2g程度のタンパク質が良いと思います。
食事から栄養を計算する無料のネットサービスがいくつかあります。
きちんと十分な栄養がとれているか、一度チェックしてみるのも良いでしょう。
*例えば私はこちらのサイトを利用しています→「簡単!栄養andカロリー計算」