何度でも、また走り出せば良い

私はマラソン大会に挑戦する市民ランナーでした。

2020年3月、東京マラソンの(一般ランナーの部の)中止から始まった、新型コロナウイルスによるマラソン大会中止の連鎖。

あれから2年以上が経ち、途中で感染者数の増減による浮き沈みはありましたが、徐々に開催される大会数も増えてきました。

この2年間、ランナーとしての私は停滞、いや低迷している状況でした。

目標とする大会に向けて自分なりに頑張ってトレーニングをしていたのに大会が中止になり、やる気を喪失。

「こんなことでめげてはダメだ」とすぐに奮起して再チャレンジしようとしても、また次の大会も中止。

酷いときはエントリーできる大会すらほぼ見つからないほどのありさまでした。

短期間で体力を取り戻そうと練習量を一気に増やして故障に悩んだこともありました。

この奮起と消沈を繰り返しているうちに私の走力は徐々に低下していき、自分の中で今の実力を直視したくないような、ランナーとしての熱意や自信を失っていくような感覚に陥っていきました。

もちろん、思うように大会に出られなくても自分で目標を立ててモチベーションを高く保っている友人ランナーも大勢います。
自分と同じ境遇にも関わらず、相変わらずマラソンに没頭している彼らのことは尊敬するし、うらやましい。

「自分も彼らのように大会が無くても強いランナーであり続けるんだ!」と思うことは多々あります。

でも、その情熱を長く継続することができず、また自尊心を削ってしまう。。。

「また大会が戻ってきたら頑張るんだ」
「今はコロナ禍だから、走れなくても仕方ない」

と環境のせいにして、心の内にあるモヤモヤを気にしないようにしている。

最低限のプライドを保てるように、わずかながらの距離を無計画にダラダラと走っている。

この2年間で私に起きていたことをざっくり言うと、こんなことの繰り返しでした。

そして、2022年の今。

大会の形式など、まだ従来通りにいかないところはありますが、様々な大会が「今年度はやります!」と募集を開始しはじめています。

そういうお知らせを見聞きして、私の気持ちとしては

「よしっ! そろそろコロナのマラソンへの影響は落ち着きそうだし、ランニングを本格再開するぞ!」

と気持ちよく言いたいところです。

しかし、内心では

「ランニングを再開して、衰えた体力、自分を直視したくない」

「今から頑張っても、もう昔のようなレベルでは走れないかもしれない」

「また大会が中止になったり、途中で投げ出してしまうかもしれない」

そんな不安があり、まだ目標大会を定められず、だらだらランナーを継続していました。

 

でも、幸運なことにその状態から抜け出すことができました。

私は以前のように大会を目指して頑張る、市民ランナーとして復活することができました。

 

きっかけは趣味の読書で自己啓発系の本を読んだことでした。

ざっくり内容をまとめると「人生はたった一度で短い。幸せな人生を送るためには、人の目を気にし過ぎず、自分の心に素直に、やりたいことをしよう」的なことが書かれていました。

そして、ちょっと自分ひとりの時間をつくり、紙とペンを出してつらつらと感じていたキーワードを書き出していきました。

すると、私の心はこんなことを叫んでいるように感じられました。

「目標を目指して頑張る、やりがいのある、感情豊かな日々を取り戻したい」

「コロナ禍でも活躍していた友人ランナーのように、自分もマラソンに夢中になりたい」

「自分はランナーだっていう誇りや自尊心を取り戻したい」

 

そうだ、私はただ、ランニングを通じて「良い感情」をたくさん味わいたかったんだ。

それなのに、遅くなった自分は嫌だとか、無駄なプライド? 自意識過剰? なせいで、復活への一歩を踏み出せていなかったんじゃないだろうか?

ランニングを通じた「良い感情体験」を取り戻す唯一の方法は、今日の自分にできる「ちょっとの頑張り」をただ継続していくことだけなんじゃないか?

そのな想いがグルグルと頭の中を巡っていきました。

私は特にマラソンの中でもウルトラマラソン(フルマラソンより長いマラソン)が好きでした。

ウルトラマラソンではレースの途中ですごく苦しい時間帯があるのですが、それを耐えしのぐと不思議なことに元気が復活して楽になり、ペースも戻ってくるということがよく起こります。
(ウルトラの世界ではこれを「復活する」と言います)

ウルトラマラソンを完走できるか否かは、この辛い時間帯に復活を信じてレースを継続することができるかにかかっています。

辛いときに投げ出さずに、なんとか継続すること。

私が好きな言葉に「3日坊主でも再開すれば継続のうち」という言葉があります。

とすれば、この2年間あまり走れていなくても、心の底でモヤモヤとマラソンへの想いを絶やさず、くすぶらせ続けてきた私も、今日から頑張れば立派な継続者と言えるのではないでしょうか。

休憩していたエイドステーションを出て、またゆっくり走り始めるときの気分で、その日私はちょっぴり走りました。

「まだリタイアしてない! 自分、なんか良い感じじゃん!」
レースで復活したときのような高揚感が戻ってきたのでした。

 

全国のランナーのみなさん

何度でも、また走り出しましょう!

 

ランニングショップHolosは「本当はもっと頑張りたい!」という市民ランナーの皆様の背中を後押しします~

2022年4月7日

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