トレーニング・練習

インターバル走 同じ全力でも時間設定で効果に違い

2020年11月19日

「インターバル走なんて細かいことは考えなくても全力で追い込めば良い!」と考えている方へ。
今日はそんなあなたに興味深いデータを1つご紹介します。

引用元『Adaptations to aerobic interval training: Interactive effects of exercise intensity and total work duration』

インターバルトレーニングの強度設定によって効果がどう変わるかを知るためにある実験が行われました。

実験の対象者は自転車選手(普段から週に4~10時間くらいトレーニングしている層)です。

まず被験者をトレーニング内容別に次の4つのグループに分けます。
A:低強度の運動のみ(インターバル走なし)
B:16分×4 のインターバル走を実施
C:8分×4 のインターバル走を実施
D:4分×4 のインターバル走を実施

各グループそれぞれの時間設定でインターバルトレーニングを週2回、8週間継続します。
インターバルトレーニングは全力で実施するものとしました。
よって1本の設定時間が長いほど疾走中のペースは遅くなります(4分×4の全力ペースで16分×4は走れませんよね)。

トレーニング効果の大きさは
・LTパワー(乳酸をためないでどれくらい大きいパワーを発揮できるか)
・VO2max(最大酸素摂取量=心肺機能)
などの指標を使って評価しました。

その結果をまとめたのがこちらのグラフです。

縦軸(棒グラフの長さ)が人数を表しています。
各色はトレーニング効果がどうだったかを分類したものです。
青:効果が大だった人(指標が9%以上の改善)
オレンジ:効果が中くらいだった人(指標が4~9%の改善)
灰色:効果が小さかった人(指標が4%以下の改善)

この4グループの中ではCグループ(8分×4のインターバルを実施)が最も高い効果を得ていることがわかります。
つまり、「インターバルは全力で追い込めば、16分×4だろうと8分×4だろうと同じ」とは言えないだろうと予測されることになります。

また、同じグループ内でみたとき、人によって効果の現れ方が違うというのもポイントです。
例えばB(16分×4)グループをみても3人は効果小でしたが2人は効果大の変化が起きています。

これは、その人がどのようなトレーニングをそれまでやってきたかによって、伸びしろとなるトレーニングが異なることを示唆しています。

よって自分にあったインターバルを見つけるためには
『6~8回くらい繰り返してみて、成果を感じられなかったら時間配分を変えてみる』
という方針にすると良いかもしれませんね。

また、一時期成果を感じたトレーニングでも同じ内容で繰り返すと頭打ちしてくることもあるでしょう。
そのときもこのデータを思い出して変化を加えてみると頭打ちからの突破口になるかもしれませんね。

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