マラソンの記録向上を目指したサプリを作って効果を実験した結果

マラソンの記録向上を目指したサプリメントの効果を検証
2017/12/16追記
こちらの記事で紹介したサプリメント発売しました。
→Catalyst Cardio Performance(商品ページ)
マラソンの記録向上に特化したサプリメントを作ってその効果を実験してみました。
今日はその実験結果をご紹介します。
→結果だけ早く知りたい人は「実験結果」の見出しからご覧ください
私の仕事は「ランナーの自己実現をサポートすること」です。
そのために運動指導、情報提供、セミナー、商品開発・販売などをしています。
私のお客様の多くは目標を持っています。
フルマラソンのサブスリーやサブ3.5。
ウルトラマラソンの完走や100kmのサブ10など。
そして皆さんが何かしら悩みや課題を抱えています。
例えばこんな声が多いです。
- 頑張って練習しているけどなかなかタイムが縮まらない
- 後半いつもペースダウンしてしまう。足が止まる
- ここ数年記録が伸び悩んでいて頭打ちしている
- 加齢のせいかタイムが徐々に落ちて、疲れもたまりやすくなってきた
- ウルトラマラソンがなかなか完走できない
私自身も市民ランナーで良い記録を出したいと思っています。
しかし、実は本命の24時間走では2012年の256kmがベストで5年以上ずっと自己ベストは更新できていません。
なので、頑張っているのに目標に届かない口惜しさは皆さんと同じように感じていると思います。
(もっともこの難しさが面白さでもあるので決してネガティブな感情とも限らないです)
みなさんと一緒に記録の壁を超えるために役立つと考えられる商品開発を何個も同時並行で進めています。
そのうちの1つであるサプリメントの試作品が完成しました。
そしてモニターを数名抽選して実験開始。
被験者の方からコメントをいただけたので、良い意見も悪い意見も全て正直にご報告します。
サプリメントの成分と狙っている効果
ランニングのパフォーマンスをアップする重要な要素に以下の4点があります。
- 無駄な脂肪を減らす(多くの市民ランナーはもっと脂肪を減らして軽くなった方が有利)
- 筋肉中のエネルギーの温存力をアップする(レース後半に体内の糖質エネルギーが枯渇するとパフォーマンスが落ちます)
- 心肺機能の向上(より速いペースで走る余裕が生まれます)
- 抗酸化力を高める=運動で生じる活性酸素から体を守る(運動すると活性酸素が大量に生じ、それが体にダメージを与えてパフォーマンスを下げます。よって活性酸素から体を守る力=抗酸化力が高まると疲れに強くなります)
この4点に効果的に働きかける最適な組み合わせとして私が出した仮説が以下の4成分を配合することでした。
HCA
糖質が過剰摂取されると脂肪に変換されるのですが、HCAはその変換を抑制すると言われています。
その結果脂肪が蓄積しにくくなると言われています。
また、脂肪の燃焼を妨げるマロニルCoAという物質の濃度を低下させ、脂肪の燃焼が促進されます。
脂肪が燃焼されると貴重な糖質系のエネルギーが温存できます。
Lカルニチン
Lカルニチンはミトコンドリアに脂肪酸を運搬する際に必要となる物質です。
ミトコンドリアは細胞のエネルギー工場(発電所)のようなものです。
よって、Lカルニチンが豊富にあれば脂肪を燃料として使いやすくなると言われています。
その結果HCAと同様に糖質系エネルギーの温存に役立ちますし、ダイエットサプリメントとしても利用されています。
筋組織の損傷抑制効果の報告もされており脚のダメージ軽減も期待できます。
CoQ10
CoQ10は抗酸化作用がある物質として知られています。
特にミトコンドリア中に多いので運動で酷使されるミトコンドリアを守るのには効果的です。
またミトコンドリアは心臓に密集していますので、心臓のポンプ機能を高めることで心肺機能の向上が期待されます。
ミトコンドリアが元気になるとエネルギー代謝を促進するので、それでダイエットサプリメントとしても人気があります。
ブラックジンジャー
ブラックジンジャーも脂肪燃焼を促すとされ、その結果ダイエットやエネルギー温存に効果があると期待されます。
血液をサラサラにし、血管を拡張することから心肺機能の向上が考えられます。
血液を通して酸素が運ばれるので、血液循環を良くすることは心肺機能向上への効果的なアプローチです。
Sirt1遺伝子という遺伝子を活性化することによりミトコンドリアの数が増えるという報告もあります。
ミトコンドリアが増えれば乳酸がたまりにくくなり、より速いペースで走れるようになります。
抗酸化作用のあるフラボノイドも入っているので、これもランニング中の体のダメージを軽減すると思われます。
全4成分の狙いを整理すると下の図のようになります。
実験方法
- 一般募集から抽選した12名が被験者(性別・年齢・走力がバラつくように調整)。*正式に回答いただけたのは10名でした
- 1ヶ月間、毎朝朝食前にサプリメントを服用
- 毎朝起きてすぐに体重・体脂肪率を計測
- 日常生活やランニングで気づいたことがあればコメントを記録しておく
実験結果
体型に関する変化
前:実験開始前3日間の平均
後:実験期間の最後3日間の平均
No. | 体重 | 体脂肪 | 評価 | ||
前 | 後 | 前 | 後 | ||
1 | 78.0 | 76.6 | 17.9 | 16.5 | 〇 |
2 | 61.0 | 59.9 | 14.3 | 14.0 | 〇 |
3 | 88.7 | 86.5 | 25.3 | 24.9 | 〇 |
4 | 51.3 | 50.1 | 7.2 | 5.5 | 〇 |
5 | 69.5 | 69.6 | 21.6 | 20.6 | 〇(*) |
6 | 62.7 | 60.2 | 24.5 | 19.0 | 〇 |
7 | 48.1 | 48.7 | |||
8 | 55.8 | 57.3 | 29.7 | 28.6 | |
9 | 51.8 | 51.9 | 20.8 | 20.6 | |
10 | 53.5 | 53.1 | 13.9 | 16.0 |
*運動量のわりに低い体重を維持できたとのコメント
ランニングでの変化など
No. | 評価 | コメント |
1 | 今月はRUNの調子はイマイチだった | |
2 | 〇 | 脚が動きやすくなっている気がする 長い距離の練習がしやすくなっている気がする 寝起きからすぐに走っても体が最初から動く 身体より筋肉がボトルネックに←心肺機能の向上に体が追い付いていないから? |
3 | 〇 | 過去2年完走できなかった真夏のフルマラソンを完走できた 汗の量が増えた |
4 | 〇 | <8月モニター時> 強度の高いスピード練で「もうひと踏ん張りできる」 起床が楽で夜の寝つきも良い 体重・体脂肪が減少し、運動耐容能がアップし医師としてもおススメできるサプリ 暑くて練習量が落ち、普段なら体重が増えてお腹周りの肉が気になるはずなのにそれがなかった 7粒は量が多いので服用が面倒 <10月モニター(VO2max計測のため特別に2回実施)> VO2max(最大酸素摂取量)が53→56にアップ 走歴10年、54歳でこの進化は驚き VO2max計測時「いつもより楽だな」と感じて、心拍数をみたら普段より下がっていた (平均心拍数147→140) ビルドアップ走ラストはほぼ全力で追い込むがいつもと違って脚が追い付かない感じ←心肺機能の向上に体が追い付いていない? |
5 | 〇 | 運動量のわりに体重は低めを維持できた印象 脂肪燃焼が重要な低強度・ロングの時には効果があると思う (完走率55%以下の白山白川ウルトラを完走できた) 60km以降も極端に疲れず淡々と走れた 低強度(ゆっくりペースで長く走る時)なら自覚的に効果があると言える RUN以外の日常生活では主観的な違いは感じられなかった |
6 | 〇 | 追い込んだ練習が楽にこなせた ハードトレーニングを連日続けても粘れた 体重が減りやすくなった 体が軽いという感覚がある 疲れがたまりにくくなった 汗をかきやすかった |
7 | 汗をかきやすかった 仕事のストレスもあり食べ過ぎてしまう 今月はあまり走ることができなかった |
|
8 | 〇 | 暑い中でも「辞めたい」と思うことなく走れた 去年のこの時期は小刻みにしか走れない&ゆっくりでも息が上がっていたので普通に走れる。 心肺機能がアップしていると思う。 |
9 | 暑くてトレーニングがキツイ (途中経過の報告で)山登りの時、体が軽くて動きがスムーズに感じられた (最後のまとめの報告で)走っている時の感覚は今のところ自覚的な変化はない 春に向けてレース続くので飲み続けたい |
|
10 | 期間中にいくつか大会に出たがどれもあまり良い調子ではなかった サプリの効果はあまり感じれなかったというのが正直なところ |
青字:ポジティブなコメント
赤字:ネガティブなコメント
*この表は公開前に被験者の方にニュアンスに相違ないか確認済みです
実験結果のポイント
- ダイエット効果が感じられる人がいる(No.1,2,3,4,5,6)
- 心肺機能の向上を体感した人がいる(No.2,4,6,8,9)
- 長い距離への効果を示唆するコメントがある(No.2,5)
- 抗酸化能力(疲労への強さ)の向上を感じている人がいる(No.2,4,6)
- 体が軽い、動きが良いという感覚を持つ人がいる(No.2,4,6,9)
コメントを見ると概ね成分の狙い通りの成果が得られているように思われます。
製造を依頼した会社の担当の方からすると
「長くサプリの製造に関わってきましたが、1ヶ月間という短い期間でこれだけの人が変化を感じられることは滅多にない」
とのこと。
この結果を見て私はこのサプリの製品化を決定しました。
多くの方の知恵を借りて設計し、体を借りて実験し、想いを込めて作りました。
このサプリが目標あるランナーに愛される商品になったら良いなと思います。
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