神宮外苑24時間チャレンジ2018|255km3位でした

神宮外苑24時間チャレンジ2018|255km3位でした

神宮外苑24時間チャレンジを走ってきました。
結果は255.279km(3位)でした(おそらく今日の段階で2018年世界ランキング9位)。
今の私の実力を十分に発揮できた、満足な記録です。

この神宮外苑24時間走には2011年から毎年出場してきました。
2012年にはここで世界選手権への切符を獲得しています。
私にとって一番思い入れのある大会です。

ただ、去年の2017年大会は体の調子を悪くしてしまって不参加でした。
恥ずかしい話ですが、生活上色々と大変な時期が2017年にあって、7月の世界選手権も内定していたのですが出場できませんでした。
それを引きずったまま11月の神宮も調子が戻せずに欠場。当日はゴール2時間前くらいに応援にいきました。

そこで初めて応援側の視点で神宮を走るランナーをみて感じることがあったり
逆にランナーの友達から「小谷君、待ってたよ~」と迎え入れられたり
「こういう形でも小谷君が神宮に顔を出してくれて良かったよ~」と言ってもらえたり

そんなことが去年あったので、
「来年は絶対にあの場に戻る」
とこの1年間は思い続けていました。

大会当日、目覚ましがなる前に自然と目が覚めると、武者震いのような感覚がありました。
ふと2013年の24時間走世界選手権のレース前の楢木選手との会話を思い出しました。

楢木「あー、緊張してきたわ。緊張感で震えがとまらん。」

小谷「緊張するのは自分に期待があるからですね。きっと良い練習をしてきた証拠でしょう。私もしっかり準備をした大事な大会の前はそうなります。」

楢木「そうやな、武者震いってやつ。自分への期待かー、小谷君、良いこと言うねぇ」

その後、彼は255.940kmの自己ベストで日本人トップの記録を出し、日本を団体戦銀メダルに導きます。

私もこの感覚を久しぶりに思い出しました。
途中色々と妥協や予定通りにいかないこともたくさんありましたが、自分なりに1年間頑張ってきましたから。
誘惑に負けずに糖質制限を1年以上続けて、人体の理解のために百万円~、何百時間と知識に投資してきました。

朝食(糖質制限の食事。普段の70%くらいの量)を食べながら、ハンドラー(*)との打合せメモを読み返します。
*専属サポーターで、補給に使うドリンクを手渡ししたり、食事を作ってくれる人

メモの裏側には前日の夜に自分宛に書いたメッセージがありました。

2016年は248kmの記録を出している。
今年は練習も食事も改善して、レースでの内臓トラブルも減ってきている。
ゆえに絶対に248kmは超えられる可能性はある。

上手くいくかは当日の「心」にかかっている。
困難がきたら、過去の成功を思い出せ。
70kmでヤバかったけど無事に完走した2011年ネイチャーラン250km。
フィジカル的には最悪だった台湾24時間走もゆとりをもって走れば235kmまで走れた。

「元日本代表のプライド」とか「自分の強さを誇示したい」とかいう誘惑に負けて、不要なリスクをとってはいけない。
とくに序盤は「後半抜く楽しみ」と考えて順位を下げることを喜べるくらいの自制心をもて。

勝つべくして勝てる相手だけに勝つことを望め。
自分よりずっと努力してきた格上相手に偶然勝つことを望んだり、偶然勝って喜んだりするな。

このメッセージを読み直し、心を整えて会場に向かいます。
この大会ならではの緊張感&選手・スタッフ間の親密感が融合したような、独特の雰囲気。
会場に着くと「帰ってきたぞ~」という感覚。

開会式では有力選手として前で紹介してもらえました。
この時、マスクをつけたまま前に出て、途中で気がついたようにマスクを外しました。

今回は例年よりゆっくりペースで走り始めるので、マスクをつけておけばレース中にライバルが
「小谷君、さっきマスクつけてたし、ペースも遅いし、今年は調子悪いんだろうな」
と油断してくれるだろうという作戦です(しめしめ)。
(後日Facebookで友人全員から「計算通りに走っていたね」とのコメントをもらい、これが無意味だったことを知ります)

そんなこんなで11時にレーススタート。

最初の想定ペースは5:17/kmくらいですが、この日は気温が高かったので自分の感覚を第一に安全に走ります。
スタートからゴールまで「楽な時間をできるだけ長く維持する」ことだけを考え続けました。
そのために

  • 理論的に計算した補給を体の変化を先読みしながら行う
  • 理論と実際の溝を埋めるために自身の直感で適宜補正した補給を行う
  • 接地の感覚を評価軸にして楽なフォームを長時間維持するよう心がける

ということを心に留め続けます。

序盤は小谷列車(*)の先頭を走ります。
*女子優勝の楠瀬選手の造語

2輌目の青色が楠瀬選手です。
雑談ですが、こちら楠瀬選手のブログです。
ウルトラランナーゆこっくの RUN乱ライフ♪

楠瀬選手とは2016年からの友人で、私はその走りへの熱い姿勢が大好きで、ブログを読んではやる気アップしたり、結果を密かに一緒に喜んだりしています。
そういえば楠瀬選手もKernelユーザーですが、シャツから出して走ってる写真が多いんですよね。
ネックレスが揺れるのあまり気にならないんだろうか、、、?

話を戻すと「楽な状態を維持する」ことを意識してゆとりをもって走り続けます。

1,2,3,4,5,6時間が経過。
夕方になり日が落ちてくると暑さが和らいで走りやすくなってきます。
私はまだまだ快調。
ペースを間違えたり、補給が上手くいかなかったり、日差し対策が不十分な方はもうキツい時間が始まったようです。

7,8,9,10時間が経過。
まだまだ快調。10時間を過ぎたあたりで1回目のトイレに入ります。
頻尿で悩んでいた私ですが、色々工夫した成果かここまでもたせられて満足。

11,12,13,14,15,16時間が経過。
私は特に異変無し。
この頃、コース周辺では

  • 倒れているランナー
  • うずくまっているランナー
  • 吐いているランナー
  • すごくマイナスな感情の言葉が口に出てしまっているランナー

が散見されるようになってきました。

時間走は同じコースをみんなで回るので一体感があります。
(競いつつも)一緒に困難な24時間を乗り切るんだという仲間意識というか。
だから、私は苦しくも24時間走の醍醐味が味わえるこの深夜の時間帯が結構好きです。

小谷
「24時間走らしくなってきたなー。
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \」

16時間半頃。
最初の「ちょっとキツいな」というポイントが来ます。
水分と電解質のバランスのズレが少しずつ積み重なったせいか喉の渇き感が気になってきます。
喉が苦い感じで水とかお茶とかスッキリしたものをガブ飲みしたい気分に。
ただ、低ナトリウム血症のリスクも怖く、どれくらい体液を薄めて良いものか慎重にならないといけません。

幸い頭はしっかり働いていたので
「次の90分は少しペースを落としても良いから、この水分・電解質のバランスを整えて、18時間を楽に通過することを目標にしよう。
ついでに糖質も少し回復させてラスト6時間に備えよう。」
と前向きに考えて、体感を研ぎ澄ませて補給した結果、上手く調子を戻すことができました。

18,19,20,21,22,23時間経過。
楽な状態を維持して走り続ける。
途中精神的に少しだれてきつい時間が1時間ほどありましたが、運良く安孫子列車があったのでそれについて復活します。
安孫子選手も2013年の世界選手権を一緒に走った仲間、後ろを走ると力をもらえます。

ラスト1時間。
今期の世界ランキングが254kmから下で固まっていたのを覚えていたので、それの上に乗せるために255kmを目指してペースアップ。
例年地獄のようなラスト1時間も「スピード練習1回分」くらいの主観的キツさでゴール。

いつもはゴール直後にへたり込んでしまうけど、それもない。
今回の感動はいつもの「全力を出し尽くした」という満足感とは違いました。

13回目の24時間走にして初めて
「24時間何もなく走れるよう自分をコントロールできた」という達成感
「攻略したぞ」という感覚
でした。

「今回の結果は余力があって、もっと走れたんだぞ」という意味ではないので、間違って捉えないようにお願いします。
もっとも結果にバラツキが少なく、期待値の高い走りができたというイメージです。

1位の高橋選手、2位の井上選手は走っていて途中から「勝つべくして勝てる相手ではない」と実感しました。
それはもう凄くて、私ももっと準備をしていつかはあんな風に走りたいと思いました。
今回は完敗です。

左からレジェンド関家、激情アスリート井上、絶対潰れないマン高橋、私

前置きが長かったので(?)長い文章になってしまいましたが、実際のレースは驚くほど何もないレースとなりました。
これはもちろん良い意味です。
次回からは何もなく24時間走り続けるためにどんなことをしていたかをまとめていこうと思います。

とにかく、今年の神宮を走れて幸せでした。
色んな形で本大会に関係された皆さん、ありがとうございました!

コメント

*