糖質制限ランナーは練習後・レース中も糖質補給を避けるべきか?

糖質制限ランナーは練習後・レース中も糖質補給を避けるべきか?

今日は糖質制限をしているランナーが

  • 練習後の栄養補給はどうするのか?
  • レース中の補給はどうするのか?

について考えたいと思います。

この記事を書くきっかけとなったのは、あるブログ読者の方からメールで質問があったことです。

Aさん
練習後の栄養補給のポイントに糖質を取ると記載がありました。
しかし、ご本人は糖質制限されているのだと思っていたので矛盾しているように感じました。
それとも練習後は糖質制限していても補給するのでしょうか?
よろしくお願いします。

おそらくAさんがご覧になったのはこちらの記事です。
ランニング練習後の栄養補給のポイント
こちらの記事で私は(糖質制限をしていない人は)
「練習後は糖質とタンパク質を一緒に摂取するのが良い」
と提案しています。

しかし、他の記事では私は糖質制限をしていて、ほとんど糖質を摂取していないと書いています。
そこが分かりにくく、混乱を招いてしまった可能性があります。

私は次のように回答しました。
小谷
『こんにちは。
ランニングショップHolosの小谷です。
ブログからのお問合せありがとうございました。

次のように場合分けが生じます。
①普通の食事の方
→練習後に糖質を摂取した方が良い
②糖質制限をしている方(私など)
→練習後に糖質を摂取しない方が多分良い

①については科学的な証拠が豊富なのでほぼ間違いないかと。
②についてはまだデータが少ないので、①ほど確かとはいえません。
今のところの私の知識と経験からの仮説です。

私が糖質制限をしているのは、その方が脂肪を使える=筋グリコーゲンを温存できる体質になるからです。
最初は体の疲労回復が遅れますが、体が適応してくると回復力も高まってきます。
(練習後に糖質を補給しなくても翌日に疲れが残りにくくなる)

練習後に毎回糖質を補給しては糖質制限による脂肪利用アップの効果が薄れてしまうので、糖質制限をしている人は練習後も糖質補給をしないのが良いと思います

ただ、100kmくらいを補給無しで走り、更に練習後も糖質補給無しだとダメージがやや大きいと感じたことがあります。
2月に走った台湾(130kmくらい補給をかなり制限。大会後も栄養補給少ない。)の後も回復が遅いと感じました。
なので、糖質制限をしている人でも、それくらい追い込んだ後の食事は多少糖質を摂取しても良いかもしれません
(その方が回復が早まり、練習の質を維持できる可能性があるため)

現在私は普通の練習(せいぜい50kmまで)なら練習後も糖質制限で疲れが大きく残ることはありません。
なので、練習後も糖質摂取はしておりません。

以上、ご回答になります。』

Aさん
『なるほど、制限している人としていない人で違うわけですね。
でも一つ気になる事があります。それは制限している人でもレース中は糖質を取っていることです。

24時間の世界選手権で優勝した方(小谷注:石川佳彦選手)も制限していると聞きますが、レース中はかなりのジェルを補給しているようで糖質は意識的に多く取っているように思います。
これに矛盾を感じてしまいます。

結局糖質が無いとパフォーマンスを維持できない。
必要だと思っているからジェルを取っているわけで、必要ないと本当に思っているなら、補給も卵やチーズ、プロテインとかで いいと思うのですが・・・とったら脂肪の燃焼を抑制してしまうのですよね?
それなのに、なぜレースだけは糖質を取るのか疑問です。
「やっぱり糖質って要るのでは? 制限する必要はあるのか?」と思ってしまいます。』

小谷
『レース中の補給と普段の食事を分けて考えると良いと思います。

紹介されている石川選手は
普段:糖質制限
レース中:糖質補給あり
ですよね。

レース中に糖質補給を行ってもすぐに脂肪の利用効率が低下するわけではありません
普段糖質制限をしている人が1日糖質を摂取したところで、体質が急に変わることはないということです。
(厳密にはやや脂肪の利用は低下しますが影響はそれほど大きくはありません)

逆に「普通食の人が1日脂肪メインの食事にしてもすぐに体が適応するわけではない」のと同様です。

おっしゃっている「結局糖質が無いとパフォーマンスを維持できない」は私も事実だと思います
24時間走ともなると、糖質制限している人でも糖質が枯渇しますので、レース中に補給しないといけません。
ただ、その補給に必要な量が普通食の人と比べて少なくなるので、大会で有利になりうるのではないかと私は考えています。
(私はまだ制限してから結果を出せていませんが、石川選手の活躍が「その方向性は全く的外れというわけではない」ことを示していると思います)

私の考えをまとめると

  • 糖質は大事である(レース中に糖質が枯渇しないようにする必要がある)
  • 糖質を温存できる体質にするために日常では糖質制限をする
  • 大会当日は糖質補給をして枯渇を防ぐ
    (レース当日の糖質補給で急に脂肪を使えない体質になることはない。
    多少脂肪の利用率が低下しても、それ以上に糖質を摂取したメリットの方が大きい)

です。』

Aさん
『なるほど。
ご丁寧にありがとうございます。

自分自身も制限していますが全く結果が出ずです。
糖質制限していると、いざ糖質を取ったとき糖質を使えない体質になると聞いたことがあります。

「普通食の人が1日脂肪メインの食事にしてもすぐに体が適応するわけではない」
のであれば
「糖質制限している人が糖質を取った場合体が適応しない」
に当てはめれると思います。

ランナーに本当に必要なのか、このまま続けていくべきなのか、葛藤中です。』

小谷
『こんばんは。

> 糖質制限していると、いざ糖質を取ったとき糖質を使えない体質になる
私が知っている事実としては「小腸での糖質の吸収速度が低下する」というのがあります。
レース中に補給できる糖質の量が減るということですね。
また糖代謝が悪化するので糖質をガンガン消費する短めの競技でも不利になる可能性があります。
ただ、ウルトラマラソンに関しては運動強度が低いのでそれほど影響しないと私は考えています。

糖質制限されているのですね。
私も1回失敗して、2回目のチャレンジで何とか上手くいきました。
「続けていくべきなのか」という葛藤を私も経験しました。

ただ、この答えが無いことにチャレンジすること自体が楽しいと私は思っています。

糖質制限の食は不便なことも多いと思いますが、自分の直感を信じて頑張ってください。
応援しています!!』

かくして私とAさんの間に強い絆が結ばれた・・・
のかは不明ですが、私はこのやりとりがとても楽しかったです。

Aさんの「結果が出ないので、続けるべきかの葛藤がある」ということは私もよく分かります。
そもそも糖質制限自体が多くの人にとって続けることが困難です。
それも理論的に不確かな状態ではなおさら信じることができず、継続が難しいです。

糖質制限が正解かは分かりません。
ただ、Aさんにはご自身の直感を信じて納得のいく回答を出してほしいと思います。

私のこの通り長い長いブログを読んで、更にお問い合わせまでしたAさんのマラソンへの情熱・行動力が素晴らしいと私は思いました。

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