ウルトラマラソンと糖質補給と糖質制限

ウルトラマラソンと糖質補給と糖質制限

ウルトラランナーの糖質との付き合い方を考える

先日の『ウルトラで盲点になりやすい栄養素』に続き、今日もウルトラの補給についてです。

ウルトラマラソンの補給といえば

  • 糖質
  • 電解質(塩分、カリウムなど)
  • 水分
  • ビタミン

が基本であると私は思っています。
今日はその中の1つである糖質について考えたいと思います。

ウルトラマラソンを糖質不足で苦しんでいる人は多い

糖質は炭水化物から食物繊維をひいたものです。
(炭水化物=糖質+食物繊維)

糖質は体を動かすときに必要なエネルギーです。
糖質は体に蓄えられる量が少ないので、ウルトラマラソンを走ろうとすると補給無しでは普通の人は枯渇してしまいます。
(これは糖質を補給せずに100km走れば確認できます)

私が得意な24時間走でも、もちろん糖質は枯渇します。
なので私は「人の2倍食べて最後まで走りきる」という戦略で最近の24時間走を走ってきました。
実際のところは途中で内臓がやられて食べられなくなることがほとんどです。
それでも意識的に食べようと努力する方が結果がでました

糖質をしっかり補給することで

  • パフォーマンスUP:月間350kmくらいの練習でも240kmくらいは走れるように
    (もちろん、糖質補給以外の工夫もしていますが、糖質の貢献は大きいと考えています)
  • 再現性が高まった:途中でリタイアするようなことがへった

という変化がありました。

今回は詳細まで書けませんが、必要な糖質の量は

  1. 大会中にどれだけのエネルギーを消費するか
  2. エネルギーの何パーセントを糖質でまかなっているか
  3. 体にもともと貯蔵している糖質はどれくらいか

から推定することができます。

例えば体重60kgの人が12時間で100kmを走る場合、588gくらいの糖質補給が必要なのではないかと私は推定しています。
エナジージェルの糖質量が25gだとすると24本分ですね。
(実際には飲み物にも糖質が入っているのでそれも加味して補給を計画します)

この話をセミナーですると多くの方が「全然糖質の補給が足りていなかった」と驚かれます
このような方はより意識的に糖質を摂取することでもっと楽にウルトラを走れると思います。
実際に練習や大会で「糖質補給を増やしたらすごく良かった!」という声は多くの方からいただいています。

最新事例の報告|脂肪燃焼効率を高める方法

さて、ここまでは私が今までセミナーなどでもご案内していたことです。
以下では最近の私の体験に基づく最新情報をお届けします。

まずはこちらの写真をご覧ください。

こちらは先日私が行った練習です。
荒川のサイクリングロードを走っていました。

55.25km@4:47/km
これを朝食抜きで補給は水と電解質のみ(糖質補給無し)でやりました。
走り終えてからも空腹感はありませんでした。
補給していた頃と比べて内臓の負担がへったおかげか、以前よりも楽に55kmを通過できたという感覚すらありました。

この1ヶ月で50km超の朝食抜きエネルギー補給無しジョギングを3回行いましたが、どれも快調でした。

これは以前の私では考えられなかった変化です。
なぜこのような変化が起きたのか?
理由は10月から継続している糖質制限にあります

2016年。
私が各地のセミナーで「糖質補給が大事ですよ!」と語り歩いている時、遠くアメリカでこんな研究がされていました。
Metabolic characteristics of keto-adapted ultra-endurance runners

簡単に要点をまとめると
「糖質制限したランナーの脂肪を利用する能力めっちゃ凄い」
です。

糖質を枯渇させないためにできることは2つです。

  1. 補給で適正量の糖質を補給する
  2. 糖質が温存できるように脂肪を利用する能力を高める

糖質制限はこの2つめにアプローチする方法です。

「脂肪を使えるようになろう」という考え自体はそんなに真新しいことではありません。
ランニング関係の雑誌でも度々登場しています。
私が過去にみた記事の例としては

  • 空腹RUN:空腹状態で走る(朝飯前とか)ことで脂肪が使えるようになる
  • 連日LSD:2日連続のLSDで糖質が枯渇した状態で走れて脂肪燃焼効率アップ
  • ファットローディング:練習前の食事の脂肪の比率を高めることで脂肪を使う体に

などがありました。

空腹RUN、連日LSDは私も経験済みです。
ただ、実体験として今回の糖質制限の効果と比較すると「糖質制限の方が糖質を温存する能力は圧倒的に高まる」と思います

ファットローディングについては糖質制限自体もファットローディングと似た食事になるのですが、効果の大きさはたぶん糖質制限の方が高いと思います。

糖質制限をした人の場合、何がベストな補給なのかというのが今の私の新しい研究課題です。
もしかしたら糖質補給ではなく、脂肪を補給した方が良いのかもと思ったり。

まとめ

最後に勘違いのないようにポイントをまとめておきます。

  • 普通の食事をしている人は糖質補給をしっかりした方が良いと思います
  • ただ、糖質制限をすると普通の食事の人より強くなると感じ始めています
  • 糖質制限をした場合はベストな補給方法が普通の人と変わってくるかもしれない(今後の課題)

私も知らないことがたくさんあります。
あとから仮説が間違っていたと気づくこともあると思います。
でもこうして色んな情報や人の体験談をきいて自分で考えて試してみるのはとても楽しいです。
ランニングって単調と思われがちですが、その人の取り組み方次第ですごく奥深い面白さがあると思います。

関連情報

「脂肪を使って糖質を温存」を狙ってLカルニチンもサプリでよく利用されています。
以前書いた記事で「レース直前でもLカルニチンが良いかも」というものがありました。
ブログ→『マラソンとLカルニチン|走る直前でも効くのか?

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